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大人の魅力あふれるスーツを着たジークフリート様と、さっき着替えておそろいのレディーススーツの衣装を着たわたし♡ あ~ん、なんてお似合いなのかしら♡ ほら見て、ダンスフロアで踊っているみんなの視線が、いっせいにわたしとジークフリート様に……♡
「愛子、大丈夫かい? 上手く踊れてるかな?」
あーん、ジークフリート様ぁ、わたし、うまくステップがふめませんわぁ♡ ジークフリート様がリードしてくださいまし♡ ダンスだけじゃなくって、心も、からだも……♡
「あはは、もちろんそのつもりだよ、愛子♡」
あーん、なんて幸せなのかしら♡ なんかダンスフロアのすみっこから、ヒルデちゃんの今にも殴りかかってきそうな表情がチラッと見えたけど、気のせいよね♪ うふふ、この幸せが、これからもずっと続きますように……。
「残念ながらそんなことにはならないわよ!」
えっ、なに今の声は? って、誰よあんた!
「あたしの名前は由起子! ホラーの(自称)女王の由起子よ! あんたのもう一つの人格よ!」
ちょ、なにいってんのよ、もう一つの人格って、えっ? もう理解が追いつかないんだけど!
「とにかくあたしは、あんたが幸せになって筆をおくことをよしとしない、超ドSな性格でね、さ、お兄さん、こっちに来なさい!」
「うわっ、やめろ、離せ、愛子ぉぉぉ!」
ちょちょちょ、やめなさいよ! ジークフリート様を離しなさい!
「このお兄さんを返してほしかったら、必死にお話を書きまくることね! それであたしが認めたときに、あんたの彼氏を返してあげるわよ、オーッホッホッホ!」
ちょ、こらっ、待ちなさいよ! 待たんかゴラァッ!
「オーッホッホッホ!」
――こうして黒い森の魔法使いさん主催の、お誕生日パーティーは幕を閉じました。パーティーは終わっても、わたしの執筆はまだまだ続きそうです。そしてそれは、このゲームブックを見事クリアしたあなたも――
※最後までお読みくださいましてありがとうございます(^^♪




