第87話 正体
エメラルドグリーンの髪の男を捉えて早10分。
男は意識を戻していた。
初めは必死に抵抗し覆い被さる地属性魔法を振り払おうとしていたが、地属性魔法には『虐殺者』の効果が付与してあり、大きく触れる度に精神体にダメージがいくようになっている。
その為動くと体が激痛を食らっていると錯覚し、現在膠着状態が続いていた。
「君の名前は?」
男に聞いてみるが男は口を開かない。
困ったな……。
男は俺を睨むばかりで口が開く様子はない。
このまま聞き続けても虚しく終わるのは目に見えていた。
そこで俺は男を覆う地属性魔法を少し絞めてみた。
体との距離に少し余裕があるくらいにしていたのだが今は何もしてなくてもやんわりと当たるくらいの距離だ。
だがら彼がなにか話すまで何もしなくても精神体に激痛が響く。
すると彼の表情は一変し怒りの表情を見せた。
その怒りの中には苦しみも多々あるようで、悲鳴をあげていた。
女性の高い悲鳴じゃない、男が本気で死にそうな時にあげる図太い悲鳴だ。
拷問は趣味じゃないので早く言って欲しいのだが彼はまだ口を開かない。
強靭な精神を持っている。
その痛みが体中を巡っても男は我慢する限りで抵抗しない。
俺の地属性魔法は破れないと知っていて無抵抗なのだ。
その中で苦痛を味わっていると思うと同情せずにはいられなかった。
ただ喋ればいいだけなんだけどなぁ。
その時に俺の目の前である文字が現れた。
文字は少し経つと漢字に変化し、
『精神看破』
というスキルになった。
『精神看破』
相手の精神体に干渉し考えている事を見破ることが出来る。
ただし同等もしくは格上の相手などに対し干渉が制限される場合がある。
獲得条件:『念話』、『魂保存』の所持
また便利なスキルを手に入れてしまった。
これを使えば相手が何を考えているか丸分かりって事か。
制限されるのは俺と強さが同等かそれ以上の相手。
これで相手の実力を測ることもできるし、戦闘中に相手の手を予測できる。
強力なスキルだ。
(くそっ! どうすれば抜けられる?! この岩は壊せない。……だが言えない! 俺がヴェーデル様の遣いなんて!)
うわーこいつバカだなぁ。
心の中を読まれないと思ってるとはいえ、それミスって口に出しちゃったらどうするんだよ。
ん?
(いだっ?!)
俺の頭に耳鳴りが響く。
酷く大きな耳鳴りだ。
なんだこれ……
『精神看破』の代償か?
『精神看破』
精神体に干渉し考えている事を見破ることが出来る。
ただし同等かそれ以上の相手などに対し干渉が制限される場合がある。
獲得条件:『念話』、『魂保存』の所持
反動について:対象が格下の相手だろうと精神体に干渉する時の反動ダメージは軽減されずに帰ってくる。
最後の文を読んでいなかった。
契約書の最後に変なことを書かれて詐欺られたような気分だ。
頭が痛い……くそっこのままじゃまるで意味を成さない。
『精神攻撃耐性』
頭痛が軽減された。
このスキルのおかげか?
『精神攻撃耐性』
自らの精神体に対するあらゆるダメージを軽減する。
今にピッタリのスキルだ。
酷かった頭痛がだいぶ軽減された。
そう軽減はされていた。
だが完全な無効化ではない為、まだ痛みは相当残っている。
俺はそこで頭を抑えて地面に腰を下ろした。
ノヴォルさんとレイキスさんが「大丈夫か?」と言わんばかりに近づいてくる。
俺は大丈夫だ。
ただ……こいつが逃げないようにしてくれ……。
この痛みが消えるその時まで……。
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ディルガスキル
○常用スキル
ㅇ『管轄者』の下
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
・『暗視』・『光属性耐性』
・『再生』・『状態異常耐性』
・『轟音耐性』・『無限意識』
・『精神攻撃体制』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』
・『切断者』・『虐殺者』
・『消化』・『分身』
・『蒼炎』・『回復』
・『結界創作』・『念話』
・『空間転移』・『白轟雷』
・『精神看破』
〇属性適性
・『地属性適性』・『炎属性適性』
・『雷属性適性』




