紫玉
次に紫玉です。紫玉は、高墨の枝変わり(枝取りによるクローニングにおける突然変異)だということです。その高墨自体も巨峰の枝変わりということなので、要するに巨峰、ということのようです。
「極早生の巨峰」と表現されていましたが、路地物にしてはかなり早い時期に熟す種類のようです。
今回取った房は次のよう。
着色不良等は感じられず、十分に黒と呼んでいい色づきになっていると思います。房の重さは600g前後。
粒は次のよう。
粒の重さは10gほど。ベニバラードよりさらに大きな粒です。糖度は17-19度程度。多少ばらついていますね。なお、ここでは種無し処理が行われているようで、種はほとんどありませんでした。
さて味なのですが。どうもここのところ、巨峰を食べることは無くなっていました。というのも、うちの周りの摘み取り園ではほとんど巨峰を見かけないからです。でも、前のおつとめピオーネでも感じたのですが。巨峰のような紫のぶどう。味わいは深いな、としみじみと思いました。
昔は、高級ぶどうというと、巨峰が代表格でしたが、昨今新品種がどんどん出てきて、巨峰は古い品種のような感じがあると思います。ちょっと前に巨峰の歴史のエッセイが投稿されていましたが、色々な苦労の上で50年近くも前に開発されたぶどう。今まで生き残っているのは伊達ではないなあ、と感じます。
甘みと酸味のバランス。そして単なる甘さ、単なる酸味でないそれらが合わさったコクのようなもの。それはこの系統のぶどうならでは、だと思います。
やっぱり、時代が流れても良いものは良いですね。




