報告したら次ですね。
読んで頂き有り難うございます。
コーバの街で過ごしていれアルド君
この後、彼にいかなる運命が待っているのか?
本編をどうぞ。
皆様、こんにちは、
報告会に参加中のアルドです。
ジーク様から、コーバの領主邸にて会議を行うので、一週間後にお集まり下さい。
と連絡が入った。
来週まで空き時間が出来た俺は、ユリアーナさんが何故盗賊に捕まるに至ったかを聞いていた。
ハイエルフ母と恋に落ちたエルフの王子の父との間に生まれたユリアーナさんは、ハイエルフとのハーフの為に他のエルフと寿命が違い結婚相手が見つかりにくい、王族の為に下手な相手に嫁にもだせない
じゃあどうすれば?
他のエルフと余命が釣り合うまで実家で暮らす?
ハーフハイエルフだか、寿命がパパ似ならどうするの?
と言う、権力の有るご長寿種族ならではの悩みから、
結婚相手は自分で決める!
と家を出たのが数年前らしい。
で、ユリアーナさんは色々な街や村を渡り歩く行商隊の売り子として旅をしていたんだが、
数ヶ月前に行商隊丸ごと殺されて…。
って、「記憶消したよね俺?」
と聞くと。
「数年だったが家族として迎えてくれた行商隊の皆の最後は、苦しいけど、忘れたくなかったんです。」
とユリアーナさんは答えた。
強い娘さんだ。
ユリアーナさんに「これからどうしたい?」
と問いかけたら。
「旦那も見つからずに、たった数年で、国に帰る訳にもいかず、ましてや盗賊に数ヶ月捕らわれていたのなら、記憶が無いとはいえ、傷物になっているはず…。
旦那様探しどころか、国に帰ってもお見合い相手も怪しいです。」
と寂しそうに答えた。
「ユリアーナさん、フルポーションを使ったし、黙っていれば…。」
と言いかけた俺に、首を振りながら
「嘘や隠し事をして生きるには、エルフの寿命は長すぎます。
何百年も心苦しいのは…。
でも、困りました。
よし、これはもう、アルド様にもらって頂きましょう!」
手をポンと叩き「閃いた!」みたいな芝居をするユリアーナさん
前々から企んでいたの?
すると、玄関のドアが、バン!と開き、
「駄目デス!マスターの嫁はワタシなのデス!」
と飛び込ん出来たミレディさん
この盗聴犯は自己主張強いな。
そんなミレディさんにユリアーナさんは、
「ミレディさん、アルド様なら妻が一人な訳が有りませんわ。
力も財力も優しい心もお持ちです。
妻の一人や二人…いえ十人でもおかしくありません。」
ユリアーナさんの言葉に少し考えるミレディさん。
「了解しました。正妻の座はワタシなのデス!」
と乗ってきたミレディさん
「残念ですがミレディお姉様。」
ユリアーナさんにお姉様と呼ばれドキッっとしたのか「お、お姉…さま…」と念話で心の声が駄々漏れてるミレディさん。
「正妻は、シルフィお姉様ですわ。」
えぇぇぇぇぇぇ!
驚くミレディさん。
いやいや、俺の方が驚いたよ。
その後、俺をほったらかしにして二人は盛り上がり、
では、シルフィお姉様に今後の事を相談ですわ!
と二人してシルフィ師匠のもとへ。
精々シルフィ師匠に注意されるが良い…
と思いながら二人を見送った数分後に、玄関のドアが開きシルフィ師匠が急ぎ足で入ってきた。例の二人を引き連れて。
ほら、怒られたんだ。
勝手なことばかり言ってたから…
すると、シルフィ師匠は俺の前に来て立ち止まる
やっべ、俺も怒られるパターンか?
と思った瞬間、「むぎゅ」っと抱きしめられた。
???
「アルド君、私をもらってくれるの?」
へ?
キョトンとしている俺を見て、
「えっ、違うの…?
もしかして、私の事嫌い…?」
と見つめてくるシルフィ師匠
ふるふると首を横にふる俺、
「やったぁー!じゃあアルド君のお嫁さんになる!!
やったぁー。フフフフっ」
と、無邪気に喜んでいるシルフィ師匠。
シルフィ師匠も昔、ユリアーナさんと似たような理由で里を出て世界を旅する中で、旦那様よりも先に孤児と出会い奥さんではなく「お母さん」になってしまったと話してくれた。
自棄になり、総勢百人近い子供のママとして商会を大きくしてたら益々奥さんから遠ざかり半ば諦めていたところに今回のお話だったらしい。
俺が、
「でも、俺、11歳になったばかりの子供ですよ?」
と言ったら
「えっ、待つもん。後数年くらいすぐだもん!
中身は大人なの知ってるもん。
なのに、断ろうとして…
こんな、おばあちゃんとは結婚してくれない…の?」
涙をためて聞くシルフィ師匠…。
いや、シルフィちゃんをそっと抱きしめる俺であった。
その後がもう大変でした。
ジーク様が会議に息子のカイン国王から各地の教会のトップを集めた席で、
爆笑しながら、
「アルド君が他国の姫を助けて惚れられて外堀を完璧に埋められ落城し複数名と婚約の運びとあいなった!」
と報告。
「しかも正妻は大商会の会長で、もう一人はゴーレムの娘だ。
いゃあ、めでたい実にめでたい!!」
ジークさまは、いつもは大人びて、知恵も回る俺が、女性に詰め寄られてなす統べなく陥落したのがツボだったらしい。
「使徒や賢者と名高い貴公も、女性の勢いに勝てぬのだな。」
と、「アルド君も人の子で安心した。」
などとご満悦な、ジーク様はカイン国王とサラサラと書簡を書いて渡してきた。
「エルフの国」へ
「娘さんを下さい」をしに行くとこが決定した。
そんなお祭りムードで始まった報告会だが、
「記憶の水晶」を使い前世の事から、主神ファミリーのいざこざや魔王君が何故暴れているのかを説明した。
主神様のお使いと平行して、奥さんの「大地の女神」にも力を取り戻してもらい家族間で決着をつけてもらうべく動いている事を報告。
教会関係者からは、なんだかがっかりした反応があった。
「主神様は何だか小さくない?」
みたいな。
俺は、「たぶん悪い人…神様ではないけど、何だかプライドとかもあるだろうし、上手く行かない事もたまには有るって神様でも…。
皆さんは、神様が仲良く夫婦円満になれる様にご協力お願いします。」
教会関係者達も、
「まぁ、それなら仕方ないなぁ」
と納得してくれた。
あとは、各地の魔王軍を食い止める事と
早く女神様に主神様とお話合い場のを設ける為にメインダンジョンの踏破に向かう事
エルフの王族に話を通しに行く事
あと、婚約おめでとう
で、会は締めくくられた。
はぁ、何だか疲れたよ。
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次回、 順番は守ろうか? を お楽しみに。




