第46話 結界と崩壊
リゼさんによる結界魔法講座が始まった。
途中で老人はチーズケーキを運んできてくれた。
コーヒーを啜りつつ、チーズケーキをつまみつつ話を聞いた。
渋めのコーヒーと甘いチーズケーキは相性が抜群でこっちの世界で食べた美味しいものランキング上位に来るだろう。
ちなみにだが
ディルガが選ぶ異世界料理ランキング!!!
第1位 水中都市の中央ビルの料理
第2位 リーガル村の出店の肉料理
第3位 リゼさん御用達の喫茶店の「いつもの」(?)
まぁこんなところだろう。
レインとはだいぶ変わるかもしれないがな。
あいつ今も尚どうせ美味いもんたらふく食ってんだろうな。
「ここを3種の結界に覆われてるって言っわよね?あれ全部私が展開してからずっと支えてるのよ」
「え?、3つとも?!」
「えぇそうよ」
結界魔法って制御がむちゃくちゃ難しくて展開することすらも出来ないって……。
それに条件結界は行使する上で大量の魔力を消費するって言ってたよな。
・・・
え?まって?!
「え?じゃぁリゼさんは王室で俺を試した時3種の結界プラス行動不能結界と水魔法を同時使用してたって事?」
「そうね……常に結界を同時使用してるから魔力制御力はそこそこ高いのだけど、そのせいで魔法の威力が落ちちゃうのよ」
いやいや全然弱くなかったが?!
あの水食らってたら真面目に俺死ねたぞ?
複数の結界の同時使用に魔法の行使。
とんだ化け物だな。
「どうやって行使してるんだ?」
「んー私の固有スキル『魔法制御』は発動した魔法の制御を半自動的に行ってくれるの」
へー
便利なスキルもあるもんだ。
俺の『管轄者』のような物だろうか。
『管轄者』は全てのスキル、魔法の演算、制御を自動で行ってくれる。
こっちの方が応用はききそうだ。
「神話級スキル?ってのをこの前聞いてよく分からなかったんだが分かる?……」
俺はこの前出てきた時単語 神話級スキル についてリゼさんに聞くことにした。
上級スキルという曖昧な知識しか持っていないので魔王ならば知っているだろうと。
「神話級スキル? えっとね……最上級のスキルで、持っているのは魔王ぐらいだね。まぁ言っちゃえば神話級スキル持ってれば魔王になれるんじゃない」
いやそんなに簡単に言われましても……。
リゼさんやフラムと俺を比べるとやはり劣等感に際飲まれる。
「ちなみに私は神話級スキル1をつ所有していて『水霊神』っていうスキルだね」
「どんなスキルなんだ?」
「普通のスキルと違って神話級スキルにはいくつかの能力が内包されているの。
例えば私の『水霊神』には 、
・淙属性魔法への絶対適性
・淙属性魔法無効
・淙属性魔法の強化
・淙属性魔法の故意的制作 などがありますね」
「ん?3つ目までは分かるんだが最後の ・淙属性魔法の故意的制作 ってのがよく分からないんだが」
「あーそれはねぇ、自分の技をスキルとして作ることが出来るの。」
ほぉ。
非常にチートスキルだ。
流石は神話級スキル。
淙属性スキルの制作か可能になると言うのはものすごい便利なスキルだ。
「すまん、話が脱線した」
結界魔法について教えて貰っていたのに脱線してしまったので俺は話のベクトルを強制する。
「まずは魔力を集めてそれを薄く伸ばすの。それを半球または球体状に変形させる。イメージは袋を何に被せるイメージ。」
俺は手の先に集結させた魔力を手を頂点に丸く変形させていく。
イメージしたのは半球。
下にあるチーズケーキを囲むように魔力で囲んでいく。
漏れ出て逃げていく魔力が多く無駄に魔力を消費している。
それをなるべく減らし結界に入れていく。
「すっすごい……初めてでここまで繊細な作業ができるなんて……」
10秒ほど集中し半球を作った。
半球はチーズケーキを中央に囲む形で作られた。
直径はおよそ30センチ程の小さな半球だ。
「……あっうん、そしたらそれに条件を付与していくわ。まずは簡単なものね……光を遮断するイメージをしてみて」
俺はその言葉を聞き光を遮断するイメージをはじめる。
具体的なイメージは全方向からやってくる光を矢印のようにイメージしそれをこの結界を使い吸収する。
