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第39話 亀さん

「ってあれ!亀じゃねぇか! 」


亀……砂浜……亀をいじめる若者たち…………いやこれ完全に浦島太郎やないかい!


若者が5人ほどで亀を囲んでいじめている。

浦島太郎では棒で突っついたりするだけだったがどうだろうか。

魔法と言うものが当然に存在するこの世界で。


えぇえぇ、もちろん言わなくても分かるでしょう。

彼らは魔法を使用し亀をいじめているのです。


その系統は炎属性。俺の得意な属性だが、亀はどうだろうか。あまり魔法は使わなそうだが、使うとしたら(みず)魔法だろうか。

炎とは相性が良さそうだが……。



すると亀は動き出しす。亀とは思えないほど滑らかな動きで彼らを睨んだ。


ひっ!、っと驚いた様子の少年達だったがすぐに立ち直り炎属性魔法を再使用した。彼らは亀に取り乱し魔力の制御が上手くいってないようで先程の小さな魔法だったが、その方向が定まってない気がした。

このままではランダムな方向に魔法が飛んで予期せぬ被害が出る。


さすがにまずいと思ったので俺は少年達の魔法を止めに行った。

完全に浦島太郎の流れじゃねぇか。

いや浦島太郎の少年達はここら辺を灰にしようとはしなかったけどね!


おいおい。ちょっと待てよと。

割り込もうとしたその時、


「おめぇらはオラを怒らせた。勿論覚悟はできてるんだよな?」



え?


亀は図太い声を上げ少年達に注意喚起をした。

いや亀めっちゃ強気やん。こわっ。


とか思ってしまったが実際に化け物じみた実力だということを見せられる事になる。


「結界魔法……創作」


周囲に半径50メートルほどの半球形のドームができた。

ドームはあの亀を中心として一瞬にして広がり俺たちを囲んだ。


その結界とやらは薄い青色でなかなか綺麗だった。

まるで青いガラスの中にいるようだった。


綺麗だと考えていれたのもつかの間、


〈炎属性魔法が結界により縛られました〉


と管轄者が教えてくれた。

炎属性魔法の縛り。

俺の得意な魔法を封じられた。

まぁ俺もレインも地魔法は使えるのだが、炎属性魔法は高火力な魔法なので失ったのは相当大きいだろう。


「はっ?なんで魔法が使えねえんだよ!おい亀!何しやがった!」


その言葉を無視し亀は続ける。


「うるさい……お前らはここで死ぬんだよ……死ねぇ!」


亀は飛び上がり少年達を襲う。

俺の思っていた亀ってすごく遅く動く生き物なのだが、そんなのは微塵も思わせないスピードたった。

俺は『思考加速』があり反応できているが、少年達は全く反応できていない。


こりゃまずいな……


このままでは少年達の顔が弾け飛んでしまう。

それだけは阻止しなければならない。


いや別に俺は構わないんだが、


ってかもう後数センチで当たるは。

うんもう無理だね。


ごめん少年達。おつかれ!


俺は完全に諦めていた。レインや少年達もここで反応したようだ。

場にいる俺以外は反応できてないし、できたところで……


しかし、その瞬間殴られそうになっている少年は頭を横へずらし攻撃を避けた。


凄まじく早い避けだ。俺でなきゃ見逃しちゃうね。


っと……ここで地魔法ー。


俺は地魔法を使用し彼らの間に簡易的な壁を築いた。

高さは2mほど、亀ならともかく少年達なら登れそうな高さだ。


「おーい何してる?そこまでだ!」


とりあえず適当に仲裁に入る。

全員の目線は俺に集まっている。


いやもしかしたら男でも惚れてしまう様な美貌の魔人(元熊)に目を奪われているのだろうか。


当の本人はキョトンとした目でこちらを見ている。

どうやら完全に任されているようだ。


頼むから引いてくれよ……。


俺は喧嘩なんかせずに解決したい。

だって今は休暇中なんだよ?

戦闘は避けたいじゃん!


