134ページ

　王子様の衣装を着たカイ様と、さっき着替えてプリンセスの衣装を着たわたし♡　あ～ん、なんてお似合いなのかしら♡　ほら見て、ダンスフロアで踊っているみんなの視線が、いっせいにわたしとカイ様に……♡

「愛子お姉ちゃん、ぼくうまく踊れてるかなぁ？」

　カイ様ったら、心配ご無用ですわ。もちろん上手にステップをふめていらっしゃいますし、それにわたしがちゃーんとリードして差し上げますから、お気になさらないでくださいましね♡

「ありがとう、愛子お姉ちゃん♡」

　あーん、なんて幸せなのかしら♡　この幸せが、これからもずっと続きますように……。

「残念ながらそんなことにはならないわよ！」

　えっ、なに今の声は？　って、誰よあんた！

「あたしの名前は由起子！　ホラーの（自称）女王の由起子よ！　あんたのもう一つの人格よ！」

　ちょ、なにいってんのよ、もう一つの人格って、えっ？　もう理解が追いつかないんだけど！

「とにかくあたしは、あんたが幸せになって筆をおくことをよしとしない、超ドＳな性格でね、さ、ぼうや、こっちに来なさい！」

「あーん、愛子お姉ちゃーん！」

　ちょちょちょ、やめなさいよ！　カイ様を離しなさい！

「このぼうやを返してほしかったら、必死にお話を書きまくることね！　それであたしが認めたときに、このぼうやを返してあげるわよ、オーッホッホッホ！」

　ちょ、こらっ、待ちなさいよ！　待たんかゴラァッ！

「オーッホッホッホ！」

　――こうして黒い森の魔法使いさん主催の、お誕生日パーティーは幕を閉じました。パーティーは終わっても、わたしの執筆(冒険)はまだまだ続きそうです。そしてそれは、このゲームブックを見事クリアしたあなたも――

※最後までお読みくださいましてありがとうございます(^^♪