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「ほーら、里音ちゃーん♪ 優しいお姉さんがお小遣い上げるから、お姉さんの時間を止めたりしちゃダメですよぉ♪」
うふふふ、うまくいきそうね♪ 里音ちゃんったら、すっごくもの欲しそうにわたしの持ってる千円札を見ているわ。それにしても、ずいぶんと安上がりよねぇ、まさか千円でうまいこと釣れそうだなんて。でもまぁいいわ、とにかく上手いこと注意をそらして、その間に魔法で里音ちゃんの動きを封じたら、あとはこっちのもんよ! たっぷりパンイチにしていやらしい写真を撮って、それを『みてみん』にはりつけて活動報告に貼って、読者をモリモリ増やして、そしてゆくゆくは書籍化作家に……♡ って、あれ?
「いったいどんな妄想してんのよ……。『時の魔術師テンポラルの時間研究』使わなくてもすきだらけだったわよ」
あっ、わたしの持ってた千円札が、いつの間にかなくなってる! ていうかちょ、里音ちゃん、それ、まさか……わたしの財布じゃんか!
「なーんだ、一万円札入ってないじゃないの。まったくしけてるわねぇ」
ううう、うるさいわねっ! しかたないでしょ、いろいろ買い食いしてたらなくなっちゃったんだから!
「あんたそんなことしてるから、最近お腹周りが気になってきてるんじゃないの?」
ギクッ! ううう、うう、うるさいうるさい! こうなったらわたしの魔法でこらしめてあげるんだから!
「へぇ、そんな状態でどんな魔法を使うつもりよ?」
そんな状態ってなによ……って、なにこれ、なんで? いつの間にしばられちゃってるのΣ(・□・;)
「あんたがわけわかんない話してる間に、『時の魔術師テンポラルの時間研究』を開いてしばったのよ。でも大変だったわよ、あんたなら知ってるだろうけど、『時の魔術師テンポラルの時間研究』は、時間を止めておきたければ、ずっと本を開いた状態で手に持っておかなくちゃならないんだけど、めちゃくちゃ分厚くって重いのよ。おかげで肩がめちゃくちゃこっちゃったけど、うまいこと別の本を呼び出してからあんたをしばってやったわ」
そそそ、そんなぁっ! たたた、助けてぇ!
「さ、それじゃあしばってやったわけだし、お待ちかねのお仕置きタイムと行きましょうか♪」
ちょちょちょ、ちょっと待って、ね、待って! 里音ちゃん、落ち着いて! だいたいわたしは悪くないわよ! 里音ちゃんにいろいろセクハラしてるのは、主人公の俊介じゃないの! わたしは別にスカートめくったり、パンイチにしたりしてないじゃないの! ね、ね、ね、お願い、許して!
「わたし知ってんだからね! あんたそういうエッチなシーン書いててめちゃくちゃいやらしいにやけ顔になってて、家族にドン引きされてたじゃないの!」
ちょ、やめて、その話やめて! 刺さるから、胸に刺さって抜けなくなるから!
「とにかく覚悟しなさいよ! あんたも同じ目にあわせて、俊介に引き渡してやるんだから!」
ヒィィッ! ちょちょちょ、待ってぇっ! 俊介に引き渡されたら、きっといやらしいことされちゃうわ! 待って、許して、脱がさないでぇぇっ♡
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