司書を殺る為には手段を選びません
先に言っておきます。
サブタイトルに悪意は在りません。
私の一番好きな作品です。
では、お楽しみください。
71階層に来ました。
レンガ造りの建物の内部の様なフロアを
進んでいます。
罠のことならおまかせ、トレジャーハンターの、アルドです。
皆の、特にキッド君とファルさんの手を煩わして、何とか居場所を見つけましたが、
見つけましたが…。
このダンジョン罠が少ない。
出番が少ない。
お荷物感が俺の周りでマイムマイムを踊り出す。
いけない。
集中だ集中!!
そんな事を考えていたら罠感知に何かが引っ掛かった。
「キッド君、そこに罠がないかな?」
キッド君がサーチをするが、
「うーん、ご主人様が言った通り何か有りそうですが、罠や宝箱では無いのでハッキリはわかりませんね。」
えー、キッド君が分かんないなら誰も分かんないじゃん。
でも、気になるんだなぁ。
「アルド様、もしやトレジャーハンターの能力で直接でなく間接的に、
〈何かの仕掛け〉
に反応しているのではないでしょうか」
えっ、なにそれ、カッコいい
「よ、よし、とりあえす調べるね。」
俺は、新しい個性にワクワクしながら壁や床をペタペタしてみた。
壁のレンガの一ヶ所が、
「おぉ、こいつ動くぞぉ!」
動かしたレンガの奧にチェーンの付いた輪っかがあった。
これ引っ張って良いヤツかな?
と考えていると、後ろのゴーレムチームから念話で、
「マスター、引っ張ってみるデス」
「ご主人様にお任せします。」
「主よ、男は度胸です。」
「ご主じぃ~ん、はやく、はやく」
「アルド様、すぐさま危険はなさそうです。」
皆が「行け!」と言っている
と、思う
うん、「アルド、行きまぁ~す!」
鎖付きの輪っかを力一杯引くと、
ズゴゴゴゴゴ、ガチャン!
何処かで鍵の開いた音がした的な何かだ。
ワクワクは最高潮に!!
しかし、
皆で周りを見回すが何も変わっていない。
暫く探したが、なにも見付からなかったので、先を急ぐ事になった。
しょぼん。
何かのイベントかと思ったのに…。
なにも…なかった…だと。
俺は、なにかモヤモヤしたままダンジョンを進んだ
75階層と76階層の間のセーフティーエリアに来て…しまった。
じつは、何処かに何かが待っていると期待していた自分をぶん殴りたい、
「考えが甘い!」と…。
そんな事をを考えながらブツブツ言っていたら。
「ご主人様。」
と、キッド君が呼んだが気付かなかったら、
「ごぉしゅぅじぃぃんさぁまぁぁ!」
と空気が震える程の声で呼ばれた。
ビックリしたチビるかと思った。
いや、正直ちょっと出た。
「初めて使いましたが凄いですね音魔法レベル2気をつけて使わなくては…」
キッド君がなにか言っているが、耳がキンキンして聞こえない。
ミレディさんが念話で、
「キッドが何か見つけたそうデス。」
と教えてくれた。
キッド君に念話で
「何が有ったの?
それと、キンキンするからあんまり近くでしないでね。」
と言った
ペコペコしながら説明を始めるキッド君。
うっすら聴覚が戻ってきた。
下りの階段が二本あるらしい。
一本は普通階段で、もう一本は最近壁が動いて現れた形跡がある階段があるらしい。
えっ、うそ、
あの仕掛けはここに繋がっていたのか。!
ごめんよ、あの時の自分。
さっきは、ぶん殴ろうとしたことを謝るよ。
皆で会議の結果、出てきた形跡のある階段を下りることにした。
長い長い下り階段のさきには、大きな図書館の中だった?
目の前に受付がありメガネ姿の小麦色の肌のギャル?がいた。
「扉が開いた音がしましたが、まさか人がお越しになるとは驚きなのですわ。」
ギャルが喋った。
あれ?この感じ知ってるぞ。
俺は、念話でキッド君に
「鑑定よろしく。」
と頼むと
「スミマセン、ご主人様、
魔族としか分かりません。」
キッド君より強い魔族さんね。
俺は、「少しお尋ねしても宜しいでしょうか?」
魔族のお姉さんが
「宜しくてよ。」
良かった話を聞いてくれるらしい。
「ありがとうございます。
私は、アルドともうします。
失礼ですが、お姉さんのお名前を伺っても?」
と聞く俺に
「ウフフフフっ
お姉さんねぇ。
そう、お姉さんはこのダンジョンのサブマスターでダークエルフのディアマンテと申しますわ。」
何故か上機嫌のメガネ黒ギャルのディアマンテさん
「で、ディアマンテお姉さんはここで何を?」
話しで協力が得られればと思い、フレンドリーに進める。
「お姉さんはね、ここ知識の部屋の番人で司書をしてるのですわよ、
アルド君でしたわよね。
君は一体こんなダンジョンの深層に何をしにきたのかしら?」
ニコニコのディアマンテさんから質問を頂いたので
「はい、神様達のお使いで…」
と言った瞬間に俺の頬を風魔法が駆け抜ける。
切れた頬を血が伝う。
「ブチッ!」とキレかけたが、ぐっと我慢し
「お姉さん?
