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第95話 生死



 死ねない……俺はまだ……強くならないといけない……。

 目標が崩れるその前にディルガを殺さなくては……。

 初めはボルシィとの2対1に抵抗があったが今になって勝てないと確信した。

 ディルガはその圧倒的な魔力量で不思議な魔法を連発している。

 現に空から斬撃が降ってきている。

 広範囲なので俺にあたる斬撃は2秒に1回くらいのペースなので避ける事は出来るが、少しでも油断したら死ぬ。

 他にもこんな強力なスキルを有しているかもしれない。

 これだけ強くなった俺をこれだけ圧倒しているのだ。

 『犠食(サクリファイス)』の成長速度を遥かに超える成長速度で俺を突き放している。

 十色光魔王(ディクテット)最強のあの男を超える為の第1歩としてディルガを殺す事を目標としていたがそれが無理だと断言された気がする。

 圧倒的な戦闘能力に頭の回転が異常に早い。

 スキルの使い方にも柔軟性があり非常にうまい。

 そしてスキル、魔法の発動速度こいつどうなってやがる?

 複雑な転移魔法すらも詠唱もなしに魔法陣を一瞬で構築し、転移を実行していた。

 そして何よりあいつ『蒼炎(フォートフレイム)』を使っていたよな?

 『蒼炎(フォートフレイム)』は鬼の固有スキル。

 ディルガが先程馬鹿みたいな威力の魔法で消し炭にした種族の固有スキルだぞ?

 なぜディルガ……が……まさか?!

 ディルガがあの森で亡くなった子供か?

 

 それなら話が繋がる。

 ディルガが森で目覚めたと言うなら……。


 「ディルガ! 話をしよう!」


 ディルガは奥で冷たい目でこちらを見ている。

 俺の声は果たして届いただろうか……。










 「ディルガ! 話をしよう!」


 急になんだ?

 話?

 ここまで来て一体なんの話をするって言うのだ。


 「さっきお前が鬼かもと言っただろ! その話が少し繋がった気がするんだ!」

 「それはお前が自分から話を切っただろ!」


 フラム達は一生懸命『斬撃之雨(ペルセウス)』から繰り出される斬撃を避けながら喋っている。

 あの斬撃ランダムっぽいから操っちゃえば今すぐにでも殺せるのだが俺は自分の事が知りたかった。

 それもこの世界の事が少しづつ分かってきたが自分に関しては未だよくわかっていない。

 情報は有益。

 鬼がいない今俺の謎を解明できるのはフラムが最後になるのかもしれない。

 そう思うとやはり殺すには惜しいと思ってしまった。

 

 「『結界創作』、行動不能結界を展開」

 「なっ……」


 フラムたちの動きが止まる。

 うん、次から『斬撃之雨(ペルセウス)』を使う時は行動不能結界も駆使して不回避の状況で斬撃を浴びせよう。

 恐らくそれが最も力を発揮するだろう。

 まぁ今はもう『斬撃之雨(ペルセウス)』は要らないのできっておこう。

 

 2人の距離は5メートルくらい離れている。

 2人を一斉に視界に収められる角度からフラムに話しかけた。

 

 「お前の声帯は動くように調整してある。俺に何が言いたい? 最後の悪足掻きだと判断したらお前の首跳ねるからな」

 「あぁ、覚悟の上だ……」


 フラムは絶対に負けたくないような顔をしているのだがどうやら死を覚悟出来たのか?

 なわけ、あれだけ人を殺しておいて自分はもう死ねるなんて身勝手な事だな。

 

 「お前は鬼の子だ。……森に入った鬼の夫婦の間にできた子供がお前で……その子は生まれた瞬間から既に死んでいたそうだ……」

 

 なんの昔話だ?

 それが俺が鬼というなんの証拠になる?


 「ディルガ……お前は産まれた時どこにいた?」

 

 フラムは口以外を動かすこと無くその質問を放つ。


 俺の生まれた時?

 俺は……森の中にいたな。

 いやでもこの姿のままだったし?


