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第97話 世界再生




 俺はその時暗い世界の真ん中で1人ポツンと立っていた。

 どれだけ見渡しても暗い世界。

 感覚が失われそうだ。

 

 (ここはどこだ?……)

 〈えっと……〉


 喋ったのは管轄者だった。

 冷酷な声が脳内に響き俺を驚かせた。

 管轄者のたどたどしい声は糸のように細くすぐにでも切れてしまいそうだった。


 (管轄者分かるか?)

 〈えっと……ひとつ謝らなければならないんですが……先程常用スキルを発動できなくてすいませんでした!〉

 (……へ?……本気で言ってる?)

 〈はい……〉

 (……あぁいいんだ……)


 俺は少し寝ぼけた様な声でそう返した。


 〈……ただ1つ申すとすれば、ディルガさんはまだ死んでません〉

 (は?)

 《えぇ、死んでないわ》

 (大賢者まで……じゃ一体ここはどこだよ)

 〈……無くなった世界だと思います〉

 (何言ってんだ?)


 〈先程常用スキルを使用できなかったのは『無限意識』を解読出来そうだったからです。

 それを使いこなせるようになればあの状況を打破できると思ったんです〉


 (なるほどな……じゃ一体どうしてこうなった? まるで世界が滅んでいるじゃないか)


 〈えぇ、スキルによれば『無限意識』とその上位互換である『無限知覚』は物理法則から外れた無限のエネルギーを知覚し操ることが可能という神話級スキルだったのです〉

 (し、神話級スキル?!)


 神話級スキルとは魔王ぐらいしか有していない超高度なスキルだ。

 それをこの俺が有しているだと?


 

 『無限知覚』

 世に存在する無限の数を知覚可能。

 物理法則から外れた無限のエネルギーを操ることが可能。


 

 スキル一覧には 神話級スキル の文字がありその下には上記のスキルと説明が書かれていた。

 これは神話級スキルという括りでまとめていいのか定かではない。

 だって無限のエネルギーだぜ?

 炎や水に絶対的適正をもつ強力なスキルなんてレベルじゃないぞ……。

 現に世界を破壊してしまったわけだし……。

 

 (……本当にありやがる……まだ世界のシステムは残っているのか?……光すら残っていないこの世界で)

 〈光はおろか現在時間すらなくなっています〉

 (時間すらも? じゃ俺はなぜ意識を保ててる?)

 〈さぁ、何故でしょうか……分かりませんですが時間が存在しない世界ということは、世界が無限のエネルギーが世界を崩壊させた瞬間で止まっているはずです〉

 (えっとつまり?)

 〈現在体内に残るほんの僅かな魔力で『時間の管理者(タイムキーパー)』を発動すれば世界が崩壊する前に戻すことができます。

 現在この無世界で体を再生させてから時間を戻せばまだいけます〉


 《確かに……それで世界を再生すればたすかるわ》


 管轄者達の言っていることは分かる。

 世界が崩壊した瞬間で時間が破壊されたのだから1秒、いや0.1秒、いやもっともっも限りなく短い時間を戻せば世界は復活する。

 ただ一瞬でも長くなってしまえば俺は一瞬で魔力が枯渇する。

 現在何故か俺だけ無世界の無時空領域から隔離されている為体は完全に再生していた。

 それに体内で生成される魔力は現在も絶えず生まれている。

 これを利用して世界を再生する……本当にできるのか?

 理屈はわかる。

 俺から生まれた無限のエネルギー。

 隕石衝突、超新星爆発など莫大な量のエネルギーを放出する現象などはあるがその全てが数字に変換することが出来る量で、宇宙の始まり(ビックバン)ですら無限には程遠いエネルギーなのだから世界が時間諸共消えてしまったのにも納得はできる。


 じゃ、仮に世界を再生して俺は何をする。

 まずフラムとボルシィの処理だ。

 その次は鬼……いやいや、とりあえずこの無時空世界を何とかしないと。


 (じゃ、管轄者、『時間の管理者(タイムキーパー)』使うから演算頼んだ)

 〈はい!〉


 ・・・・・


 (いやできねぇ!)

 

 そりゃそうか……時間の動いていない、いや時間がそもそも存在しないこの世界で時間を巻き戻したって何も変わらないに決まってる。

 例えるならそこに存在しないケーキを食べて体重が増えるか? という事。

 当然何も食べていないので普通は太らない。

 では【何も食べなかった場合太る】という非科学的な法則を作ればどうだろうか。

 もちろん科学技術で非科学的な法則を作るなんて不可能だ。

 だが魔法なら、物理法則から外れた魔法ならそんな理不尽な法則でも創造可能なのではないか?

 

 時間を創造する魔法……この虚無を自分の創り出したものとして壊す……。


 〈え?! ……まさか……早すぎる……いやでも……〉

 (ん? どうした?)

 〈スキル『虚無空間』を会得しました〉

 (なんだそのスキル)


 確かに俺のスキル一覧には『虚無空間』の文字があった。

 しかしその文字があるのは常用スキルでもスキルでもなく、【神話級スキル】の覧だった。


 (はっ?! 神話級スキル?!)

 〈えぇ……やはりおかしいです……これだけの短時間で2つも神話級スキルを会得してしまうなんて……今なら魔王だって圧倒可能です……〉



 確かにおかしい。



 『虚無空間』

 物理法則、時間、物質が存在しない実世界と隔離された世界を創り出す。

 空間内の法則を操作する事も可能。


 

 いやこのスキルおかしくない?!

