表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/154

第67話 過去①



 俺は転生者だ。

 前世では建設業者で働いていた。

 あの日は雨だった。

 仕事が休みだった為家の中でゆったりとしていた。

 だがお腹が減って家に何も無いことに気づきコンビニに行く事にした。

 1枚だけ服を羽織り、外に出た。

 ドアを開けると外は雨が降り、都市を濡らしていた。


 ポチャポチャと雨音が聞こえる。

 傘を取りだし傘を開く。


 バサッ


 静寂に雨音が鳴り響く雨世界に傘の音。

 梅雨でもないのに大粒の雨が傘に落ちボツボツと音楽を奏でる。

 まるであの時の様に……。


 吹奏楽部にいた学生時代。

 俺はまるで運動なんて出来なくて、不器用だった。

 勉強も別に出来た方なわけじゃない。

 だが充実した学生生活だったも思う。


 俺は少し前の事を考えながらコンビニへ足を進めた。

 やがてコンビニが見えてきた。

 いつもの光景。

 何ら変わりも無いはずだったのに何故か今日は美しく見えた。

 なぜかは全く分からない。

 

 雨なんて嫌いだし。

 なのにこの雨景色が妙に綺麗で。

 この雨の日の匂いも。

 なんだが全てがジグソーパズルのように綺麗にひとつ残らずハマったような充実感。


 俺は横断歩道ではなく歩道橋を歩いていた。

 べつにそれに意味があった訳じゃない。

 ただこの為に美しく世界を見たくて。

 あぁ……それが意味か。



 だがこの美しい世界もすぐに見えなくなる。


 

 ……っ?!


 急激に体がふらつく。

 頭が痛い……。


 へ?


 その時、一瞬だった。

 俺の足が歩道橋の階段部分から雨水で滑り頭から落下した。

 もちろん運動の出来ない俺がリカバリー出来るはずもなくそのまま落ちてしまった。

 痛いのなんて一瞬だと思っていた。

 

 俺の目の前に痛みと共に謎の文字列が現れた。

 明らかに地球上の文字ではない。

 可能性はあるが、象形文字のような文字が無造作に並べられているようだった。


 なんだよこれ……てか痛すぎる……


 俺が何かを思考する度その文字が増えていく。

 何が起こっているか分からない。

 周りの人達が慌てふためいている。

 声なんてろくに出ない。

 音は聞こえるが、目は見えない。

 触覚は痛みを脳に伝え続けている。


 くそっ……痛い……。


 やがて俺は死に絶えた。

 救急車の音を聞く暇すら与えられなかった。

 ただ、もう一度俺に意味不明な出来事が襲う。


 オギャァァァ!


 その声を聞いたとこから記憶が無い。

 目が覚めると透明のケースのような中にいて周りは知らない天井。

 俺はどうやら助かったようだ。

 だが上手く体を動かせない。

 頭を強く打ったことで障害が出たのだろうか。

 可能性は十分にある。

 

 だが妙だ、点滴も何も無いようだが……。

 すると1人の看護師のような格好の女性が近ずいてきて俺を持ち上げた。


 「そほそ、こしなあ!」


 ん?

 何を言っている。


 女性は意味不明な言葉をならべている。

 俺は持ち上げられた衝撃とその意味不明な言語にパニックを起こした。

 

 (誰だお前!) 

 「あえあ!おああ!」


 俺が出そうとした声は上手く出ず、まるで赤子のような声しか出なかった。

 いいや、完全に赤子だった。

近くにあるガラスで確認したら俺の姿はまるで違い、白銀の髪の赤ちゃんだった。


 (はぁ?!)


 どうやら俺は転生してしまったようだ。

 この事実にたどり着くまで2日を有した。

 非現実的な現状はどんどんとリアルになっていく。

 それに並行して俺の精神もまたすり減って行った。

 

 だがここで諦めてはいけない。

 そしてこちらの世界に適合する為に俺は頑張らなくてはいけない。

 何故か俺は心の根源からやる気がみなぎっていった。






───3年後


 転生して3年も経つと言葉も理解できるようになっていった。

 両親は会話、文字よ読み書きが出来るようになった俺を天才だと言っているが、俺も実際そう思う。

 脳は大人のままだから習得は難しくて、いつまでも会話なんて出来ないものだと思っていた。

 だが物覚えの良い子供の体はすぐに覚えた。


 そしてこの世界にはスキル、魔法と言うのが存在する。

 まるでマンガやアニメの世界のようだが、この世界には魔法元素と言うものがあり、それを魔法エネルギーに変換した魔力を消費して魔法を放てるらしい。

 魔法を一定レベル習得するとスキルとして会得できる。

 すると魔法発動までの過程を全スキップできるらしい。

 そしてスキルには何種類か存在して、常用スキル、固有スキル、スキル、神話級スキルの4つがある。

 