遮断とは言ったが、結界で光を吸収する。
だが結界は上手く出来ない。
もっと集中しろ。
俺は手先に意識を集中させた。
周りの光景なんて見えないくらいに集中した。
すると少しづつ結界が黒く染まっていく。
外側から少しづつ染まっていく。
やがて結界内の光は遮断され真っ暗になった。
外側から見てもただの黒い半球がテーブルの上に置いてあるようにしか見えない。
どころか光を反射しないので表面の凹凸などが分からず立体的に見えない。
それぐらい暗かった。
「出来た……あっ!」
そう声を出してしまったらすぐに結界は消えてしまった。
パリンっとガラスが割れたような音を発しながら。
吸収された光エネルギーはその瞬間一気に放出されて少し眩しかった。
これと同じものが水中都市の周りを囲んでいて光を吸収しているのだ。
その光は内側に放出されているのだろう。
それで足りない光エネルギーは他のエネルギーを変換しているのだろう。
というか俺はこの小ささでも20秒維持するのが限界だ。
これをものすごい規模で複数もの結界を数年維持しているとは……改めて化け物だ。
いくら『魔法制御』というスキルがあってもそれはやばい。
魔力消費はどう管理しているのだろうか。
結界が効果を発動していない時は魔力を消費しないようにしているのだろうか。
いわゆる節電みたいな。
「上手くできたじゃない!!! すごいわよ!!!」
リゼさんのテンションがすごい上がっている。
身を乗り出し俺の目を見ている。
「何年もかかるはずの結界魔法を初めてで行使出来るなんて、やっぱりディルガ様は天才よ!!!」
褒めてもらっているが全然できていない。
基本として出来てはいるが、場を囲んで戦闘もしなければならない。
この小ささなのにそれに集中しちゃってほかの事に一切手をつけられていない。
喋ることすら出来なかった。
「……まぁ、こんな大きさじゃ何にも出来ないから反復練習しないと」
「そうね」
どんどんと反復練習を繰り返して会得するしかない。
とりあえずはここまでだ。
少し疲れた。
俺は息を吐きながら椅子に深く座った。
コーヒーを啜りチーズケーキを食べる。
私服の一時。
落ち着くな。
「そうそう、細かい条件は魔力消費量が多いから気をつけろって言ったけど、細すぎると一瞬で全魔力を持ってかれて死んじゃうから気をつけてね」
「こわ!」
恐ろしい警告を耳に入れビビりながら俺はコーヒーを口に運んだ。
コーヒーは既に無くなっていた。
コーヒーカップの中には茶色い線画2本着いている。
店内には相変わらず静寂が走っている。
だがこれくらいの雰囲気が俺は好きだ。
人と喋るのに慣れていないのもあるが……。
「ん?まって!」
その静寂を切り裂くようにリゼさんが叫んだ。
その目は驚き瞬きを忘れている。
手には力が入っている。
「どうかしたか?」
俺はパニックを起こさないように冷静に返す。
「第1結界が……破壊された」
「な?!」
パニックにならないと決めていたのに……。
俺は少し取り乱した。
リゼさんの結界が破られるなんて……。
一体誰が?
この前聞いたやつだな。
「ディルガ様! 行きましょう!」
「おっ、おう!」
俺は秒速で支払いを完了し外へ走り出した。
まだ間には2つの結界がある。
だが結界を破壊した奴らが結界を破壊してすぐに去る可能性がある。
それ故時間が無い。
早急な対処が必要だ。
俺は外に出て上を見た。
外はいつも通り黒い空が広がっていた。
閲覧数が増えてきましたので第1話から少し書き加えてあります。
ぜひもう1度読んでみてください。
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ディルガスキル
○常用スキル
ㅇ『管轄者』の下
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
・『暗視』・『光属性耐性』
・『再生』・『状態異常耐性』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』