 明らかに強すぎる。

 いや『無限知覚』もだいぶやばいスキルではあるが、この世界に対象を引連れることが出来れば法則を操作し殺す事が可能になる。

 俺だけの世界で実世界に影響を出さずに。

 となれば『炎爆燦爛球(アストライオス)』などの被害の大きな強力魔法すらも被害をゼロに押えて行使できる。

 死体も残らないし殺したという事実すら残らない。

 この空間にいる時実世界ではどれほど時間が経っているかは知らないが、もし隔離された次元の中で戦闘を行えるのだとすれば時間すらかからない。

 ほぼ無限に分身体を広げたり俺が死なないように法則を操れば有利に戦闘を実行出来る。


 (『虚無空間』でこの空間に時間を付与、付与後直ぐに『時間の管理者(タイムキーパー)』で世界を再生しろ)


 すると体が妙に軽くなりその瞬間世界にあかりが戻った。

 光が目に入って来て俺の瞳孔を細めた。

 目の前にはゆっくりとこちらに殴り掛かるフラムの姿。

 ちゃんと『思考加速』が機能している

 あの時とは違いちゃんと遅く見えている。

 少し横を見てみれば完全に崩壊し炎の湖となった町が見えた。


 「とりあえず……『虚無空間』を展開……」


 それと同時に辺は真っ暗になる。

 光など存在しない世界では物理法則が存在しなく動くことすら出来なかった。


 そう。

 ここは虚無空間。

 先程や俺が死んだ時跨ぐ何も存在しない空間だ。

 ただし転生時の時とは条件が違う。

 今この瞬間、この空間は俺が支配している。

 天に炎属性魔法を使い光源を作り出し光が存在できる法則を創り出す。

 同時にその光に照らされたのは右手を大きく振りかぶったフラムやボルシィの姿。

 その姿は動く事が出来ないようで思考すらできていない。

 まずこの世界には原子が存在していないし、存在していても物理法則も時間も存在していないので存在自体が矛盾し動くことが出来ない。

 まるで行動不能結界のようだ。


 俺は彼たちが動けるように星と同じような物理法則をイメージし世界に付与する。

 すると彼たちは急に動きだしパニックにおちいり喚き散らかした。


 「は?! ここはどこだ!」

 「フラム様!」


 「喚くな……だまってろよ」


 「何を言ってやがるディルガぁ!!!」


 フラムは掌をこちらに向け叫ぶ。

 だがその手から魔法が放たれることはついぞ無かった。


 「……なぜ!」

 「ここは俺の作りだした世界だ。俺の思うがままの世界」

 「こいつは何を言ってやが……」


 ボルシィの体はそこで粉になった。

 

 なぜか。


 俺がボルシィの時間を100億倍に設定したからだ。

 『無限知覚』を利用して100億という級数を設定し時間軸に付与する。

 無限に比べれば100億なんて小さすぎるレベルだ。

 1秒もすれば彼の体には100億秒分の時間がかかる。

 彼を構成する魔法元素や炭素、水などの分子などが100億秒後の状態になったわけだ。

 当然ボルシィは死んでおりその体を構成する分子はそれぞれが別々になっているはずだ。

 その為砂上になった分子が直ぐに消え去りボルシィがこの世界に存在した肉体的証拠が無に還った。


 「何をしやがった!」

 「んー、簡単に言えば彼を歴史から消した」

 

 俺は冷酷な声でフラムにそう返す。

 そしてひとつの考えが頭によぎった。

 虚無空間で無限のエネルギーを生み出したら一体どちらが勝つのだろうか。

 無限のエネルギーが空間ごと破壊して実世界に戻ってしまうだろうか。

 いいや、そんな事分かるはずない。

 別に勉強のできるわけじゃない俺にそんなことは分からない。

 ただリスクがありそうなのは分かった。

 

 「同様に今からお前も消す」

 「はぁ! てかここはどこなんだ! お前の世界ってなんだよ!」


 「……それはお前の知る必要のない事だよ」

 

 《教えてあげてもいいんじゃない?》

 (いやあんた俺がクールに決めてんだから出てくんなって)

 《ひっどくない?!》

 (てか喋るの久しいな、ずっと黙ってれば良かったのに)

 《いや酷くね?!》

 

 大賢者は何故か忙しいお父さんのような声色だったがこいつの場合なんもしていない。

 俺が死にそうになっているのにどうせ寝ていたんだろ?

 

 いやまぁ良い。

 とりあえず目の前のクズを殺す。


 抵抗できないようにこの世界での俺以外のスキルを封じてある。

 当然フラムは耐性スキルなんて機能していない。


 「じゃぁな、せめて冥土のみあげに持っていけ、俺は鬼のようだぞフラム。

 だってこの美しい角を見てみろよ。

 ははっ、おもしれぇだろぉ」


 俺はニヤリと笑った。

 そう俺のおでこのど真ん中。

 眉間の数センチ上に位置するその突起は完全に角であった。

 1本の角が俺の頭から生えており、その瞬間から俺のスキル一覧は大きく改変された。

さぁ、ここから本気のディルガ覚醒!

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ディルガスキル



○常用スキル

ㅇ『管轄者』の下

・『物理耐性』・『環境効果無効』

・『身体能力強化』・『炎属性耐性』

・『思考加速』・『意識拡張』

・『生存能力強化』・『座標認識』

・『暗視』・『光属性耐性』

・『再生』・『状態異常耐性』

・『轟音耐性』・『精神攻撃体制』


〇固有スキル

ㅇ『鬼』

・『蒼炎』・『貫通』


○スキル

・『魂保存』・『時間の管理者』

・『切断者』・『万斛虐殺』

・『消化』・『分身』

・『回復』・『結界創作』

・『念話』・『空間転移』

・『白轟雷』・『精神看破』

・『炎爆燦爛球』・『地平落雷』

・『斬撃之雨』


〇神話級スキル

・『無限知覚』・『虚無空間』



〇属性適性

・『地属性適性』・『炎属性適性』

・『雷属性適性』

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