 常用スキルは体制系統が多く、固有スキルはその個体または種族に現れる特定のスキルらしく、他のスキルと違って少し強力だ。

 スキルは技の簡略化、属性適性によって会得した属性魔法。

 そしてスキルの最上級である神話級スキルは保有者はほとんど居なく例に挙げられたのも魔族の魔王と呼ばれる奴らだけらしい。


 これを聞いた時に魔族と言う言葉が出ていて驚いた。

 俺のお母さんは色々なことを教えてくれた。

 この世界の常識も、魔法やスキルについても、そして魔族と人間の関係についても。


 お母さんはよく俺が眠らなかった夜に


 「こわーい魔獣がくるぞー?」


 と言って脅してきた。

 心が大人の俺に当然そんな脅し効くはずもなく俺は狸寝入りをかまし何度かやり過ごしたものだ。


 お母さんによればこの世界では魔族と我ら人間は昔戦争により人間が敗北して星を2つに分裂させてしまったらしい。

 今でも魔族との接触はなく絶縁が続いているらしい。

 それがいい事なのか、悪い事なのか、人類にとってそれはいい事なのだろう。

 

 だが少し魔族にも会ってみたいな……。

 だって俺……勇者っぽいし。


 スキルを確認することの出来るスキル一覧。

 スキル一覧には固有スキル『勇者』と記載されている。

 いつゲットしたかは分からない。

 初めてスキル一覧を知った時にはもう存在していた。

 とりあえずこれが俺のスキル一覧だ。




 アルマスキル


 〇常用スキル

 ・『物理攻撃耐性』・『思考加速』

 ・『魔法強化』

 

 〇固有スキル

 ・『勇者』



 これが俺のスキル一覧だ。

 神話級スキルどころか普通のスキルも無い。

 常用スキルは物理攻撃への耐性が着く『物理攻撃耐性』。

 消費魔力量に比例し体感時間を引き伸ばす『思考加速』。

 自らの魔力を消費せずに周囲の魔法元素を魔力に変換し、発動した魔法の威力を自動強化する『魔法強化』。


 と常用スキルはかなり潤っている様子だった。


 そして問題の固有スキル『勇者』。

 固有スキルはと言うのだから俺だけが所有するスキルなのだろう。

 『勇者』の中にはいくつかの能力が内包されている。

 『勇者』の説明には様々な事が記載されている。





 固有スキル『勇者』

 

 勇者としてたった1人の人間に受け継がれるスキル。

 その引き継ぎ対象は完全にランダム。

 能力を複数内包し、初期個数が限界ではなく、成長と共に内包能力数も増えていく。


 と記載がある。

 まるで漫画の主人公だな。

 現在の『勇者』の能力は次のとおりだ。



 『勇者』


 ・『貫通』

 対象の魔法を無効化し攻撃を通すことが出来る。

 

 ・『剣者』

 あらゆる剣への適合を得る。

 調整を行わなくても魔法を付与可能。


 ・『逆境』

 自分の魔力が少なくなる程1魔力の威力が増えていく。



 とこの3つだ。

 非常に強力なスキルに見えたが実際は3歳の男の子が持っているスキルにすぎない。

 俺なんか何ににもならない。

 それに魔法も剣術も使えない俺には豚に真珠だった。


 そのため俺はこのスキルに着いてあと何年も黙っておくこととなる。

 あの日の事件までは。

 

 

勇者アルマの過去回です





アルマスキル



 〇常用スキル

 ・『物理攻撃体制』・『思考加速』

 ・『魔法強化』



 〇固有スキル

 ⚪『勇者』

 ・『貫通』・『剣者』

 ・『逆境』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 〇常用スキル  ・『物理攻撃体制』・『思考加速』  ・『魔法強化』  〇固有スキル  ・『勇者』  これが俺のスキル一覧だ。  神話級スキルどころか普通のスキル…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