第31話 お休み
医者がへやを出て行ってからおよそ10分。
朝ごはんが用意された。
小さなお肉とスープ荒い米に、柑橘類っぽい果物。
いかにも病院のご飯って感じだ。
これがなければ。
「んなんっだこれ?!」
果物の横に置いてあったよく分からない液体。
もう1つお茶のような物が置かれているのだが、その液体は明らかにヤバい色をしている。
青紫
と言ったところだろうか。
飲めるものの色じゃない気がするが……。
まあいい。とりあえずはご飯としましょう。
俺は近くにあるお茶のような飲み物に手を伸ばす。
ズズズ
「ん?!」
これ……お茶だ!
鮮やかな甘みと少しの苦味がほのかに口に残る。
日本人の心理を掴まれた。
お茶はずるいだろぅ……。
ズズズ
「ん?あっディルガ殿、おはようございます……ディルガ殿?!」
「おうおはよう。どうした?」
「いや医者は3週間以上は寝たきりかもと……」
「もう治ったよ。3日後には退院出来るってさ」
「あの傷を……流石です!」
今日のレインはやけに寝起きがスムーズだ。
いつも起きてた時間より少し早いと思うんだけど。
昨日もきっとゆっくり休めたのだろう。
「それにしても、それは薬茶ですね!」
「んっ、へーこれヤクチャって言うんだ。」
「はい。薬草から旨みと治癒効果を抽質した飲み物ですね」
え゛ぇ?
これ薬草からできてんの?
全然臭くないな。
むしろ美味いぞ。
俺は他の食べ物にも手を出した。
荒い米は少しばかり硬かったが味には問題はなかった。
小さい肉は薄味だったが美味かった。
噛む度に旨みが口に広がって幸福感を満たした。
スープも少し薄味だったが中に入ってるキノコが美味しい。
「おっそれはムノタケですね」
「へームノタケ?これ美味しいよ」
「まぁもと毒キノコですけどね」
ブゥーー!!!!!
「なんてもん食わせとんねん!」
…あっいや俺『状態異常無効』持ってたわ。
それにしてもなんてもん食わせてんだ。
「ムノタケは有毒ですが、 適切な処理を行えば普通に美味しいキノコですよ?」
「あっなるほどそう言う感じね」
こんなに早く納得出来たのも日本人だからかな?
久しぶりにフグ料理食べてぇなぁ……。
近くに海あるって言ってたよな。
なんか危険でまずい魚ばっかとも言ってたが……。
「レイン今度海行こうぜ!」
「いいですが、危ないと思いますけど……」
「大丈夫、大丈夫ちょっとだけだから」
「そっそうですか……」
心配そうなレインを違法ドラッグを売りつけられる時のような口調で納得させた。
いや多分まだ納得していないが。
レインは少し下を見て何かを考えてるようだった。
きっと危険を危惧して……
「なら水着を買いに行きましょう!!!!!」
「めっちゃ乗り気だったー!!!」
「それからそれから…ご飯も作っていきましょう!!!!!」
レインは危険な魔物の事ではなく完全に休暇の過ごし方を考えていたようだ。
胸の前で手を上下に振り口を大きく開けながら、満面の笑みで話している。
子供だなっ。
っよし!今度海へ行こう!
と、約束ができた訳だがまだ一日目の朝だ。
何しよう。
───10分後
「「…………………………………………………………………………」」
───20分後
「「…………………………………………………………………………」」
───30分後
「「暇だあ゛ー!!!!!」」
やっと外に人が増えてきたころ俺たちは暇で死にそうだった。
『暇耐性』とかないかな……。
「レインなんかゲームしない?」
「ゲームですか……魔力制御ゲームします?」
「何それヤバそう」
「2人で同じ魔力弾を作って交互に魔力を足していくんです」
「ほう」
「で、先に爆発した方が負けです」
「危ねぇよ!!!」
なんてゲームだ。やっぱこの世界おかしいわ!
