第62話 恩人
ノヴォルさんは、俺を連れて食事の取れる部屋に案内してくれた。
ノヴォルさんが案内したと言うよりファムさんと言った方が正しいだろうが。
そこには大きな木のテーブルが置いてあった。
木のテーブルは年輪が際立つデザインで大木をまるまる切断したような形だった。
その横に並ぶ木の椅子に腰をかける。
クッションがあるからふかふかの気持ちのいい椅子だったが、このクッションが無かったら絶望的にケツが痛くなるだろう。
「本当にありがとう。お礼にご飯をいくらでも食べて行ってくれ」
「あさす!」
「おいレイン、お前は特に何もしてないだろ」
《魔力を送っただけでこの優遇か……》
(おい大賢者お前も何もやってないだろ)
ノヴォルさんはレインとの会話に落ち着いた声の笑いを見せる。
その時食堂の扉かノックされる。
「おっ、入っておいで」
ノヴォルさんが入室を促す。
「失礼します」
「はっ……」
息が詰まった……とでも言うのだろうか。
表現があっているかは分からないが本当に息が詰まったのだ。
どうしてか、目の前に現れた1人の少女に見とれてしまった。
腰まである綺麗な黄色の髪は落ち着きを取り戻し彼女の上でサラサラと踊っている。
少しダルそうなジト目は下を向き少し恥ずかしそうだ。
先程までの白いワンピースではなくお姫様のような派手なものを着ている訳でもない。
それはそれは前世飽きるほど見た(ネットで)高校の制服のような服だった。
ワイシャツのような物を下にまといブレザーを上から羽織っている。
下にはゆらゆらと揺れるスカートから膝が挨拶をしている。
まるでどこか遠くの国からやって来たお嬢様転校生みたいな感じだ。
だが金髪とは違い本当に黄色なのだ。
珍しいもの見たさか、それとも純粋に美しさか、俺の目を奪った理由なんて山ほどあった。
「ここに座りなさい」
ノヴォルさんが自分の横にある椅子を引きそこにレイキスさんが腰を下ろす。
座る時にスカートを後ろから折るモーションすごい好きなんだけど分かる人いる?
「あの……本当にありがとうございました」
「あっ、おっおう」
つい反応が遅れてしまった。
これは俺のせいじゃないレイキスさんのせいだ。
「何かお礼がしたいのですが……」
「私からも」
2人の魔王にお礼をしたいと言われる日が来るとは……
お礼か……正直なところ金の事しか考えて無かったのだが……よし。
「じゃぁ、2ついいですか?」
「なんなりと」
「人間についての情報が欲しいことと……魔法をいくつか教えて下さい」
人間の情報は行動が活発になる現在重宝すべき情報だ。
少しだけでも共有が必要なはずだ。
そして魔法。
地属性適性は持っているので地属性魔法はすぐに出来るだろうが、雷属性適性は持っていない。
ぜひ会得しておきたいのだ。
「人間の事ですか……正直よく覚えていないのですか……」
「断片的なものでも」
「はい……人間の勇者を名乗る アルマ という人物達に襲われました。
えっと、彼らは……すいません……よく思い出せなくて」
「あぁ、大丈夫です」
アルマ……。
貴重な情報だ。
勇者の名はアルマと言うらしい。
人間の勇者……。
アニメとかでは魔王と戦っているシーンがよく描かれるよな。
こっちの世界でもそういう感じなのか。
「すいません……今はこれくらいしか思い出せなくて、」
「あぁありがとうございます。これだけでも十分です」
「そう彼は大きな剣を使っていました。それだけは覚えています。スキルとかは……すいません」
やはり水中都市を襲撃したやつと同じだろう。
一体何を狙ってやがる……。
「えっと魔法はどうしますか??」
「あぁ、『地属性適性』は持っていまして、レイキスさんの雷魔法を教えて頂きたく思います。レインも地属性魔法が得意なのでノヴォルさんに強化してもらえれば」
「おぉ! それは名案だ」
レインは元気にそう言う。
よほど嬉しいのだろう。
「では食事が終わったら外でやりますか」
「「はい!」」
ノヴォルさんの言葉に対し一つ返事で返す。
よし、絶対に会得してやる。
レイキスさん可愛い
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ディルガスキル
○常用スキル
ㅇ『管轄者』の下
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
・『暗視』・『光属性耐性』
・『再生』・『状態異常耐性』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』
・『切断者』・『虐殺者』
・『消化』・『分身』
・『蒼炎』・『回復』
・『結界創作』・『念話』
・『空間転移』
〇属性適性
・『地属性適性』・『炎属性適性』




