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第61話 やってみるか


 「具体的に何をすればいいんだ?」

 

 俺はよくアニメで実験体が入ってるカプセルのような物の前に立ち、その中に薄緑の液体と共に入っている少女を見つめた。


 彼女の名は レイキス・インフィジルド。

 雷属性の魔王だ。

 

 だが彼女のような魔王が魔力枯渇による暴走でそんなになるだろうか。

 何があって魔力を切れるまで……。


 彼女は目を閉じ長いまつ毛を下に垂らしている。

 薄緑の液体の中で揺れるその髪は黄緑色だ。

 緑を引けばとても綺麗な黄色になるだろう。

 長い髪は液体の中で優雅に舞っていた。


 隣にいるノヴォルさんの表情はとても悲しそうだ。

 眉を寄せ表情筋を使いめいいっぱい悲しい表情を作っている。

 

 「レイキスに魔力と共に衝撃を送って欲しいのです」

 「それならノヴォルさんでも出来るのでは?」

 

 いや待て……俺は今すごく失礼な事を言った気がする。

 孫のように扱っているレイキスさんに衝撃を与えるなんて事出来ないに決まっている。

 たとえそれがレイキスさんの為になるとしてもだ。

 

 それにほかの魔王だって忙しいしな。


 「いや、やり…」

 「あぁ、魔王同士で争うのは御法度ですからね。」

 「そっちかよ!」


 ノヴォルさんと付き添いのファムさんがビクッ っとして俺の事を丸い目で見つめた。

 レインは美しくカプセルの中で浮かぶレイキスさんを見つめたままピクリとも動かなかった。


 「まぁレイキスの事傷つけられないしな。」

 「それだけで普通呼ぶかよ。過保護かよ」

 「いやいや勿論それだけじゃないぞ。どうやら人間が関わっているようなのです」

 

 ノヴォルさんの声色が急に変わる。

 人間が?

 最近人間の活動が活発になっているそうだが。

 関係……は絶対あるな。

 

 「この地王砂漠(ノヴォルデザート)に人間の気配を感じたと言って出ていって3日。帰ってこない事に違和感を覚えたので見に行ってみたら死にかけていて……。

 何とか生きていたようなのですがそれから意識が戻らず……リゼは人間と戦って勝った奴がリーガル村いると言っていたのでリーガル村に潜入型機械(マニュプレイト)を送り込んだのです」


 マニュプレイト?

 あのハンドスピナーみたいなやつの事か?

 

 「あれ完全に殺しに来てたし! てかなんなら地面ボッコボコにしてたが?!」

 「あー……」


 ノヴォルさんは目を逸らした。

 ザケンなじじぃ。


 「それで……できるか?」


 話も逸らしたな。


 「はぁ、やりますよ」


 おお! 

 と言わんばかりの顔をする。

 おいじじぃ孫の為に他人をこき使うな。


 はぁ……。

 若干乗り気では無かったが……。


 魔力と衝撃。

 魔力は魔法を使う時腕先に集めるのをそのままレイキスさんに送る。

 衝撃?

 衝撃なんてどうやって……。

 

 俺はしばらく思考を繰り返した。


 よし、『蒼炎(フォートフレイム)』で生み出したエネルギーを『切断者』の要領で魔力を飛ばす。

 ただし収束させないで貫通力を付与しないようにする。


 それらを同時に行う。

 魔力をガラス越しに機会を通して魔力を流す。

 鉄のホースのような物を手で掴み2種類の魔力を流した。


 一瞬で圧縮した魔力を体内に入れ、衝撃も与えられた為に体は物凄い電気ショックをくらったかのように揺れた。


 成功しただろうか……。

 普通なら体が崩れているはずだがレイキスさんは大丈夫だ。

 さすが魔王の肉体強度と言うべきだろう。

 中学生1年ぐらいの少女の体をしているが実力は魔王級。

 もちろん神話級スキルも保有しているだろう。

 

 ノヴォルさんも不安そうだ。

 レインはそうでも無さそうだが……。


 すると少女が動き出す。

 水に流れが生まれた訳では無い。

 本当にレイキスさんが動き始めたのだ。

 

 「ノヴォルさん水大丈夫なんですか?」


 感動のあまり止まっていたノヴォルさんに声をかける。

 ノヴォルさんはすぐに横にあった操作盤で中の水を抜いた。

 少しづつ抜かれる水の中でレイキスさんはゆっくりと目を開ける。

 綺麗な黄色の髪はゆらゆらと揺れた。

 非常に綺麗な顔立ちをしている。

 大きな目。

 だがジト目と言った方がいいだろう。

 少しだるそうな目をしている。

 眉は剃られていて正直感情を感じない。

 白いワンピースを身にまといながらも細く綺麗な足を見せていた。

 靡くワンピースはまるで草原で咲く百合の花のようだった。


 プシュゥゥ


 音を立てながらカプセルが開く。

 中からは濡れた足でピチャピチャと足音を立てながらレイキスさんが出てくる。

 髪や服は濡れている。


 「レイキス!」

 「おじぃちゃん!」


 いやもろおじぃちゃんって読んでるやん!

 2人の目からは涙が零れている。

 それはカプセルの中にあった薄緑の液体ではなく、純粋な気持ちか水となって出てきた綺麗な透明だった。

 地下の薄暗い部屋の中で少ない光をすくいキラキラと光っている。

 

 「この人は?」


 一瞬で声は冷め、冷たい声が鼓膜に響いた。


 「この方がお前を蘇生してくれたんじゃ」

 

 その言葉を聞くや否や目を大きくして俺にお礼を言ってきた。

 腕を握り上下に激しく振っている。

 子供らしい振る舞いだ。

 普通に公園で遊んでいても違和感ないな。

 てかこれが魔王?!

 まじぃ?!


 「あっすいません」


 手が濡れている事に気付いたようだ。

 手には少し液体が着いたが少量すぎて緑には見えなく、普通に透明の液体が着いたようだった。

 手からはほのかに消毒液のような匂いがした。


 「とりあえず着替えておいで」

 「うん」

 

 1度落ち着いてそう言うと少し頭を下げてどこかに行ってしまった。

 それと同時にノヴォルさんが足から崩れた。

 ファムさんはすかさずフォローに入り倒れる前にファムさんを抱えた。

 ノヴォルさんの目からは先程より多くの涙が流れていた。

 それはそれはまるで滝のように。

 顔を崩しながら。


次回はレイキスとの回ですね。

一体人間は何を企んでいるのでしょう。

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ディルガスキル



○常用スキル

ㅇ『管轄者』の下

・『物理耐性』・『環境効果無効』

・『身体能力強化』・『炎属性耐性』

・『思考加速』・『意識拡張』

・『生存能力強化』・『座標認識』

・『暗視』・『光属性耐性』

・『再生』・『状態異常耐性』


○スキル

・『魂保存』・『時間の管理者』

・『切断者』・『虐殺者』

・『消化』・『分身』

・『蒼炎』・『回復』

・『結界創作』・『念話』

・『空間転移』


〇属性適性

・『地属性適性』・『炎属性適性』

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