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第70話 過去④



 装甲型大鮫(メガロドン)を殺してから3年後。

 20歳。

 前の勇者の死からもちょうど20年後の夏。

 やはり俺のスキル会得速度が落ちていっている。

 まだ常人からすれば異常だと言われるが前からは明らかに落ちている。

 装甲型大鮫(メガロドン)討伐から3年間で会得したスキルの数は属性適性も合わせ5つ。


 『呼吸不要』

 生きていく上で呼吸を必要としなくなる。

 魔法元素など魔法エネルギーを生命エネルギーとして代償する。

 

 『重力(グラビティ)操作(コントロール)

 重力の大きさを変えることが出来る。

 ただしそれは物質の物理法則とは異なる法則が適応される。


 『斬撃維持』

 自身の斬撃のエネルギーを空間に残し後から放出可能。


 『淙属性適性』

 淙属性への適性を得る。


 『渦刃波(カッターウェーブ)

 水面に発生させた水の刃で対象に斬撃を与える。


 『空間転移』

 認識した座標に転移することが出来る。


 この6つだ。

 毎日毎日つまらない訓練を繰り返す事およそ11年。

 精神はもう限界で頭にあるのは魔族を殺す事だけ。

 もうなぜ殺そうとしていたのかすら思い出せない。

 だが自分の本能のままに訓練を続けもうこんな歳になってしまった。

 まだおっさんと言う歳でもないがもう少しで前世の歳を超える。

 まぁ、具体的な年齢なんてもう忘れたが……。


 祖父はもう歳で動けなくなってしまった。

 こないだ病院の方に見舞いに言ったが殆ど喋れない状況だった。

 体の免疫も弱っているらしく病気にかかりやすい為勇者であれ入室時間はそう長く居させられないとの事だった。

 実際『蘇生』を使えばどんな病気も治せるのだが、実際治せるのは病気だけで寿命での肉体的死は治せない。

 だがらこのままじいちゃんが老けていって死んでも俺の『蘇生』は機能しない。


 そして俺には装甲型大鮫(メガロドン)討伐の実績から様々な依頼が届いた。

 だが今現在魔族との接点がないこの平和な世界でろくな戦闘依頼など存在しなく、家事の手伝いや草刈りなどそこらの人でも容易にこなせる物ばかりだった。

 王はそういった小さな事で信頼は得られる、と言っていたが実際にやってみて何の役にも立たないことが分かった。

 だから俺は王にそう言った依頼を拒否するよう伝えた。

 もちろん 少し考えろ、と言われたが意見を曲げなかった為王はそれを受諾して下さった。

 

 だがそれからすぐメイシィさんから新しい知らせが届いた。

 まだ2月の寒い時期にやって来たメイシィさんは様々なことを話してくれた。

 そして最重要事項として言われたのは、

 【第2次種族間戦争について】だった。


 そしてその為に今からしておく事として魔族の国を襲撃するという事だった。

 別に前世が武士という訳じゃないのだが何故か罪悪感ができた。

 まだ何もやっていないけど……。

 しかし俺に魔族を殺す為の手段を選んでいる余裕なんてなくて、すぐに案を受けることにした。

 その案が【水中都市(アトランティス)破壊計画】。

 二つ返事で返したその依頼で俺は本当の化け物と出会うこととなる。





───半年後


 

 明日、水中都市(アトランティス)破壊計画を実行する。

 事前に教えられた情報では水中都市(アトランティス)には内部にいる魔王が3種の結界を展開しており、それらを破壊せねば中に入れない事。

 そして海の底1000メートルの場所に位置する事など。

 特に魔王がいると言う事に俺は喜びを隠せなかった。

 ドMな訳じゃない。強い相手と戦いたかったからだ。

 魔王と言えば魔族の中の頂点とも言える存在。

 そんなのと1度戦ってみたかった。

 いいや1度じゃ足りない。魔族が滅ぶその日まで俺は楽しみたかった。




 俺は作戦の実効メンバー総勢95人の兵士たちと最終確認を行っていた。

 俺が軍に入った時とは比べ物にならないほど兵士の数が増えていた。

 装甲型大鮫(メガロドン)の時でさえ俺含め21人だけだったのに、ここ数年でものすごく増えたものだ。

 これだけの人数がいるから実行出来る作戦だった。

 まず俺は『呼吸不要』で深海まで進む。

 他の兵士は各自国に支給された呼吸用酸素ボンベを使い海の底まで泳いでいく。

 魔法で強化を行った酸素ボンベや、ラッシュガードのような服は防御力も非常に高く、深海の水圧なんて気にならないレベルだそう。

 俺の光属性魔法を上手く使って潜りつつ『貫通』で結界を破壊していく。

 そして水中都市(アトランティス)を海に沈め中の生き残りそうな奴を殺したら転移魔法で帰る。

 という手筈だ。

 実際行ってみれば弱い奴しかいない、そういう考えだった。

 この時までは。


 

