使い魔の日常
新作書きため中 後一話で一週間連投 あとは週二か週一
王様候補の番犬達 宜しくお願いします ラブコメ要素多い異能バトル
やあ、こんにちは。この作品のストレス増す事担当のアンノウンだよ。シリアスシーンだろうが日常シーンだろうが空気を読まずに突っ走り、相手が何者であろうとも……ではないけれど弄くり回すのが僕の役目さ。
え? メタ発言が過ぎるって? おいおい、他のファンタジー的な異世界の存在やら未来の自分の部下やらを召喚したりと世界観を丸っと無視する僕だぜ? 今更今更。整合性やら流れを考えずに好き勝手に行動するギャグ担当に他のキャラクターみたいな事を求められても困るよ。
でもまあ、話が長くなるから此処までにしようか。今回の主役は僕。未だゲルちゃんが勇者になっちゃう前の物語さ。
「アンノウン、朝ご飯ですよ!」
「ガウ!」
ご飯、その言葉で僕はベッドから起き上がる。マスターが作ってくれた大きなクッションで丸まって、七つの頭の顎の全てをベッドに置いて眠るのは幸せだけれど、ご飯の時間はもっと幸せ。今日の朝ご飯は何かなー? お肉だったら嬉しいなー。
「ガーウ!」
わーい! 山盛りのお肉だぁ! 僕の七つの頭は微妙に味の好みが違っていて、胃袋は一つだから苦手な味はそれが好きな頭で食べるんだけれど、お肉は全部の頭の好物なのさ。今の僕は子猫サイズだけれど目の前には山盛りのお肉。もう涎がダラダラ流れるけれど食べられない。
「アンノウン、待てだ。待てだぞ。お手! お代わり! 伏せ! 良し、食べろ」
どうもボスは苦手何だよねぇ。いや、嫌いじゃないよ? 寧ろマスターの次に好き! でも、躾には厳しいんだ。マスターは直ぐに食べさせてくれるけれどボスは違うし、一度悪さをした時は七つの頭にほぼ同時に拳骨を落とされたからね。
マスターがペットを甘やかす駄目な飼い主なら、ボスは徹底的に躾をしたがるブリーダー的な人なんだ。お風呂に入れてくれたり遊んでくれたりもするんだけどね。
「ああ、そうだ。今日の私の予定だが母様と出掛ける約束をしていてな。姉様が来るだろうが……分かっているな?」
ボスの手が僕の真ん中の頭に乗せられる。す、凄いプレッシャーだ。逆らったらお仕置きされるのが目に見えてたし、僕には頷くしか選択肢が無かったんだ。
「ガ、ガウ!」
うん、分かっているよ、ボス。ちゃんとマスターとお留守番するって。
「……そうか。ちゃんと土産にお前の好物のプリンを用意しよう」
やったー! プリンだ、プリンだ!
「ガガゥウ!」
朝ご飯の後、ボスを見送った僕は森の中で穴を掘る。偶に遊びに連れて行って貰える六色世界で集めた僕の宝物をいたる所に隠すんだ。空き瓶にぃ、何かの骨にぃ、ボロボロの手袋! ゴミ同然の物だけれど、神の世界に埋めておいたら変な物になったりして面白いんだよね。
そして何よりも穴を掘るのって楽しい! どれだけ深く掘るのか、どこまで横穴を広げるのか全く考えずに掘っていたら1日が終わっちゃうんだ。マスターがちゃんと魔法で穴を塞いでくれるから好きなだけ掘れるしね。
「あら、666じゃないの」
「ガウ」
あっ、イシュリアだ。イシュリアがやって来た。マスター達の寝室に置いてあった変な形の玩具とかお酒とか色々持って来たけれど、またマスターを誘惑しに来たのかな? 頭が変な神だから僕の名前をマスターがくれた物じゃなくって、創造に関わった神達が決めた名で呼んで来る女神。一応ボスとは仲が良い姉妹だけれどマスターに手を出そうとする度にボスにお仕置きされている駄女神。
「きゃっ!?」
あっ、穴に落ちた。穴の内壁をツルッツルにして登り辛くした上に底に納豆を敷き詰めた僕の特性落とし穴。耳を澄ませば底から何か聞こえてくるよ。
「臭っ! 臭ぁっ!? アンタの仕業ねー! 女神にこんな事をして良いと思ってるのー!」
「ガウ?」
そうだけれど、それがどうかした? それと女神にじゃなくてイシュリアにならやっても良いと思っている。今日は僕も友達と遊びたいし、納豆臭いから帰って欲しいな。
でも、正直にそれを伝えたらキーキー叫んで来たよ。五月蠅いなあ。
「こんな穴程度で私の野望を阻めると思ったら大間違いよ! 風呂借りるついでにキリュウを誘惑してあげる!」
「ガーウ……」
これだから色ボケ女神は困るんだよね。誘惑しても乗って来ないマスターに維持になっちゃってさ。だから遊び相手は多いのに結婚出来ないで妹に先を越されるんだ。でも、流石に女神なだけあって、ひとっ飛びで穴から脱出、体に付いた納豆を撒き散らしながら地面に降り立った。
そして再び穴の底。ふっふっふ、僕が落とし穴を一個で終わらせるとでも? 因みに納豆は入っていないよ。入っているのは牛乳拭いた雑巾の山さ。
「幾ら何でもやり過ぎでしょうがー!」
だって僕もボスからイシュリア対策を命じられてるもーん。ボスの命令だから僕は全然悪くない。全力でイシュリアを馬鹿にしているだけだからね。
「……もう我慢の限界よ。此処から先は自粛無しで行くわ」
え!? イシュリアが自粛だって!? 神の中でナンバーワン問題児、最高神ミリアスの胃に最大級のダメージを与える天敵! 神関連のトラブルの陰には常にイシュリアの姿有り、僕の誇張が入った状態で広まった評価を持つイシュリアが自粛を知っていただなんて……!
