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魔術師の城の王女(21)
突然、白い竜は全身から白い煙を噴出して、姿を眩ませた。そして、煙の中から両腕をドラゴンの翼へと変化させた少年が飛びながら城外へ去っていった。
「ン……(なんて女だ。あんなのを召喚しやがるとは……)」
白い煙が掃ける頃には少年の姿はレムの見えない所まで移動していた。
「いない、逃げていったようですじゃ……」
注意深く確認した後、ギムトスはそう言った。まだ意識が朦朧としているレムは座ったまま立ち上がれずにいた。レムの髪の中でリスが三個目の木の実を食べて首筋を甘く噛みついた。
「補充しても術力がなかなか戻らないじゃないか。あんなのを呼ぶからだぞ」
暫くして召喚した化け物の姿が消えると、それと共に魔法陣の白い光も弱まり、消えていった。それを確認してから、ギムトスはようやくレムの方へ振り向いた。あくまでも不穏な空気が感じられなくなるまでレムを守る姿勢は崩さずにいたからだ。
「お嬢様!お身体はご無事でございますか! 場内へお運び致しますぞ」
「いえ、ここで良いわ。しばらくここにいさせて」
リスによって術力は元に戻ったが、極限まで術力を消費した反動で身体に力が入らない状態だった。




