飛んでるよ!
「ハァ……ハァ……」
「何だ、遅いぞ、恭平。まぁ、俺に付いてこいってのも無理な話だけどな」
俺は懸命に走っているんだけど、アミィからすればやはり遅いのだろう。
囲まれている人を助けるのに協力してくれているとはいえ、あくまでアミィは俺の傍を離れる気はなさそうだ。
「ほら、急げ! 恭平! そんなんじゃ間に合わねぇぞ!」
「解ってる!」
俺は軋む体に鞭打って、息を切らしながら懸命に走る。しかし、それでもアンドロイドの群衆まではまだ距離がある。
「間に合うか……!」
俺は兎に角アンドロイドの群衆に向かって足を前へ出し続けた。そんな俺の横を、アミィが加減しながら並走する。
…………
アンドロイド群衆が目の前まで迫ってきた。囲まれているのが誰かも判別出来る距離まで近づく。
あの人影は、見覚えがある。間違いない! ジュリさんと進君だ!
「大丈夫、大丈夫だぞ進。お前のことは、お姉ちゃんが絶対に守ってやるからな!」
「怖いよぉ……ジュリお姉ちゃん……」
ジュリさんは進君を抱き抱えながら、どこか逃げ道がないか探っているようだった。
周囲はアンドロイドに完全に囲まれている、離脱は難しいだろう。何とかこちらに注意を引いて、その隙に逃げてもらうしかないか!
しかし、俺の判断はわずかに遅かったようだ。周囲を囲むアンドロイド達がジュリさん達に飛びかかった!
「マズい!」
ジュリさん達にアンドロイドが迫る。ダメだ! 間に合わない!
しかし、ジュリさん達にアンドロイドが到達することはなかった。突然、目の前からジュリさん達が消えたのだ。勢いよく飛びかかったアンドロイド達がそれぞれぶつかり、地面に転がった。
「!?」
俺達にも何が起きたか解らなかった。ジュリさん達はどこに行った? もちろん、周囲にはジュリさん達の姿は無い。
何だ? 何か頭上から音がするぞ。俺が頭上を見上げると、そこには、宙に浮くジュリさんと進君がいた。
…………
「ヤベェな、まさか遊園地に来て、こんなことになるとは思わなかったぜ。だが、いまはそんなことより進の安全が先だ。どうする、何とか進だけでも逃がしたいんだが……」
しかし、周囲は完全に妙なことになっているアンドロイドに囲まれている。オレは進を無事に脱出させようと、何か打開策が無いか考えていた。
「何か、何か無いか……!」
畜生! ダメだ! なにも思い付かねぇ! そもそも、オレは難しい事を考えるのは苦手なんだ。
ここは思いきって、一点突破してみるか? ダメだ! オレだけならともかく、オレの手の中には進がいる!
「大丈夫だ、大丈夫だぞ、進」
そうさ、大丈夫。進だけは何があっても俺が守る! いいぜ、来るなら来やがれってんだ!
そんな考えが伝わったのか、アンドロイド達が俺達に飛びかかってきた。アンドロイド達が目前まで迫る。
「ひぃっ!!」
それを見て、進が悲鳴をあげる。ダメか……畜生!
「うおぉぉお!」
なぜかはオレにも解らなかった。オレは無意識にその場から跳躍した。すると、オレの体がフワリと浮いた。
気付けばオレは空を飛んでいた。腕の中の進が、恐る恐る目を開ける。
「凄い……凄い凄い! お姉ちゃん! ぼく達、飛んでるよ!」
「あ、あぁ、飛んでる、な……」
オレにも今の状況がよく解らなかった。いきなりの状況に困惑していると、オレは脚に何だか違和感を感じた。
どうやら、掃除機から勢いよく風が噴出しているようだ。オレにこんな事が出来たのか。いや、今はそんな事はどうでもいい。進が無事なら、それでいい。
オレは足元から何か声がするのが聞こえ、ふと地上に目をやった。そこには、大声でオレ達を呼ぶ恭平とアミィの姿があった。
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