「全部頭の中に届いているわよ、この大馬鹿!」
再び穴の底から飛び出して来たイシュリアだけれど、魔力のジェットで宙に浮き、僕に向かって両手を突き出す。一目散に逃亡開始。無数に打ち出され森を破壊して行く攻撃に対し、僕は回避しながらの逃亡しか選べない。……凄く
悔しかった。
イシュリアに馬鹿って呼ばれた事が!
「だから全部頭の中に伝わって来ているって言うかアンタが伝えて来ているんでしょうがー! ふざけないでよ、馬鹿にしているでしょ!」
イエス! ふざけているし、馬鹿にもしている。そしてイシュリア……チェックメイトだよ。
「なっ!?」
既に木の上にパンダを配置しておいた。僕にとっての魔本であるパンダのヌイグルミは、魔法の女神であるソリュロ製。それが怒りで周囲が見えなくなったイシュリアの頭に降り立ち、僕の魔力の全てを注ぎ込んだ一撃を放つ。
「ガーウウウ!」
この魔法に僕はこの名前を付け、後々バリエーションを増やす事になる。その名は……。
非殺傷式大熊猫型強制キグルミ化光線……パンダビーム!!
「あんぎゃああああああああああっ!?」
カバのキグルミを上下逆に着た状態で地面に落下するイシュリア。当然、その場所にも落とし穴は仕掛けて有る。しかも今までとは比べ物にならない最高傑作さ。
この時、決着を前に僕はイシュリアとの出会いを思い出していた。第一印象は馬鹿にしても構わない相手だったっけ?
「へぇ、立派なのが出来たじゃないの。私も力を注げば良かったかしら?」
「いや、姉様が力を注いでいたらとんでもない事になっていた。流石のファインプレーだったぞ」
「ちょっとシルヴィア!?」
穴から這い出て僕をジロジロ眺めるイシュリアだけれど、付き合いが増えると本当にボスの意見に賛同だよ。イシュリアの力が混ざっていたら悪夢だもん。
「ほら、お手。お手しなさい」
幾ら僕の知能が高くても、生まれたばかりの状態で手を出されても全然意味が分からないのにさ。イシュリアはムキになったのか手を出し続けるんだけれど、香水がとっても臭かったんだ。だから七つの頭全てをイシュリアの手に近付けて……。
「オロロロロロ」
「ぎゃー!? 吐いたー!?」
「大変です! 大丈夫ですか……アンノウン!」
「ちっとは義理の姉の心配をしなさい!」
「え? だってイシュリア様ですし」
この時、僕の中でイシュリアの印象が変わったよ。イシュリアは馬鹿にしても構わない女神じゃなくて……馬鹿にしたら凄く楽しい女神なんだってね!
そして落とし穴の蓋の上に落ちたイシュリアだけれど、沈む瞬間に飛び跳ねた。巧妙に隠しておいた蓋は深い穴の底、腐った魚を貯めておいた所に落ちて行って、空中でイシュリアが得意そうに笑う。
「はっ! アンタの考えなんてお見通し……ひゃわっ!?」
そして、着地と同時に本命の落とし穴に落ちて行った。しかも今回は深さが五倍で、中蓋を仕込んだ三段ぶち抜き色。納豆と牛乳拭いた雑巾と腐った魚を敷き詰めた取って置きさ。
「ガフゥ」
まあ、イシュリアの行動パターンを把握した結果さ。あれ? 向こうから来るのはマスターを訪ねて来たディスハの飼い犬のポチだ。友達だし、後で遊ぼうと思っていたけれど何かあったのかな?
「ワフ!」
何かソワソワした様子のポチはイシュリアが落ちた穴を見つけると急いで駆け寄って……あっ。
取り敢えずポチが後ろ足を上げて……とだけ言っておくよ。まあ、僕とイシュリアの関係はこんな感じさ。
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