第28話 北東の集落
俺はレインの道案内について行き、ゴブリンの生き残り11人をリーガル村へ送った。
リーガル村の門番はもはや顔パスになっていた。
「ディルガ様その方方は……いや大丈夫ですね。どうぞお通り下さい」
「いや警備あますぎじゃない!?」
「ディルガ様を信頼しているからですよ」
「そっそうか……」
───冒険者ギルド
「おぉ!ディルガさ……ん?」
「何です?その方たちは」
「北西にあるゴブリンの集落が何者かに襲われ大きな損害を出した。その中の生き残り11人だ」
「ゴブリンの集落って70人近くいたはずじゃ?」
「あぁ、らしいな」
「他の集落の仕業とは考えにくいですね」
クソ……レインの事を解決するつもりだったのに。
だがここまで来て……。
「ディルガ殿、もう1つ、北東の集落へ行ってみましょう」
「レイン……すまんな先送りにしてしまって」
「いえ、いいのです」
…………
「受付!」
「はい!」
「こいつらに寝床と飯を用意しろ。金は後で俺が払う」
クッ……金ねぇけどな!
「りょっ了解しました。」
「ディルガさん!……いやディルガ様!そのようなことは」
「いいんだ。ここで待ってろ。レイン行くぞ!」
「はい!」
それから俺はレインと共に北東の集落へむかった。
ただし歩いて。
歩いて行くのには理由がある。
夜に行きたかったからだ。
おそらく犯人は夜間に行動を始める。
それを狙いたいのだ。
可能性として既にやられている可能性、そして他の集落よりも先にやられたという説。
だが先にやられたとすれば3日は前だ。3日なら建て直してる頃だろう。生き残りがいればだが。
これまでの状況を見るに1夜1件だ。
まだやられていないなら今夜な筈だ。
それを踏まえ夜間に行く事を選んだ。
だがそんなに遠くない為夕方には着くはずだ。
それからはひたすら待機だ。
ゴブリンを1箇所に集めて避難させそこから襲撃者と戦ってもいいのだが、あれだけのやり手なら怪しいことに気付くかもしれない。ありのままの状態で行こう。
「レインは何が犯人だと思う?」
「ん…分かりません。ですが何が強力な魔物の仕業でしょう」
……そうだよな。
強い……魔王…とか?
いやいや魔王がゴブリンになんの用だよ。
狙うなら大きな村や町だろ……。
なぜ誰がゴブリンなんかを……。
まさか統括者かなんかがまとめるために?……。
「この世界って誰が仕切ってるんだ?」
領主というか首脳?大統領?みたいのがいるのか?
「んー強いて言えば、【魔王】達ですかね」
「魔っ、魔王……本当にいるのか、そんなの」
「ディルガ殿……流石にそれって……旅人だからって」
まずい!旅人って設定だった。……どうしよう。
言っちゃう?言わない?
んー、どうしよー!
「まさかディルガ殿……転生者?とかですか?」
「ギクッ!ななななんだよそれ」
「大昔、召喚魔法を使った謎の女性冒険者がいたと聞いたことがあります。その召喚魔法は別の世界の生物をこっちの世界に召喚するという魔法らしく」
「……えっと……」
「まぁ言いたくない事もありますよね。」
えっと……とりあえずOK?
