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『アクマールちゃんのジ・ゴ・クッキング』は魔界でも指折りの実力者である、百つ星コックのアクマールちゃんを召喚する本だわ! 正直いってその強さは、並みの魔人をも上回る、まさに里音ちゃんにとっての奥の手っていっても過言じゃないわね。……だけどわたしは里音ちゃんたちのお話の作者! そう、アクマールちゃんの弱点だって知り尽くしてるんだから!
「なにをごちゃごちゃいってるのよ! 全然出番をくれない恨みを、今日は存分に晴らさせてもらうんだからね!」
ちょ、どういうことよそれ! 出番少ないのを逆恨みされるなんて、そんなのめちゃくちゃじゃないの!
「そういやあんた、主人公であるわたしにもあんまり出番くれないわよね? ずーっと美緒のパートを40話近く書き続けたこともあったし」
里音ちゃんまで、ひどいわ! って、そんなことはどうでもいいのよ、とにかくそっちがアクマールちゃんを出すなら、わたしだってこの魔法を使わせてもらうわね! さぁ、出でよ、百つ星コック『魔人料理長』よ!
「なんですって? ていうかどうしてあんたが魔人料理長を召喚できるのよ? 魔界図書館の本でしか召喚できないはずなのに!」
残念だったわね、こんなこともあろうかと、主人候補生ならぬ、作者補正をかけさせてもらったわ! つまり今のわたしに召喚できないものはないのよ!
「せこっ! なによそれ、そんなインチキ認めないわよ! ほら、アクマール、あんたもなんとかいってやりなさいよ! ……あれ、アクマール?」
ふふふ、どうやら気づいたようね。そうよ、里音ちゃんも知ってるでしょうけど、アクマールちゃんと魔人料理長は、とってもイーイ仲なのよ♡ つまり、そんな二人が戦場で出会っちゃったら……。
「マーちゃんったら、ダメじゃないの、こんな危ないところに出てきちゃ。ほら、お姉ちゃまといっしょにレストランへ帰りまちゅよ♡」
「わーい、お姉ちゃん、帰ったら『頑固すぎるジャック・オ・ランタン』のポタージュスープ作ってね♡」
ほら、バトルもそっちのけで、二人してデートに行っちゃったでしょ。多分あれはもうしばらくのあいだ帰ってこないわよ。
「な、なんてやつなの……! まさかアクマールまで無力化されるなんて……」
ふっふふーんだ( ̄▽ ̄) さ、どうするのかしら、里音ちゃん? パンイチで土下座するなら許してあげなくもないけど、まだ抵抗するなら容赦しないわよ(#^ω^)
「ふん、それはわたしのセリフだわ! なぜならこっちには、最悪最強の切り札があるんだから!」
へぇ、アクマールちゃん以上に強力な本なんてあったかしら? ま、どんな本を使ってこようとも、作者補正を受けてチート能力を授かったわたしに勝てるはず……。
「食らいなさい、『治療に使えるなめなめくじ~こいつで治すくらいなら死んだほうがましだ~』よ! なめなめくじまみれになっちゃいなさいよ!」
「ぎゃひぃっ!」
ちょちょちょ、ちょっと待って、なんて本出してんのよ! えっ、「たかがなめくじじゃないか、なにをそんなに不気味すぎる顔になってビビってるんだ?」ですって? 里音ちゃん、敵はあいつらよ! 画面の前にいるやつらにもなめなめくじをお見舞いしちゃって(#^ω^)
って、そんなこといってる場合じゃないってば! とにかく急いで対処法を考えないと! ここさえ乗り越えればあとはなんとかなるんだし、あんたたち頼んだわよ!
①なめなめくじか、ずいぶんと手ごわそうな敵ね! とにかく油断せず、塩をいっぱい用意するわよ! 49ページへ
②いやいや、本の題名に『治療に使えるなめなめくじ』って書いてんじゃないの。治療してくれるんなら放っておいても大丈夫でしょ。 38ページへ
③ていうかなめくじなわけでしょ? そんな弱っちいやつに負けるわけないじゃないの! 47ページへ
さ、それじゃあ選択肢を選んでそのページへ進んでね(^^ゞ




