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New Life  作者: basi
14/69

旅へ

ちょっと突貫っぽいです

誤字脱字おおいですかね? 展開が手抜きですか?

自分では気づかないので何かあれば是非。


お気に入りの登録が増えて来てるのを見ると大変嬉しく思います。

その分プレッシャーも感じますが。


これからも精進していきたいと思いますのでよろしく願いします

 イアンナさんに行けと言われ、デイル防具店とアルト雑貨屋にも行かされ、イアンナさんと同じことを命令された。二人とも無茶苦茶でした。デイルさんは下位防具でなく、上位防具を、しかも一式造れとおっしゃったのですよ。どんなイジメかと思う。ちなみに下位と上位の違いは、武器ならバスターソードやカットラス等、防具ではレザージャケットやナイトメイル等、既に形の出来た、性能やデザインが一律の量産可能製品を下位と呼ぶ。上位は生産者のオリジナルで、デザインや性能は生産者の腕次第で決まるのだ。

 そんなものをインナー、コート、パンツ、ブーツと造らされた。正直イアンナさんよりキツイ。

 アルトさんも腕輪とイヤーカフス、ネックレスと各種回復アイテムを二十種類と造らされ、イアンナさんが優しく思えた。

 精根尽き果てた俺は燻製など作る気力もなく、NPC売りの保存食を買っただけでその日を終えたのだ。

 余談だが称号に《鬼達の弟子》が増えた。



 漸くユルと一緒に過ごせる。昨日から私はかなり浮かれていると自分でも思う。

 キーヴはちょくちょく連絡して来るのにユルの奴は全くしてこない。

 時々ミルスの街に来て探すけど見つからず、漸く昨日見つけることが出来たのだ。そしたら旅をすると言うじゃないか。それに付いて行けるのだ。浮かれても仕方ない。

 正直、他のメンバーなんて集めたく無いけど、どんな相手がいるかも分からず、ユルのレベルもわからないのでそうも言ってられない。

「いい? 勝手に手出したら、わかってる?」

 隣にいる猫の獣人と騎士を睨みながら私は念を押す。二人とも此処で仲良くなった友人だ。

 猫耳に金色の猫目、茶色のショートの少し丸顔の愛嬌あるティア。身長は160に少し届かないがかなりのメリハリボディ。しかも目と髪以外はいじってないと言う。敵だ。

 もう一人はスラッとした長身で175センチあるらしい。軽くウェーブのかかった金髪で切れ長の眼はエメラルド色に光っているエリザ。ティアが可愛い系ならエリザは大人の美人さんだ。体つきにメリハリはなく、私のよき理解者だ。

「大丈夫だよ。好みは結構厳しいから生半可な容姿じゃなびかないよ」

「そうですね。ゲームの中だからか醜男は少ないので美形には慣れました。少々の容姿では特になんとも思いません」

「それなら最初から言わないわよ」

 ユルは少々の美形では済まないのだ。現実も容姿端麗(でも女顔)で、かなりモテる。何故か長続きしないのだが。

 私も冗談っぽく告白してみたが、

「チカと? 考えたことなかったな~。チカなら他にも告白されてるだろうしね」

 と言われ、それきりだ。

「それほどか……」

「わかりました」

 ティアもエリザも了解してくれたみたいだ。

「「手を出すときには言うよ(ます)」」

「ちっが~う!」


 待ち合わせの場所に行くとユルはもう待っていた。

 しかし格好が違いすぎる。 昨日の姿も初心者にしては上の装備だったが今日のは違いすぎる。

 黒のパンツに黒のレザーコート。レザーコートには袖や襟など所々に紅くラインが引いてある。インナーも黒く、胸元にあるシルバーのネックレスがよく映える。両脇には刀を下げ、ショートの髪から見える耳には赤銅のカフスが見える。足元も黒のブーツを履いており、全身黒の暗い印象をコートの赤と髪の銀が払拭し、引き締まったキリッとした印象を付けていた。

「……エルファ、あれがユル君?」

「……あれは駄目でしょう? まるで反則です」

「……ちょっと、待って欲しいな。私も困る」

 なんでそんな格好になってるのよ。かっこよすぎるっての。



 食糧も多目に準備したし釣り道具も一応作ってきた。弓も矢を多目に準備したのでかなり余裕がある。木の矢なら作れるし。ちなみに弓を使うのはイアンナさんには内緒にしている。なので他所の工房で気負わずにコンジットボウを造った

 早めに着いたので荷物の確認をしていたらエルファ達が来た。

 エルファの他には猫の獣人と盾装備の騎士かな? の人がいた。共に女性だ。

 彼女達は此方に来ず立ち止まっていた。

「おはよう、エルファ。そっちの二人が一緒に来てくれるの?」

 エルファが動かないので此方から声をかける。

「初めまして。ユルです。一緒に来てくれるみたいで、ありがとうございます」

「わ、私はティア。馬が手に入るんだし気にしないで。仲良くしようね!」

「エ、エリザです。不束者ですがよろしくお願いします」

 一気に捲し立てる二人。こちらこそ、と挨拶をしているとエルファが詰め寄ってきた。

「な、何、かな? エルファ、近いよ」

「……その格好、どうしたのよ。見た感じだと結構な値段がするはずよ(似合ってるけど今日それじゃなくてもいいでしょうに)」

 ああ、装備見てびっくりしたのか。実際、俺も驚いた。実は最初にコートを造った時にデイルさんに散々ダメ出しされ、デザインを色々造ってると《デザインセンス》を修得したのだ。そこから劇的に変化をし今に至る。

「結構大変だったけど自分で造ったよ」

「「「造った!?」」」

 ……うん、驚き過ぎだと思う。しかも他の二人まで。

 俺は昨日エルファと別れてからのことを説明した。

「それでもおかしいんだけどね。普通、そんなに早く製造レベル上がらないし」

「でも上がったのは事実だしな。……死ぬかと思ったけど」

 実はまだユル達も誰も知らないが、チェーンクエストは途中で止めるとそれまでの成果はすべて消えるのだ。代わりにそのクエスト間の成長率と報酬は高めである。この情報はもう半月後に掲示板に載せられる。

 そして永遠に誰も知らないことだが、ユルを指導した三人は生産ギルドの各職人の代表で《技の伝道師》《鬼指導官》の称号をもち、さらに《スパルタ》のアビリティ持ちだった。

 これらの相乗効果がユルの急成長の理由だが、もちろん誰も知らない。

「まぁそんなこと言われてもどうしようもないことだし」

 事実成長したんだし、造ったのも事実だ。

「……余計なことを」

 エルファはまだ何かぶつぶつ言っている。

 そろそろ出発したいんだけど。

「エルファさん、そろそろ出発しませんか」

 エルザさんがエルファに促し、漸く出発しようということになった。

 何はともあれ、俺にとって初の旅だ。

 いざ冒険へ、なんてね。

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