穴をほる 男
気がつけば20話でしたが、
まだ、冒険に出ていない…
頑張らねばと思いながら書いております。
罠の技術を手に入れたアルド君
これで旅立てるのか?
旅立てないのか?
どっちなんだい?!
おっはようございまぁーす
アルドですぅ。
テンション高く朝を迎えておりますが、
清々し訳ではございません。
むしろ、気分はドンヨリ、ドヨドヨとしています。
無理やりテンションを上げている真っ最中!
理由は、昨晩残りの手紙を読んだからです。
手元の手紙は三通あり、
1つ目は婆さん神から、
もう一つは、技術神様から
最後は加害者こと 勇者の 天野 勇 君から
である。
暫く考えた上で、もう、「上から順番にやっつけよう!」
と、決めました。
まず、婆さん神から
『小山 隆史殿
いつぞやは、大変失礼をいたしました。
激務に追われ気が立っておったと言えば言い訳に成ります。
大変申し訳ありませんでした。
さて、謝罪のあとに、重ねて謝らなければならない事態になったことが起きてしまいました。
アノようなスキルしか渡さずに送り出したにも関わらず、
主神様のお考えで、貴方様に大変な使命を受けて頂くことになってしまいましたこと、
深くお詫び申します
つきましては、学神に無理をいって、貴方様のスキルと相性の良いのスキルを送ります。
追伸、手紙の中に、カードが入っていますが、
くれぐれも冒険者ギルドに登録を済ませた後に使用してください
使い方は、近くに人がいない事を確認したのち破けば中のスキルが体に溶け込みます。
貴方様の活躍をお祈りしております。』
丁寧な文面、素直な謝罪…
これは、婆さんの偽物だ。
俺は信じない
信じないが、このスキルとやらは貰っておこう
「アイテムボックス。」っと。
スキルカードをしまう。
続けて技能神様。
「オッス!
初めましてだな、俺は技能神のマイスだ、ヨロシク。
知らなかったとはいえ、数合わせで納品したスキルを引くとはよっぽど運が無いんじゃねえのか?
とはいえ、使徒に与えるスキルにしちゃ、ちと、アレだから、今頑張って改造案を捻り出しているから楽しみにしていてくれよな。
改造については、大変だろうが濾過のスキルレベルを最大の5まで上げておいて欲しい、
じゃあ、頑張れよ。」
職人っぽい神様なんだなぁ
改造かぁ。
楽しみだが大変そうだな。
最後は、勇者 天野君だな
?何か分厚くない?
小さめの封筒だがミッチミチに中身が入っている
中を確かめたら便箋が10枚位と、指輪が入っていた。
『ご無沙汰しております。
ここには、季節もなく代わり映えのない毎日をただ、償いのためにひたすら黙々と、ただ黙々と、修業に打ち込んでおります。
被害を与えてしまった貴方に少しでも喜んで頂たくて、提案したことが、返って貴方に過酷な使命を背負わせることに成るとは…
罪を背負い人々の為に戦うのは私だけでいい、
私だけで、何卒…と懇願しても、私のような者では何一つ変える事がでない現状を苦々しくおもっております。
何か、こんな、糞虫のような罪人の私にも、被害にあわせてしまった貴方様のちからになれないか?
云々 』
獄中からの手紙か!?
勇者メンタル削られてるなぁ、
ハードスケジュールなんじゃない?
主神様、勇者の納期早めるって言ってたけど、大丈夫か?
で、この指輪はなんだろう?
もう、続き読むのしんどいよ。
精神的に…
でも、指輪…気になるし…
読むか!
となり、細かい字でミッチミチに書いてある12枚の便箋をぜんぶ読んだ。
もう、コッチの心まで壊れそうでした。
最後の一枚は、ミスティル文字で、治癒神様からのメモが入っていました。
メモによると、指輪はレベル200迄の使用者の獲得経験値の上昇と、スキル習得及び成長率上昇の加護が付与された神器です。使って下さい
尚、勇者さんは、先程私がお薬盛っておきましたから、明日には辛さから解放されるでしょう。
頑張って下さい。 治癒神 メディカ
とかいて有った。
…最後の一枚だけで良かったな…読むの。
何か凄い指輪をもらった。勇者の手紙にレベル500近いって書いてあったから、レベル200迄の使用者用の指輪はもういらないのかな?
有り難く貰っておこう。
少し大きいかなぁ?と思いつつ指輪を人差し指にはめる俺…。
指輪がシュッと縮みジャストサイズになる。
これ、面倒臭がらず前の晩に開けておけば、跳ね鹿の経験値もアップしてたのに
しくじった。
にしても、大丈夫かな勇者君…
全て読み終えたら明け方でした。
闇落ち勇者の獄中手記のせいで、今から寝ても悪夢を見そうだから、6歳にはキツいが徹夜で変なテンションです。
よし、落とし穴の罠の練習をターニャママにお願いしよう!
もう、体を動かし余計なことを考えたくない一心で、
スコップを片手に早朝からランドコッコのお世話をしているターニャちゃん一家のもとへ
ターニャママから餌やりを手伝ったらこの後穴ほりの稽古をつけてくれると云うので、交渉成立である。
ランドコッコに餌をやり、ついでのサービスで小屋の掃除も済ませて、
前回と同じ広場で、穴掘り特訓です。
ターニャママが、シルフィさんが、「師匠」と呼ばれているのが羨ましいらしく、
「私は?私は?」
とワクワクしながら聞いてくる。
では、
「お願いします。監督!!」
パァっと顔の周りにお花が咲いた様な笑顔で、
「わたし頑張っちゃうぞぉ。」
ターニャママの穴掘り講座はスパルタでしたが、
的確な指示と豊富な知識で穴掘り指導をしてもらい、
罠サイズの穴を5つ掘った所で、
ピロリン
と、何かが起こった音がした。
朝御飯を食べに帰ったらパパさんにまた、井戸で丸洗いされて、さっぱりしたら寝てしまった様子。
気づけば、昼過ぎに
「知ってる天井だ。」
と、呟く俺がいた。
読んでいただき有り難うございます。
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頑張るぞ!!って気持ちになりますので、
ヨロシクお願いします。
次回、旅立ちの前の最後の夜 をお楽しみに。




