ぶどうの保存性
ここまでの三品種、それぞれ家には二房ずつ残して、最初の週に一房、それから一週間かけてもう一房を食べてみました。保存は野菜室。
食べ始める房は、粒を切り離してタッパーに並べて保存、食べる分だけ取り出して洗いました。残してある房は採取時、雨除けのビニール袋をかぶったままの形で保存し、一週間後にやはり粒を切り離して保存しました。
ここで、一週間経ったときの重量の減少度合いについて見てみます。ビニール袋に包まれているので、そこまで重量減少しないのでは、と思っていたのですが、意外にもかなり重量の減少がみられました。
紫玉 620g->592g
ベニバラード 490g->451g
多摩ゆたか 382g->360g
特に、ベニバラードの重量減少が目立ちました。率で表現すると、それぞれ-4.5%・-8%・-5.6%となります。
その後、例のごとく軸から切断して容器で密閉保管したのですが、やはりベニバラードが劣化が早く、最後は指でつまむとかなりぶよぶよする感じまで水気が抜けてしまいました。もっとも、シャキッという食感は残ったのですが。
紫玉は柔らかくなってきた、という感じ。ハリはなくなりました。意外なのが多摩ゆたかで、2週間たった最後までしっかりとした張りが感じられました。
この辺りは、やはり品種の癖、があるのではないかと思われます。シャインマスカットなど、良いコンディションであれば数か月単位で保存できるという話もありますから。ただ、感覚として赤・紫のぶどうよりは緑のぶどうの方が持ちが良いように思います。
水分が抜けても、カビを呼ぶとか口から痛んでくるとかない限り、味自体はそこまで悪くはなりませんでした。抜けるのは水分だけですから、逆に言うと糖度の類は1度以上上がる、という事もあるように思います。干しブドウが甘くなるのの、凄く軽い奴、ということですね。貴腐ワインも、実の水分の実を蒸発させることで、より甘味を濃縮して作成しています。ですので、もしかしたらおいておくことで味はより濃厚になるかもしれません。
尤も、皮の渋みというものは置いておくと多少増すことがあるような気がします。
以上を、まとめると
・ラップで覆った状態の保管でも、水分はかなり抜けて行ってしまう
・水分が抜けると、実の張りはなくなってきてしまう
・ただし、味が極端に劣化することはあまりない
のではないかと。いずれにしろ、早い段階で軸から切り離して保管することで、この水抜けもかなり制限できるのではと思います。
今日流れて来ていたニュースで、シャインマスカットとか一粒もいで、斜めに切った軸の部分に突き刺してやると、水分の抜けが防げる、なんていう話が乗っていました。ぶどうをよく保存するためには、軸からの水分の流出を抑えることが肝要なのだと思います。
あとまあ、房の形で、特に横置きで保存すると、実と軸の付け根の部分に力がかかり、脱粒しやすくなったりするようです。これを防ぐためにも、軸から切り離すのは有効だと言えます。




