表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

96/154

第96話 無限




 くそ……『再生』が追いつかない……穴を空けられただけなら両側から再生できるのに……ちぎられた場合片方からしか再生できないから非常に遅い。

 現在は胸くらいまでしか再生していない。  

 これでも再生速度は十分に早い方だが、複雑な魔法ゆえ耐性スキルも管轄している管轄者の演算速度では魔王の2倍くらいが精一杯の再生速度だ。  

 それに今管轄者は『無限意識』も並列解析処理しているためそれでも少し遅くなっているだろう。

 魔王の2倍では一瞬で体を再生させることなんて到底不可能だ。

 

 そんな中俺を本気で殺しにくる2人。

 フラムは魔法の詠唱、ボルシィは回転で遠心力をつけて俺を蹴り殺そうとしている。

 ろくに魔法も使えない現在いくら耐性スキルが作用しようがその反動がでかすぎた。

 

 『物理攻撃無効』があっても今なら『貫通』がなくても痛覚は有効になる。

 今は耐性スキルを信用しない方がいい。

 では相手の動きを止められるかと言えばそれも恐らく無理だ。

 『結界創作』だって他の固有魔法(オリジンマジック)だって魔力消費が大きすぎる。

 全身があり魔力制御が上手く機能している時ならそんな魔力消費は微量に過ぎないが、現在はそれだけでも大きすぎる。

 

 まずい避けれない!……


 「がはっ……」


 殴られた左頬は突かれている餅のように変形し鈍痛を走らせた。

 続けてフラムの炎属性魔法が放たれた。

 爆速で飛んでくる炎玉は完全に俺の頭を捉えていた。

 うねることも無く直線を描きながら飛んでくる炎玉。

 避けようにも現在ボルシィによって抑えられている。

 腕を俺の脇から回しほぼ唯一の移動手段である手を封じられた。

 飛んでくる炎玉に対して抵抗することすら出来ずに俺は当たった。


 「あっつ!」

 

 熱い……炎天下のコンクリートに裸足で付け続けた時の何十倍もあつい。

 こんな事あるか?……

 もしかして1ミリも常用スキルが機能していないのか?

 『管轄者』は何をしてやがる。

 進行形でボカスカ殴られている俺の中で一体何をしてやがる……。

 フラムの魔法の威力も少し落ちてはいるが全然致命傷になりかねない。

 有限の魔力をチビチビと消費して小さな防御結界を構築していなかったらもう死んでいる。

 くそ……分身体を作る余裕さえあれば……。

 だがもう魔力の貯蔵はそこを尽きてしまう……。

 

 あぁ……俺死ぬのか?

 目の前が暗くなってきた……。

 まるであの転生する前のように。

 考えてみれば俺の人生はずっと真っ暗だったな。

 こっちの世界に転生してようやく明かりが見えたと思ったのに……命はって……馬鹿じゃねぇのか俺……前世の俺ならこんな事……絶対やってないよな……。

 仇をとることも出来ずに俺はここで死ぬ……。

 もうスキルによる死の回避手段なんて……残っちゃいないよな……。


 レイン、ティアさん、シィルにソフィ……ノヴォルさん、レイキスさん、フパス、リゼさん……謝らなきゃいけない人が増えたみたいだ。

 すまない……みんな……


 もう限界なんだ……眠らせてくれ。

 痛いよ……死にたくないよ…………。


 もっと生きたかったよ……。


 体の痛覚が異常反応を起こす程にボロボロになるほど殴られた。

 魔法だってやってきた所業に値する拷問と思えば痛くもなかった。

 だがこのまま黙って死を待つ事しか出来ないと理解した時、俺の頭の中で色んな色の感情が渦を巻きやがて黒色となり頭を染めた。

 思考することもままならない痛み。

 追撃を止めない2人。

 

 (死ぬな……お疲れ様……俺……)


 俺の目からは大粒の涙が滝のように流れていた。

 だがその涙は沸騰寸前の熱湯で肌の上で蒸発するものもあった。

 

 (最後まで俺は……クズかよ……)


 微小をうかべ目を閉じた。

 恐らく仕方がないくらいに不気味だっただろう。

 死にかけの上半身だけの男が笑っているのだから。


 俺はその時に意識を放棄した。

 もう痛みは感じたくなかった。

 せめて、せめて次の一撃で死にたかった。


 ボルシィが俺を天高く投げる。

 地面との距離は30メートル程だ。

 そして段々と加速しながら落ちる俺の頭を回転蹴りで吹き飛ばそうとする。

 これで死ぬと自覚できた。

 『思考加速』の切れた世界は異常に早く進むはずなのに何故か遅く見えた。

 走馬灯が流れることも無く俺の視界にボルシィの足が近づく。

 無慈悲にも魔力で威力の増した蹴りだった。

 


 〈『無限知覚』を獲得! すぐに常用に移します!〉


 ん?

 ……なんだ管轄者の声が……。

 

 その時にはもう周りは真っ暗な空間だった。

 どこを見渡しても何も無い真っ暗な空間。

 死んだ時にやってきたあそこだ。

 

 足の感覚がある。

 死後の世界では死んだ時の体ではなくちゃんとした体で死ねるらしい。

 俺は何もないその世界を少し歩いた。

 もちろんどこに着く訳でもない。

 ただ歩かずにはいられなかった。


 光すらなく自分の姿すら確認できない空間で俺はひっそりと息を吐いた。

良かったら☆やブックマークでの評価お願いします!




ディルガスキル



○常用スキル

ㅇ『管轄者』の下

・『物理耐性』・『環境効果無効』

・『身体能力強化』・『炎属性耐性』

・『思考加速』・『意識拡張』

・『生存能力強化』・『座標認識』

・『暗視』・『光属性耐性』

・『再生』・『状態異常耐性』

・『轟音耐性』・『無限意識』

・『精神攻撃体制』


○スキル

・『魂保存』・『時間の管理者』

・『切断者』・『万斛虐殺』

・『消化』・『分身』

・『蒼炎』・『回復』

・『結界創作』・『念話』

・『空間転移』・『白轟雷』

・『精神看破』・『炎爆燦爛球』

・『地平落雷』・『斬撃之雨』



〇属性適性

・『地属性適性』・『炎属性適性』

・『雷属性適性』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