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「うふふふ、待っててね、クマのぬいぐるみちゃーん♡ しっかり狙いを定めて……」
狙いを定めるふりをしながら、こっそりおもちゃの銃に魔力をこめる。あんなにかわいいクマのぬいぐるみちゃんだもん、絶対倒れないようにしてあるに決まってるわ! ふふん、その手には乗らないわよ、絶対ゲットしちゃうんだから♡
「よーく狙って……さぁ、行くわよ!」
クマちゃんの頭を狙って、銃を発射! 魔力のこもった弾はそのままクマちゃんの頭に命中、さぁ、ここからよ!
「おっと、ねぇちゃん残念だったなぁ、当たったけど倒れなくっちゃ景品ゲットにはならないんだよ」
うふふ、それはどうかしら?
「って、なんじゃこりゃ!」
おじさんが目を丸くしちゃってる♪ そりゃそうよね、だっていきなりクマちゃんが立ちあがって、そのまま横になったんだもん。まるで生きてるみたいでしょ♡
「どどど、どうなってんでぃ?」
うふふ、それじゃあみんなにはこっそり種明かししてあげるわね♡ 実はさっきの弾には、当たったものに命を宿す魔法をかけていたのよ。だからクマちゃんが起きあがって、そして横になったってわけ♡
「やったぁっ! クマちゃんのぬいぐるみ、ゲットよぉーん♡」
「まさか、絶対倒れないはずなのに……」
えっ、絶対倒れない? どういうことかしら、おじさん(#^ω^)
「あ、いや、なんでもない……ひぇぇ、許してくれぇ!」
ダメよ、絶対許さないわ! ……まぁ、どうしても許してほしいっていうなら、そのクマ……。
「ひぃぃっ、許してくれ、わわわ、わかった、これをやるから、頼む、見逃してくれよぉ!」
そうよ、さ、早くクマちゃんを渡しなさい……って、なにこれ? ビリビリしてるけど?
「そいつはビリビリ玉だ! からくりとか機械とかの敵をしびれてやっつけられる優れもんだ! それをやるから見逃してくれぇっ! ひぇぇぇぇっ!」
「あ、ちょ、待ちなさいよ! クマちゃん置いていきなさいよぉ!」
ものすごい勢いで、クマちゃんをかかえておじさんが逃げてく。もうっ、せっかくクマちゃん倒したのにぃ!
「……しかたないわね、それじゃあ先に進みましょ。イサム様、待っててね!」
※アイテム欄に『ビリビリ玉』を追加してね♡
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