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【旧】アミィ  作者: ゴサク
四章 ハリケーンガール
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飛んでるよ!

「ハァ……ハァ……」


「何だ、遅いぞ、恭平。まぁ、俺に付いてこいってのも無理な話だけどな」


 俺は懸命に走っているんだけど、アミィからすればやはり遅いのだろう。

 囲まれている人を助けるのに協力してくれているとはいえ、あくまでアミィは俺の傍を離れる気はなさそうだ。


「ほら、急げ! 恭平! そんなんじゃ間に合わねぇぞ!」


「解ってる!」


 俺は軋む体に鞭打って、息を切らしながら懸命に走る。しかし、それでもアンドロイドの群衆まではまだ距離がある。


「間に合うか……!」


 俺は兎に角アンドロイドの群衆に向かって足を前へ出し続けた。そんな俺の横を、アミィが加減しながら並走する。


 …………


 アンドロイド群衆が目の前まで迫ってきた。囲まれているのが誰かも判別出来る距離まで近づく。

 あの人影は、見覚えがある。間違いない! ジュリさんと進君だ!


「大丈夫、大丈夫だぞ進。お前のことは、お姉ちゃんが絶対に守ってやるからな!」


「怖いよぉ……ジュリお姉ちゃん……」


 ジュリさんは進君を抱き抱えながら、どこか逃げ道がないか探っているようだった。

 周囲はアンドロイドに完全に囲まれている、離脱は難しいだろう。何とかこちらに注意を引いて、その隙に逃げてもらうしかないか!

 しかし、俺の判断はわずかに遅かったようだ。周囲を囲むアンドロイド達がジュリさん達に飛びかかった!


「マズい!」


 ジュリさん達にアンドロイドが迫る。ダメだ! 間に合わない!

 しかし、ジュリさん達にアンドロイドが到達することはなかった。突然、目の前からジュリさん達が消えたのだ。勢いよく飛びかかったアンドロイド達がそれぞれぶつかり、地面に転がった。


「!?」


 俺達にも何が起きたか解らなかった。ジュリさん達はどこに行った? もちろん、周囲にはジュリさん達の姿は無い。

 何だ? 何か頭上から音がするぞ。俺が頭上を見上げると、そこには、宙に浮くジュリさんと進君がいた。


 …………


「ヤベェな、まさか遊園地に来て、こんなことになるとは思わなかったぜ。だが、いまはそんなことより進の安全が先だ。どうする、何とか進だけでも逃がしたいんだが……」


 しかし、周囲は完全に妙なことになっているアンドロイドに囲まれている。オレは進を無事に脱出させようと、何か打開策が無いか考えていた。


「何か、何か無いか……!」


 畜生! ダメだ! なにも思い付かねぇ! そもそも、オレは難しい事を考えるのは苦手なんだ。

 ここは思いきって、一点突破してみるか? ダメだ! オレだけならともかく、オレの手の中には進がいる!


「大丈夫だ、大丈夫だぞ、進」


 そうさ、大丈夫。進だけは何があっても俺が守る! いいぜ、来るなら来やがれってんだ!

 そんな考えが伝わったのか、アンドロイド達が俺達に飛びかかってきた。アンドロイド達が目前まで迫る。


「ひぃっ!!」


 それを見て、進が悲鳴をあげる。ダメか……畜生!


「うおぉぉお!」


 なぜかはオレにも解らなかった。オレは無意識にその場から跳躍した。すると、オレの体がフワリと浮いた。

 気付けばオレは空を飛んでいた。腕の中の進が、恐る恐る目を開ける。


「凄い……凄い凄い! お姉ちゃん! ぼく達、飛んでるよ!」


「あ、あぁ、飛んでる、な……」


 オレにも今の状況がよく解らなかった。いきなりの状況に困惑していると、オレは脚に何だか違和感を感じた。


 どうやら、掃除機から勢いよく風が噴出しているようだ。オレにこんな事が出来たのか。いや、今はそんな事はどうでもいい。進が無事なら、それでいい。


 オレは足元から何か声がするのが聞こえ、ふと地上に目をやった。そこには、大声でオレ達を呼ぶ恭平とアミィの姿があった。

ここまで読んで頂き有り難うございます!

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