って事で俺はビビらせるべく収束させていた魔力を少しだけ解放し放ってみる。

すると先程までとは打って変わり少年達は腰を引いていた。

だが数秒すると臆せず腕をこちらへ向けて魔力を集め始めた。


はぁ。何をしようとしてるんだか……。


それから数秒後少年の手からは火の玉が出た。


ポッ……っととっても小さな火の玉が。


亀はそれを見てものすごい形相を浮かべている。

一体どうしたというのだ。ただの小さな火の玉だぞ?


その火の玉はゆらゆらと空中を揺れながらゆっくりとこちらへ飛んできた。


正直に言おう。遅すぎた。


フラムの使った炎属性魔法は『思考加速』を強化していても反応するので精一杯。それにギリ反応出来たら次にフラムの物理攻撃、と完全に戦闘はフラムの手の上だった。


だがこれは正直遅すぎて炎の模様までしっかりとスケッチ出来そうだ。

フラムのに比べられる方がいけない気もするが任務の時にこんな魔法じゃ即死間違えなしだ。


1回常時使用してる分の『思考加速』切ってみるか?


(管轄者、『思考加速』きってくれ)

〈了解!〉


管轄者ははっきりと返事をする。

よし……あとは切れるまで待つだけ。

まぁ避けられるだろうし万が一当たったとしても俺には『炎属性耐性』がある。


少し暖かいぐらいで済むだろ。


ボブっ!


んー。想像以上に……


早い!!!


なんてこった。あれほど自信をぶっかましていたのにも関わらず『思考加速』を切った瞬間当たってしまった。


玉の速度は野球部の中学生のドッジボールの玉より少し速いぐらい。

そんなの普段なら避けられるのだが近いし急だしで避けられなかった。

というか普通に避けれなさそうだが……。

中学生は舐めてはいけない。

恐らく前の世界で世にいる半数以上の中学生は俺よりしっかりとしているし、スペックもたかい。

そんな自信があった。

ん?これ言葉あってる?


 しかし当たってはいたが『炎属性耐性』のおかげで全く熱くないし痛くない。

俺はホラー映画を家で観ててジュースを取ろうとした時にテレビから大きい音が鳴った時くらいビクッ、としてしまったが何事も無かったかのように仁王立ちを続けた。


いや結構ビビってるって?……うるさい!


そんなこんなで少年達の顔は唖然としていた。

そして亀も同じような顔をしていた。

いやお前はいつまでその顔なんだよ。


「は?お前まじかよ、」

と少年。


まぁそうだわな。彼か構えた時周りの少年は笑って「やっちまえ!」みたいな顔してたからな。恐らく今魔法を放った少年が1番強く褒められて育ってきたのだろう。


………………………………フフっ


「何かしたか?」


おいおい俺ってば……まったく………………いい性格してるんだからァ!


自信に満ちたやつの心をへし折ってやる。


だが必要な事だ。圧倒的な実力差を見せつけて奴らを撤退させる。

決して個人的な理由でやっているのではないぞ!

この子、そして親のため、亀のため。

そうだ。そういう事だ。


俺は手の先に魔力を収束させる。


ふぅ……『蒼炎(フォートフレイム)』。


俺は魔力の流れを整え綺麗な形で『蒼炎(フォートフレイム)』を使った。

いつもならもう少し不格好に使用していたのだが今回は少し集中して精度を上げてみた。


どうだろうか。我ながら上手くいったと思う。


炎は整えられライターとか蝋燭に火をつけた時のあの形になった。

てから綺麗な蒼い炎が出ているのはいい歳してても厨二心をくすぐられる。

だってかっこいいじゃん!

これ見えないし、感じないけど1万度あるんだぜ!

1万度なんて本物の炎だったら周りの水全部蒸発しちまうからな。魔法の炎はすぐに魔法元素にかえってしまって熱が伝わらない。


ん?でも炎属性魔法で点火してる人いたな……あれ?どういう事だ?


………………まぁいいか!

