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【旧】アミィ  作者: ゴサク
三章 双子の人魚姫
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ビーチバレーです!

 さて、全員揃ったことだし、行動開始といこう。


「それじゃあ、取り敢えず泳ぎにでもいくか! 黙ってたら暑くって仕方無ぇよ!」


 昌也はいい年してやたらウキウキしている。その姿は悪い意味で子供のようだ。

 まぁ、気持ちは解らないでもないけど、本当に恥ずかしいったらないな。


「まぁ、海に来たならそうなるわな。それじゃあ、俺達もいこうか、アミィ」


 俺はアミィの手を引いて海へと向かおうとする。すると、アミィの手から少し抵抗を感じ、俺はアミィの方に振り返った。


「どうした? アミィ」


「あのぉ……ご主人様、私、海の中に入るのはちょっと怖いです……」


 アミィはモジモジしながら俺の手を引っ張る。

 そんなアミィを見たキッカさんけど、ため息混じりでアミィに突っ込んだ。


「それでは貴女は海に何をしにきたのですか? おちびちゃん。まぁ、おちびちゃんがどうしようと(わたくし)にはあまり関係はありませんが」


 キッカさんの言い分も解らないでもないけど、アミィにとっては初めての海だ、ある程度は仕方無い。

 俺は、そんな事もあろうかと準備していたものを、ビニールバックから取り出す。


「そうだよな、アミィ。やっぱり初めての海は少し怖いよな。でも、これがあれば大丈夫だよ」


 アミィは俺が取り出したものをまじまじと見る。


「これは……浮き輪、ですか?」


「そうそう、今膨らますから待ってな」


 俺は何度か息を吸い込み、浮き輪に息を吹き込む。これが思いの外苦労し、しばらく頭に酸素が行っていない様な感覚になった。


「ハァ……ハァ……お待たせ、はい、アミィ」


「大丈夫ですか? ご主人様。顔が真っ赤ですよ?」


「大丈夫大丈夫。それじゃあ行こうか、アミィ」


 俺はアミィに浮き輪を渡すと、そのまま海へと向かった。アミィはまだ少し抵抗があるみたいだけど、少ししたら慣れてくれるだろう。


 …………


「ご主人様ぁ、足が着かないとやっぱり怖いですよぅ……」


 海に入ったアミィは、浮き輪でプカプカ浮かびながら涙目になっている。なんだかかわいそうな気分になるけど、どうせならアミィにも海を楽しんで欲しい。


「大丈夫、俺が持っててあげるからさ」


「はい。絶対に、絶対に離さないで下さいね? ご主人様」


 俺はアミィに付きっきりで浮き輪を支える。これじゃあ泳ぐ事は出来そうにないけどこれはこれでいいもんだ。


 ふとパラソルの方に目をやると、昌也は泳ぐのに飽きてビーチで水着のお姉さんを眺めていた。

 あの不純な目線、キッカさんにバレたらブッ飛ばされるんじゃないか? 


 そんなキッカさんは尋常じゃないスピードで泳ぎ回っていた。

 しかし、防水加工がされているとはいえあれだけパワフルに泳がれるとちょっと心配になってくるな。


 …………


 ある程度海と戯れた俺達は、パラソルを下に集まった。時間も正午に近づき、だんだん気温が上がってきた。


「さて、次は何をしようか……」


「夏の海と来たらこれだろ!」


 昌也はにやにや笑いながらビーチボールを取り出した。なかなか準備がいいじゃないか、見直したぞ、昌也。


「ちょうどコートも空いてるからやろうぜ! チーム分けはどうする?」


 順当にいけば主人とメイドで組むのがいいんだろうけど、それじゃあ面白みもない、俺は三人に提案をしてみた。


「どうせなら、お互いのメイドと別チームで組まないか?」


「それも面白そうだな!」


「私、ご主人様と一緒がいいです……」


「ご主人がおっしゃるなら、その様に」


 三対一、決まりだな。たまにはアミィにも俺以外の人間と交流させないとな。


「大丈夫、昌也もそれなりには役に立つから」


「それなりって何だよ!」

 

 昌也は俺の肩をガンガン叩きながら抗議する。でも、俺は敢えてそれを無視して歩き出した。


「それじゃあ、埋まってしまう前にコートまで行こうか」


 俺達はビーチバレーコートまでゾロゾロと歩いて行った。

 足の裏が日光に晒された砂で熱くなる。この分だと、あまりジッとはしていられなさそうだな。


 …………


「いくぞ~ それっ!」


 俺はアミィに向けて軽くビーチボールを打った。ビーチボールはゆっくりとアミィの方へ飛んでいく。


「わきゃあ!」


 軽い音と共に、アミィの頭にビーチボールが直撃した。アミィが頭をさすっている。まぁ、そんなに痛くはないんだろうけど。

 大体予想はついていたけど、アミィは運動神経はあまり良くないようだ。あの時とのギャップが凄いな。


「ゴメンなさい、昌也さん」


「いいって、ドンマイドンマイ! 次だ次!」


 次は昌也のサーブだ。俺とキッカさんはサーブに備えて身構える。


「それっ!」


 昌也のサーブは真っ直ぐにキッカさんへと向かってくる。それをキッカさんは見事にレシーブし、俺はキッカさんに向けてトスを上げた。


「キッカさん!」


 フラフラと上がったボールを、キッカさんはしなやかなフォームでアタックした。その速度はプロも裸足で逃げ出すほどだった。


「ハァッ!」


「へぶっ!」


 キッカさんのアタックは、痛々しい音を上げて昌也の顔面を正確に捉えた。

 まさかキッカさん、狙ったのか? これは、人間を傷付けるうちに入るのだろうか? 

 俺はそんな事を考えながら、何回かラリーを続けた。


 実際の所は昌也サーブ→キッカさんレシーブ→俺トス→キッカさんアタックの流れが大半を占めていたんだけどな。

 ちなみにアミィのサーブはこちらのコートに届かなかった。


 ビーチバレーが終わる頃には昌也の顔は見事に腫れ上がっていた。しかし、なぜか昌也の顔には満足感がありありと感じられた。

ここまで読んで頂き有り難うございます!

もし気に入って頂けたら、感想、評価、ブックマーク等宜しくお願い致します!

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