 「まぁ森の中だった」

 「ははっ……そうだよなぁ……普通生まれた時から森の中にいるなんてありえないよな……。

 その鬼の子は熊の魔物に襲われて、父親を亡くし母親は何とか逃げてきたものの子供は森の中で行方不明だったそうだ」


 なに? 

 もしそれが本当なら……いやいや、


 「お前が話してるのは何年前の話だよ」

 「ほんの数週間前の話だ……だがお前が60歳ぐらいの見た目をしているのが謎だ」


 いや魔物の、寿命に換算すんな。

 俺の容姿は17歳くらいだぞ……。

 しかもこっちの世界に転生して1年も経ってないから生後1ヶ月弱くらいなんだが?!

 てか生後っていうか転生後だな。

 いやてか3週間ほど前?

 もしもそれが本当に俺ならなぜ俺はこの姿に?

 大賢者と話していた時は向こうの世界で魔法元素に分解されこっちの世界で再構築されたと言う話で落ち着いたよな?

 ……いやいや大賢者との会話を信じる方が悪い!

 よしきっとフラムは本当の事を言っている……と仮定しよう。


 『魂保存(ソウルセーブ)』と同じ理論で【肉体的死が魂を肉体から切り離す条件】で考えると俺の転生して来た魂を入れる為の媒体となったと言う可能性はないか?

 肉体的死により魂は体外へ出てまだ使えそうな体を探すが普通あるわけなく天高く昇っていく。

 これが【死】と仮定する。

 では【生】は?

 恐らくだがその魂がお腹の中の胎児などに入る事だと思う。

 それなら輪廻転生という言葉にも確証を得られる。

 まぁあくまで自論であって正しいとは限らないがな。


 そして俺は肉体的に死んでいない鬼の子の体に元の魂が入って媒体である体が魂に干渉され変形した。

 そうであれば話は繋がる。

 だが肉体的に死んでいない体なんて普通あるか?

 虫が良すぎるだろ。

 

 もしもその鬼の子が俺の媒体となる為だけの存在としてこの世につくられだとすればそれは結構残酷な話だな。

 だがそうなのだとすれば……この体……。

 

 「いいや……人違いじゃないか?」

 「しねぇ!」

 

 しまった! 結界を突破された。

 後からボルシィが殴り掛かる。

 その顔は恐ろしい形相を浮かべており恐怖を感じた。

 

 まずい……会話に集中して避けきれない……。

 もう既に拳との間は数センチ。

 転移しようにも、壁を築こうとも防ぎきれない……。


 引き伸ばされた時間の中で思考を繰り返すがそれはただの時間の無駄だったようでその拳は俺に呆気なく当たった。


 俺は殴られた衝撃でフラムの所まで吹き飛ばされた。

 その時に誤って結界を解いてしまった。

 動き始めたフラムは『貫通』を常用した拳で俺の背中を殴りつけた。

 避ける事が出来なくその高威力から腹が丸ごとえぐれていった。

 痛い……衝撃だけのボルシィとちがい痛みが伴うフラムの攻撃は俺に対して有効打となる。

 ていうか痛いなんてもんじゃない。

 出血しても酸素が回らなくても俺の場合死なないので肩から上に両腕が着いた状態でも生きていける。

 切り離された腰から下は光を発しながら魔法元素に還っている。

 現在俺は肩より上のみだ。

 決死の覚悟で俺は『再生』をフル稼働させながらこっちに向かってくる2人を睨んだ。

 

 

 

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ディルガスキル



○常用スキル

ㅇ『管轄者』の下

・『物理耐性』・『環境効果無効』

・『身体能力強化』・『炎属性耐性』

・『思考加速』・『意識拡張』

・『生存能力強化』・『座標認識』

・『暗視』・『光属性耐性』

・『再生』・『状態異常耐性』

・『轟音耐性』・『無限意識』

・『精神攻撃体制』


○スキル

・『魂保存』・『時間の管理者』

・『切断者』・『万斛虐殺』

・『消化』・『分身』

・『蒼炎』・『回復』

・『結界創作』・『念話』

・『空間転移』・『白轟雷』

・『精神看破』・『炎爆燦爛球』

・『地平落雷』



〇属性適性

・『地属性適性』・『炎属性適性』

・『雷属性適性』

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