どうせ丁度よく管轄者が調整してくれてるのだろう。


「「「はぁ?! 」」」


うんうん。いいぞ、いいぞ。


少年達は順調にビビっている。

てかもう走って逃げちゃったわ。


順調に行き過ぎて少年達は既に走って逃げていた。

走り去る少年達は前屈みになりすぎて転けそうになっている。


あっ転けた。


1人転けたわ。


亀は未だに口を大きく開け目を見開きこちらを見ている。


いやあの……その顔やめてよ。なんか怖いんだけど。


俺は管轄者に『思考加速』を有効化させてから『蒼炎(フォートフレイム)』の炎を消した。

『思考加速』を有効化する前に襲われたら死にそうだからだ。

先程のように物理攻撃なら『物理攻撃無効』で無効化できるが何か魔法を使われたらやばそうだからな。


結果襲われることは無かったのだが、亀は未だに変な顔のままだ。

本当に何やってやがる。


「大丈夫か?」


俺がそう声をかけるが応えない。

まぁ海はもうそこだし、なんなら俺が奴らには負けないと分かっていてレインはビーチにテーブルを置いたりと休暇の準備を進めてくれていた。


そうそう。このテーブルとか椅子とかシートとか、諸々の用具はホルンさんが貸してくれたものだ。

海に行ってくると声をかけるや否や

「これ持ってって……後これも……待て待て後これも!」


みたいな感じで持たされたのだ。荷物は増えてしまったが有意義な休日を過ごせそうだ。


んでこの亀なのだが……


「ぁ、ぁ」


いやカ〇ナシかよ!


ちゃんと喋れや!


「アホあ……はすれへへ……」


ん?何?

俺は前屈みになり耳に手を当てる。

アホが掠れてて?


「顎・が、は・ず・れ・へへ!」


顎が外れてる?


「ははははははははははははっ!!!」


すまん……ははっ……思わず笑ってしまって。


それからしばらく俺は変な顔で膠着する亀の顔をみて笑っていた。

落とし穴にハマったのかと言わんばかりにツボった。

おかしくなりそうだった。

ほんとまじで、腹筋が8つに割れそうだよ。


冗談はさておき、『回復(ヒール)で治してあげよう』


手を変なブフォッ……スマン にかざし……あはは……指の間から見てくんなって!アハハハハ……。

それから俺はニヤニヤしながら回復魔法をかけた。


残念ながら亀の顎は外れる前の状態に戻った。





「ありがとうございます」

「いやいや別にいいんだけどさ……クスッ」


本人も自覚しているようで、目を細くし俺に言う


「あっちなみに顎が外れたのは初めてですよ」


アハハハハハハ!


俺はまたしても笑ってしまった。

申し訳ないがあのアホズラが頭によぎって笑ってしまうのだ。


普通に顎外れるかよ。亀が。

亀って顎外れんのかな?あぁいや真面目に考えるだけ無駄だなこれ。


「本当に助かりました! 」


亀は目を丸くしてそういう。

いや別にいいんだけどさ。

笑っちゃいそうだからこっち見ないで! ブッ!


「本当にお世話になりましたので私の生まれ故郷に案内します」


「え?いや別にいいんだけど、これからあいつと休暇なんだよね」


俺は少し遠くで準備をしているレインを指さしてそう返す。

いや本当にこれからもう休ませてくれ。

色々ありすぎて大変だったんだよ。



「お世話になった方にはお礼をする。そう故郷の決まりなんです!お2人を連れていきます」

「どうしたのですか?」


騒がしくなったのを見据えてレインがこちらへやってくる。ちょうどいいところに来た。事情を説明するとレインはその爽やかな顔の口角を上げこう問返す。


「故郷ってどちらなんですか?」

水中都市(アトランティス)です」



「「行こう!」」


2本投稿いかがでしょう?

2本目は4000字程になりましたね。

そうそう!次回は水中都市アトランティスに向かいますよ!

良かったら☆やブックマークでの評価お願いします!




ディルガスキル



○常用スキル

ㅇ『管轄者』の下

・『物理耐性』・『環境効果無効』

・『身体能力強化』・『炎属性耐性』

・『思考加速』・『意識拡張』

・『生存能力強化』・『座標認識』

・『暗視』・『光属性耐性』

・『再生』・『状態異常耐性』


○スキル

・『魂保存』・『時間の管理者』

・『切断者』・『虐殺者』

・『消化』・『分身』

・『蒼炎』・『回復』


〇属性適性

・『地属性適性』・『炎属性適性』

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