魔力弾なんて圧力しだいではどこまでも強力になる。
そんなんをここで爆発させたらリーガル村は灰になるな。
まぁそんな魔力制御力はないが。
2人で維持した魔力弾ならリーガル村を半分灰に還す位は出来てしまう。
「あぁいや、」
「いやいい。そのゲームは却下だ。そうだまるバツゲームでもしよう」
「なんです?それ」
「んー俺の故郷の伝統的なゲームだ。」
まるバツゲームなんか何年ぶりだろうか。
子供の時以来か。
「3×3の正方形の中に交互にマルかバツを書いていって先に3つ並べた方が勝ちってルールだ。」
「えらい簡単ですね」
俺は近くにある紙にペンで3×3の正方形を描いた。
「じゃ俺が丸にするから、レインはバツね」
「はい!」
「レインはど真ん中に力強いバツを描いた。」
それから続々とまるバツを描いていく。
「これは…」
「引き分けだ」
「ではもっかい」
……
「引き分けですか?」
「引き分けだな。」
……
「ディルガ殿…引き」
「決まんねぇじゃねぇか!!!」
このゲームはハズレだ。
全然時間を消費できなかった。
「レイン絵しりとりしようぜ!」
「なんです?それ」
あっしりとり自体がないのか?
「まず何かの絵を描いて、その言葉の最後の文字から始まる言葉を考えて絵を描く。それを繰り返していくってゲーム」
「なるほど、でもそれどうやって勝つのですか?」
「あー【ん】が最後についたら負けなんだけど、そうそう終わらないな。気がついたら終わってるな。いつも」
てか俺の場合する相手がいなかったんだけどな。
一人で言ってて虚しくなる。
まぁまずは猫でも描きま……いや猫なんているか?
猫みたいな魔物の名前を考えられて俺が分からなくなるのがオチだ。
「じゃレインからいいぞ」
レインはスラスラと紙に何かを描き始める。
描き始める……。
描き始め……。
描き……。
これは……なんだ?
レインは曲線を適当に描いているようにしか見えない。
「完成しました!」
「……えっと…なにこれ?」
そこには紙の端っこに沢山の曲線が描かれている。
それしか特徴が思いつかない位のクオリティだった。
逆に芸術的かもしれない。
うん。現代アート、現代アート。
便利な言葉だ。
いやそれは失礼か。
………………、いやこれマジで何!!!
(おい…大賢者!これなに?)
《これは!》
(まさかっ!?分かるのか?!)
《ホコリ?》
(ざけんな!)
ホコリは酷い結果だ。
(管轄者これなんだと思う?)
〈これは……なんでしょう。雲ですかね?〉
(なんほど)
《えっ?ちょっとまってよ。私の意見h》
「よし俺の番だな。」
俺は管轄者の【雲】と信じ、【森】を描くことにした。
まぁ単純に沢山の木を描いていった。
木を3本目に入った時、
「ディルガ殿、これ森ですか?」
「言っちゃダメだろっ」
「いや【も】じゃないです」
「え?じゃぁこれなに?」
「言っていいんですか?」
そう言うレインに対し俺は小さく頷く。
「ホコリです。」
「いやほこりかい!」
《ほーれ見ろー!》
〈流石です〉
(やめとけ管轄者)
《なーんでよぉ゛ー!》
雨の振る音の中俺たちは一日中色々なゲームをしたのだった。
また遅刻しました!
日常は苦手です。
もう少しで細く描きたかったのでこれからも日常回はあると思います。
2日目は訪問者が来る予定です。
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ディルガスキル
○常用スキル
ㅇ『管轄者』の下
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
・『暗視』・『光属性耐性』
・『再生』・『状態異常耐性』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』
・『切断者』・『虐殺者』
・『消化』・『分身』
・『蒼炎』
〇属性適性
・『地属性適性』・『炎属性適性』