いきなり何をなさるんでしょうか?」
と、低姿勢で伺う。
「可愛い坊やだと思ったが、
あの糞主神の使徒だったのね。
危うく騙されるところでしたわ!」
激オコの黒ギャル。
「あのー。話を聞いて頂けませんか?」
と聞くも
「問答無用!」
と攻撃してくる。
俺は、攻撃を避けつつファルさんに念話で、
「キッド君とリンク繋げてファルさんが鑑定して。」
「心得た」
「鑑定」
「ディアマンテ レベル 160」
「魔族 (ダークエルフ) 」
「知識の行使」「記録」「不老不死」
と、でました。
おう、ギリギリ。
ファルさんがほねほねザウルスとか倒してレベル上がってなかったら鑑定はじかれてたね。
でも、記録持ってるね。
俺は、この失礼な黒ギャルを懲らしめることにした。
知識が大好きな、人の話も聞けない
態度の悪い 「本好き」にダメージを与えてやるのだ
キッド君に念話で「封入の矢の火と水のヤツまだあったらヤツの周りでない本に撃ち込んで。皆も本に攻撃!
ファルさんはグランと、合体してマジックバリアで時間を稼いで
宜しく!!」
一斉に図書館の本に攻撃をしかけるゴーレムチーム。
ファルグランさんは俺の前に現れ盾に成ってくれている。
濾過スキルをつかい濾過ポイを出す
大きさ 1.2メートル
継続時間 一時間
濾過膜A 指定枠1 「下着」
濾過膜B 指定枠2 「スキル」「MP」
パッケージ あり
発動!
濾過ポイを具現化する間のほんの数秒間で、ディアマンテさんは発狂し、なんだか「きーきー」言っている。
だが無視をして本を攻撃するゴーレムチーム、
攻撃された本のうち何冊かが飛び立つ。
えっ!飛んだ?
すると、キッド君がデカい声で
「ライブブックです。」
と言う
俺は、ディアマンテさんに見えるように、ライブブックを濾しとり、
動かぬ本にして叩き落とす。
「マスター。
そろそろ許してあげるのデス。
流石に号泣してるのにこれ以上は心が痛いデス。」
と、ミレディさんからドン引きの念話がはいった
濾過ポイからスキルカードを回収した後泣き叫ぶ黒ギャルのもとへ
「うあぁぁぁぁん!
悪魔ぁぁぁぁ。
何も本を…本…を ひっく、
虐めることないじゃないのよぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉ!」
俺は、
「人の話も聞かずに攻撃するような
司書を殺る為には手段を選んでいられません。
そして、手加減もしません!!」
と司書の黒ギャルを濾しとってやった。
MPが無くなり白目で失神している黒ギャル…これはこれで…。
と思ったら、ミレディさんにツネられた。
ロープでスマキにして座らせ、濾しとった下着を本人の前にならべてから、MPカードを鼻先で割って起してやる。
「う、うーん」
と、言って起きた途端に騒ぎだす。
「貴方達は、なんて非道なことを!」
と、うるさく喚きだした
「うっさいわ!黙らんかい!!」
そう言って俺は落ちている本に斧を
「ザクッ」っと突き立てた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」
声になら無い悲鳴が上がる。
スマキにされ涙をポロポロ流すディアマンテさん
俺自身心が痛むが、畳み掛ける。
「いきなり仕掛けて来たのは、ディアマンテさんだよね?」
「でも、それは貴方が、」
と反論する黒ギャルに、
「黙ろうか?」
と、言いながら目の前の下着をチョイチョイと指差す。
ハッとして黙りこむディアマンテさん
いや、俺もここまでしたく無かったよ。
本当だよ。ちょっと頭に来たけど…。
「やっと話せますかな?」
真っ赤な顔で小さく頷く黒ギャル。
「神様のお使いを頼まれて、ダンジョンを踏破し始めたけど、色々聞けば、神様同士で話し合ってくれ案件らしいから、話し合える御膳立てを頑張ってるのよね俺ら!」
はぁー っと、ため息をつき
「いいから、まずダンマス呼んで。」
しゅんとなったディアマンテさんは。
「はい、私のスキルと下着を返して頂ければ、直ぐにでも…。
それとも、下着はもう俺のコレクションだから無理と言うのであれば…」
「人聞きが悪い!大人しくお話できるなら返すよ!」
もう、ごめんって。
読んでいただき有り難うございます。
「面白い。」と思って頂けた方や、
「仕方がないから応援してやろう。」と思われた方
宜しければブックマークをお願いたします。
評価や感想、イイねも頂けたら嬉しいです。
ヨロシクお願いします。
次回、 結局、結局なんだ を お楽しみに。




