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ぶどうの話をしよう  作者: あいなめ
2024 摘み取り
59/101

紫玉

 次に紫玉です。紫玉は、高墨の枝変わり(枝取りによるクローニングにおける突然変異)だということです。その高墨自体も巨峰の枝変わりということなので、要するに巨峰、ということのようです。

 「極早生の巨峰」と表現されていましたが、路地物にしてはかなり早い時期に熟す種類のようです。


 今回取った房は次のよう。


挿絵(By みてみん)


着色不良等は感じられず、十分に黒と呼んでいい色づきになっていると思います。房の重さは600g前後。


 粒は次のよう。


挿絵(By みてみん)


粒の重さは10gほど。ベニバラードよりさらに大きな粒です。糖度は17-19度程度。多少ばらついていますね。なお、ここでは種無し処理が行われているようで、種はほとんどありませんでした。


 さて味なのですが。どうもここのところ、巨峰を食べることは無くなっていました。というのも、うちの周りの摘み取り園ではほとんど巨峰を見かけないからです。でも、前のおつとめピオーネでも感じたのですが。巨峰のような紫のぶどう。味わいは深いな、としみじみと思いました。

 昔は、高級ぶどうというと、巨峰が代表格でしたが、昨今新品種がどんどん出てきて、巨峰は古い品種のような感じがあると思います。ちょっと前に巨峰の歴史のエッセイが投稿されていましたが、色々な苦労の上で50年近くも前に開発されたぶどう。今まで生き残っているのは伊達ではないなあ、と感じます。


 甘みと酸味のバランス。そして単なる甘さ、単なる酸味でないそれらが合わさったコクのようなもの。それはこの系統のぶどうならでは、だと思います。

 やっぱり、時代が流れても良いものは良いですね。

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歌川 詩季さまからの頂き物です。
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