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運がないだけですので  作者: ヒコしろう


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アツい指導

鍛治を始めたアドル君


いったいナニを作るのか?


では、皆様お楽しみ下さいませ。



皆様、おはようございます。

鍛治士見習いのアルドです。


朝は早くから、じぃじ師匠がソワソワしながら工房でごそごそしている。

師匠を待たせるのは弟子の恥!

着替を済ませ、腰のベルトにアダマンタイトの金槌を差して、工房へ向かう。


「じぃじ師匠、宜しくお願いします。」


と、元気に挨拶をする。


「よし、アルドよ。

まずは鍛治士の基本鉄インゴットを作るぞ!」


俺は、じぃじ師匠の工房の端に建っている離れの工房を借りて鍛治のいろはを教えてもらう。


金属素材の用意には、

粘土に、大山脈の火山地帯にいる マグマかたつむり の殻を粉にしたものを混ぜて練り上げた素焼きの壺に鉄鉱石をパンパンにして鍛冶釜戸に入れ石炭に火力を上げるために、空気を送り高温にして、溶かして作る方法と、

業者に頼みデッカイ溶鉱炉で溶かしてインゴットにするやり方がある。


今回は、一つ目の「るつぼ」を使って鍛治釜戸で溶かす方法をとる。


じぃじ師匠は空気を送る「フイゴ」をゆっくりと何度か動かし


「やってみろ。」


と言い俺とかわる。

俺は、フイゴを前後に押したり引いたりしてみる。

フイゴは押すときも、引くときも空気を鍛治釜戸に送り込む、石炭が赤い色を通り越し、白い炎が揺れる


暑い暑すぎる。


るつぼ が高温になり光る様な白い色に焼けている。


「この色を覚えとけ。」


じぃじ師匠がポイントを教えてくれる。


「よし、アルド、取り出して少し冷ますぞ。」


汗をかきながら、るつぼを取り出した。


あれ程あった鉱石が、お饅頭ぐらいの量になって「るつぼ」からでてきた。


「アルド、出来た鉄から不純物を取り除くぞ。」


鉄の塊をヤットコで鍛治釜戸にいれる。


じぃじ師匠が鉄の色を見て指示を出せば、


釜戸から取り出し金床でアダマンタイトの金槌を使い叩く。

何度も繰り返ししっかりした鉄を作るのだが、

じぃじ師匠が首をかしげて


「不純物がほとんどないのぅ?」


といっている。


そりゃ万物濾過で濾しとった純度100の鉄だから。


じぃじ師匠は、出来た鉄に魔鉱の粉をまぶして半分に折り込む。


「アルド、あとは勘でこの作業を繰り返してみろ、回数は任せる」


いきなりの難題を与えられた。


俺は、、鑑定を使いながら、鉄に粉をかけて折り曲げ、叩いて馴染ませる。

を繰り返す。


なんどか繰り返した時に鑑定先生が、


「魔鉱鉄合金とでた。」


じぃじ師匠に


「出来ました。」


と出来上がった合金をみせる。


「なんと、一度でやりよったわい!」


と驚きながら喜んでくれた。


次はその合金を包丁の形にしていく


不格好だが俺の第一作目が完成した。

じぃじ師匠は翌日その包丁に柄をつけてくれた。


「初めてで、ここまでできるとは思わなんだ。」


と頭をワシャワシャと撫でてくれた。


数日練習を見てくれた、じぃじ師匠は


「よし、あとは鍛治レベルが上がるまで、アルドか好きな物作ってみろ。

わしはアルドの防具を作る事にする。


鍛治レベルが3になったらミスリルの加工を教えてやる。」


と言い残し離れの工房をあとにした。


じぃじ師匠に防具用に採掘してきたミスリルとアダマンタイトそれにオリハルコンと魔鉱の半分は渡してある


今手元に有るのは、鉄に魔鉱、ミスリルゴーレムの体と、金・銀・銅 が少量


うーん、情報収集に行こう。


俺は離れの工房の中の書物や本工房の資材置き場の各種合金を鑑定先生に頼み、効果と配合比率を聞いていく。


記録のスキルで、メモ要らずである。


最終的に作りたい物が決まった

が、今は我慢して、鍛治レベル上げを頑張る。


合金のナイフや鍬、スコップに鶴橋や鍋

すぐに鍛治レベルは2となる。


前世の知恵を記録スキルで引き出す。

アイテムボックスにある鋼装備を幾つか潰し


テレビでみた日本の鍛治職人の技を真似して、

例のものを作っていく


一本目は酷いものだったが


何本も打つうちに、形になっていった。


そして、最新作が自作の鞘に納まったとき。


ピロリン


と、報告がなり、

手元のそれに鑑定を掛けると


「無名の刀」


「攻撃力 250 付与スロット 1」


「アドル作の刀」


と、鑑定がでた。

付与スロットが見える?


鍛治レベルが3になったのだ。




次の日の朝ごはん時に、


「じぃじ師匠、鍛治レベル3になりました。」


と報告したら、じぃじも叔父さんも食べてるものを吹き出した。


「アルド、本当に?まだ一週間だぞ?」


と叔父さんが聞き直す。


「アルドやこの一週間で打ったものを見せてみぃ!?」


じぃじ師匠が聞くので、


包丁から順番にアイテムボックスからだしていく


スコップや鶴橋は、

ほうほう。

と、感心して見ていた二人がだが、


刀が並びだすと声を失っていた。


「アルド?これはなんだ?」


声をハモらせ聞いてくる、お爺ちゃんと叔父さん。


「刀ですけど、研ぐのが下手くそで上手く出来ないんだ。」


「刀?」と聞き返す叔父さん


じぃじ師匠は、


「アルド、これを研いでみてよいかな?ワシが…」


と聞かれたので、


「やったー!お願いじぃじ師匠、本当の性能が判らないから困ってたんだ。」


と答えると、じぃじと叔父さんは2人して工房に向かい

あーでもない、こーでもないと試行錯誤したらしく

一時間以上経ってやっと工房からでてきた。


じぃじ師匠は


「アルドよ、これで試し切りをしてくれんか?」


と真剣な顔のじぃじ師匠

手には研ぎ上がった白鞘の刀が握られていた


ちかい、ちかいって。


じぃじ達に引っ張られ工房の裏庭に行く、


裏庭には魔竹が束ねて立てであった。


「さぁさぁ。」


と二人に急かされて、


「じゃあ、やりますよぉ~」


と俺が刀を構える。


皆が息を呑むなか、自分の剣スキルと前世の記憶から

なんちゃって居合切りを、披露した。


片ひざをつき、腰を落とした状態から

抜刀しながら斬り上げてみた。


一本たりとも斬れていない


余りの恥ずかしいさに

「ありがとうございました!」


と、刀をじぃじ師匠に渡して

離れの工房に、


逃げた。





俺が居なくなってから、

静かに魔竹が斜めにズレ落ちた事を俺は、知らなかった。





読んでいただき有り難うございます。


少しでも、「面白い。」と思って頂けた方や、

「仕方がないから応援してやろう。」と思われた方

宜しければブックマークをお願いたします。


評価や感想、

イイねを頂けたら、

すっごくすっごく、嬉しいです。


頑張るぞ!!って気持ちになりますので、

ヨロシクお願いします。


次回、弟子の弟子? を お楽しみに。


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