31話 チョコレート
「ああ、幸せ……」
はちみつとバターをかけたホットケーキを食べながら、私は嬉しくて思わず声を漏らした。
こっちの世界にきてまだそんなにたっていないけれど、やっぱり肉や魚だけってきついものがあったし。
ホワホワの懐かしい味に私は嬉しくなる。
久しぶりのパン系だよ!ああ、フライパンで焼けるチギリパンって昔作った事があったからそれ作ってみよう。
小麦粉が買えるのだから、パスタ・ピザややうどんも作れる!すいとん・お好み焼き・チヂミもかいいかも!!
やっと主食のない状態から解放される。
肉だけ食べるのはかなりきつかった。
ワンちゃん達にもはちみつとバターたっぷりのホットケーキを作ってあげた。
美味しそうに尻尾を振って食べている。
セルヴァさんも美味しいですねともくもくと食べているので気に入ってくれたのかも?
その後はホットケーキミックスにバターを混ぜて棒状にしてかりっと焼いたものにとかしたチョコレートをたっぷりつけてポッキー風にしてみた。
「これがチョコレートですか」
と、セルヴァさんがまじまじと見つめている。
「初めてですか?」
「あ、はい。ダンジョン産のカカオで作れるには作れるのですが、とても高価なものですから。
聖女様や大神官様といった高位の位にあるものが儀式のときに食する事のできる神聖な食べ物です」
「じゃあ通販で買えてラッキーですね!」
私がそう言えば、セルヴァさんが微笑んで
「貴方の能力を知れば大神官も貴方を捨てた事を心から悔やむでしょうね」と、苦笑いを浮かべた。
□■□
~今日のわんこ~
『チョコ!!甘い!サクサク!甘い!美味しい美味しい!
ホットケーキもホワホワ!はちみつとろーりで美味しい!!』
『アル、あまりがつがつ食べるな。もっとゆっくりと味わってだな……』
『兄者!?食べるの遅い!いらないならアルがもらう!』
『人の話をきけっ!!って食べるなバカ者!!』
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さて、ご飯を食べ終わったら私は買える物をチェックする。
調味料類やハーブ、固形のカレーやシチューやビーフシチューの素などスーパーに売ってそうなものは大体売ってる。
しかもグリセリンも食用のものが売ってるし、なぜか牛●石鹸やはちみつ石鹸、はちみつシャンプーやリンスなど食べ物を連想させる名前がついている石鹸やシャンプー化粧水も売ってる。
これは間違えたのか、これを作った人が気を利かせてくれたサービスなのかはよくわからないけどとてもありがたい。
お風呂で悩んでいた問題が一気に解決した!もしかして神様って本当にいるかもしれない!
重曹とかも売ってるので重曹から洗剤をつくれる、これで生活はなんとかなりそうな気がしてきた。
あとはガスコンロとか、フライパンとか買えれば完璧だったのに。
次は遺跡管理のアプリ。
説明だけ見ると、今住んでいる遺跡をこのアプリを使えば好きにカスタマイズできるらしい。
でもこのアプリを使えるようにするには魔石(大)が1000個必要との事。
セルヴァさんに聞いた所、魔石は階層によって小・中・大ってあって人類で最高に行けたのは地下15階までで、そこまでは魔石(中)しか出ないらしい。
レベル400のフェンリルちゃん達ならいけるかもだけど、地下6階できついと言っている私が地下15階以降いける気がしない。
こっちの機能は使うの無理かも?使ってみたかったな。
にしても、やっぱりもうちょっと下の階までいかないと、二日狩りした分の魔石が一日で消えちゃった。
やっぱりワンちゃんたちの食べる量が凄いからなぁ。業務用を買ったのにもうほぼ使い切ってしまった。
とりあえずベガに氷の塊を出してもらってクーラーボックスに残りを入れておく。
ラップに包んだホットケーキがあるからこれで夜ご飯も何とかなるね。
ワンちゃん達は肉を焼けばいいだけだし。
「なんだか希望が見えてきました!明日は魔石集め頑張りましょう!」
私が言えばセルヴァさんがはい、そうですねと微笑んでくれる。
うん、イケメンの笑みは癒しだと思う。
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