 ついに待ち焦がれた実行日。

 装備も魔力も全て何もかもが完璧。

 一応部下たちの装備も確認させ異常が見つからなかったのでそのまま任務を遂行する。

 出発を国知らせてから俺たちは水中都市(アトランティス)へ向かった。

 海までは見慣れた街並みが並んでいる。

 しかし、海に着くとそこは久しくやって来ていない場所で少し懐かしい気持ちになった。

 装甲型大鮫(メガロドン)退治の時以来だからだろう。

 だがあの時は砂浜までだった、しかし今は海の中に用があるのだ。

 俺は大きく手を上げると後ろに向かって


 「第2陣形!」


 と叫んだ。

 第2陣形というのは海の中に入る時の陣形のこと。

 役30人の塊3つに別れ逆三角形の形になり進んでいく陣形だ。

 俺の転移魔法の関係でもそうだが、攻撃に特化した頂点塊、後衛に特化した魔法使いや回復術士という並びだ。

 一応後ろからの攻撃の為後衛の部隊にも剣の得意なやつを入れている。

 この体型になったら俺はまた件を抜き大きく手を振りあげながら


 「いくぞー! 進軍開始だー!」

 「「「おー!!!」」」


 俺の言葉に答えるように皆が叫んだ。

 これで指揮は十分だ。

 俺はその手を下ろすと同時に剣で海を切り裂く。

 魔力を収束しすぎないように『切断者』を発動するともの凄いスピードで衝撃波が飛んでいく。

 それを利用して海を真っ二つに切り裂いた。

 切り裂かれた海は大きな波となりだんだんと俺たちを飲み込んでいった。


 どんどんと逆三角形の陣形を保ちつつ深海へ進んでいく。

 やがて周りは何も見えなくなった。

 俺の光属性魔法で照らしても特に何も見えない。

 地面すら見えない程に急激に深くなっているのだ。

 

 俺は手で後ろの部隊に合図をする。

 罠に気をつけろ の合図だ。

 ここまで何も無いと逆に罠の可能性を疑ってしまう。

 

 しかし、罠なんて発動せず、順調に進んでいけた。

 少し経つと壁のような物に突き当たった。

 壁?

 いいや、水は流れている。

 ここには生物のみが通れない結界がある。

 本で読んだことがある。仕組みが公にされていない結界を貼る魔法があると。

 だが俺の『壊変』ならどんなに強固な結界でも破壊できる。

 俺は部隊全体に静止命令を出し剣を抜いた。


 魔力を込め『壊変』を発動する。

 頭の上から振った剣は結界に当たるとガラスの割れるような音を出したがら割れていった。

 水の中での音は少し籠っているようだった。


 それからもどんどんと内側に入って行きもうひとつ結界を壊した。

 2つ目の結界は水中都市(アトランティス)の光を外に逃がさないようにする隠蔽の結界だった。

 当然それを壊した瞬間凄まじい明かりが目を襲った。

 目の前にはまるで前世の東京のようなビル群やヨーロッパの街並みなど様々な建造物の連なる個性的な光景がひろがっていた。

 中では魔人共が避難を開始している。

 無駄だというのに。

 これから俺は進軍を開始する。

 魔族を滅ぼす第1歩を今踏み込むのだ。


 目の前には大量の魔力量の女性と1人の男。

 あの二人のどちらかが魔王だろう。

 

 (ふふっ……)


 俺は少し口角を上げ剣を上にあげた。

 

 


アルマスキル



 〇常用スキル

 ・『物理攻撃無効』・『思考加速』

 ・『魔法強化』・『呼吸不要』


 〇固有スキル

 ⚪『勇者』

 ・『貫通』・『剣者』

 ・『逆境』・『壊変』

 ・『再生』・『蘇生』

 ・『重力操作』・『斬撃維持』

 ・『渦刃波』・『空間転移』

 

 〇スキル

 ・『収束放火』・『星炎』

 ・『厭陽発光』・『黒風』

 ・『飛翔』・『未来予知』

 ・『切断者』・『属性付与』

 ・『剣豪』・『剛力』


 〇属性適性

 ・『炎属性適性』・『風属性適性』

 ・『淙属性適性』・『光属性適性』

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