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こうしてわたしとお侍のイサム様は、ラブラブアツアツ浴衣デートを楽しんだのよ♡ それにしても黒い森の魔法使いさんのお屋敷ってすごい不思議だわ。わたしたちは部屋をめぐって、部屋の中なのに打ち上げ花火があがっている、花火大会のお部屋に来たのよ。中にはカップルばっかりで、きっと昔のわたしだったら「全員花火といっしょに打ちあがれ(#^ω^)」なんて乱暴な言葉を使ってたんでしょうけど、今はそんなことちっとも思わないわよ♡ だって、こんな素敵なイサム様がとなりにいてくださるんだもん……♡
あぁ、イサム様、なんて素敵なひとみなの……♡ 漆黒の星のような、あぁ、でもその星にはわたしの顔だけが映っているなんて♡ きっとわたしのひとみもおそろいだわ、わたしもイサム様しか見えないもの♡ えっ、「いいから花火見ろよ」ですって? あんたたちが打ちあがりなさいよ(#^ω^)
あぁ、イサム様がわたしをじっと見つめているわ。そのひとみに吸いこまれていきそう……♡ そのままわたしたちは、ゆっくり顔を近づけて、お互いのひとみにお互いの顔を映しながら、くちびるを重ねて……♡
「そうはさせないわよ!」
むちゅーっ! ……って、あれ、イサム様? もうっ、空中で思いっきりキスを空振りしちゃったじゃないの! っていうかまさか、もしかして、これ、夢オチだなんて最悪なシナリオはないでしょうね?
「夢オチじゃないさ。あんたの彼氏、気に入ったからあたしがさらっていくわね」
なーんだ、夢オチじゃなかったんだ、よかったぁ……って、いいはずないでしょうが! ていうか誰よあんた、なにぽっと出でわけわかんないこといってんのよ!
「あたしの名前は悪の魔女、ローズよ! あんたの彼氏、返してほしかったら2階のあたしの部屋まで追いかけてきなさい! じゃあね♡」
なにがじゃあね、よ! 待たんかゴラァッ! って、なにボーッとしてんのよ! あのバカを追うわよ!
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