レインに重ねているのだろうか。
「魔王の話でしたね」
「あっ、あぁ」
そういうとレインは魔王についての説明を始めた。
「魔王っていうのは十人いて。【十色光魔王】主に属性別で存在していて、炎、淙、凮、地、氷、靁の六属性。そして他にも光魔法を得意とする魔王、剣の得意な魔王、そして物理攻撃を得意とする魔王、」
「ほぅなるほど六属性……剣とかでも魔王になれるんだな。てかそれじゃ9人じゃないか。」
「はい、最後の魔王は未だによくわかっていないのです。顔どころか名前すら誰も知らないのです。そこから存在していないのではないかと噂も広がるくらいで。」
「はぁ。そんな奴がいるのか……」
魔王の話をしている間にだいぶ日も暮れてきた。
木々の間から赤く染った光が俺たちを照らした。
その時すごい数が『座標認識』にヒットした。
「レイン……『座標認識』に少しづつかかってる。集落はすぐそこだ」
そのセリフからものの数分ゴブリンの集落に着いた。
ゴブリン達は未だに襲われていないようだった。
ゴブリン達は何も知らぬ状態で生活を送っていた。
1人は薪を担ぎ、1人は畑を耕し、1人は夕食の準備を進めている。完全に気を緩めている。こんな時に誰かに襲撃されるなんて思っても
いなかったわ。……
あれから5時間ほど経ちあたりはもう何時間も前に暗くなっていた。現在11時、レインは目をしょぼしょぼさせている。
てか既に寝てる。
こいつはこのまま寝かせてたら絶対に起きない。どうにかしないと。
魔法元素を少し圧縮させたものをレインの耳元にそれを持っていく。
スパンっ!
「うぬっ?!寝てません!」
圧縮させた魔法元素を破裂させる。
すると小さな爆発が起こる。それをレインの耳元でやったわけだ。
「いや思いっきり寝てただろ」
そんな軽口を叩いていた。
「ん?!」
ものすごい魔力が『座標認識』に引っかかった。
サーモグラフィーのように見えるのだがこれはまずい。
視界全体を覆うような魔力量!。
「避難しろ!!!」
「ん?」
その頃には真上に大きな魔力弾ができていた。
あたりは魔力弾の明かりに照らされて昼のようになっていた。
「うっ嘘……だろ?…………今の一瞬であの大きさの魔力弾を?!」
大きな魔力弾の直径は集落の半分程で数にすればおよそ40メートル。そんな魔力弾を一瞬で?どうやって……。
今までの集落は少しだが建物は残っていた。だがこんなの食らったら1片も残らず灰になる。
違うやつの仕業か?いや考えるな!
今は目の前のことに集中しろ。
「レイ…ン?」
横を見るとレインが倒れていた。
「レイン!!!、大丈夫か?!」
「暑い……暑……」
暑い?そんな暑いか?
そうか『環境効果無効』のおかげか。
『環境効果無効』
気温や湿度等の自然影響による悪影響を無効化する。
「それなら集落のゴブリンも危ない……」
止めないと……どうやって?『時間の管理者』はダメだ……『蒼炎』で押し切るか?……そう思考を繰り返していると魔力弾は色を変え炎の玉になった。ゆっくりと下へ下へと動き出している。
それを見た俺は草むらから飛び出した。
「っ!『切断者』!」
クソ……『切断者』で小さくしようと思ったが高密度すぎて切ることすらできない。
「『蒼炎』!!!」
俺は『蒼炎』を使用し大きな魔力弾へ打ち込んだ。
蒼い炎をてから放射してる姿は某人気マンガ【龍玉】の主人公の技のようだ。
遅くはなっているが魔力弾は動きを止めようとしない。
クソどうする?……『分身』?
これ使えるんじゃないか?
(管轄者!『虐殺者』を解放!『分身』を作り出せ!)
〈はいっ!〉
俺は管轄者に封印していたスキル『虐殺者』を解放し『分身』を作るように命令をした。どちらも未だ試した事のないスキルだ。だが前見た時『虐殺者』は常用スキルだった。
攻撃に精神的ダメージを負わせられるようになる常用スキルだ。そうならば魔力はあまり消費しないはずだ。
だが『分身』だけは本当に分からない。
説明には、魔力消費は本体と共有、と書いてあった。
だが思いつくのはこれだけだった。
すると体から魔力が出ていきその魔力は硬化し俺の体の形になった。
なんだあの……くそニートは。
いやいやそうじゃない。
「おい分身!この魔法を使ってる本体を攻撃しろ!」
すると分身はその目をこちらに向けて何かを唱え始めた。
え?それ『蒼炎』の詠唱じゃ?!
「おーい待て待て待て!この魔法って言うのはあの大きな魔力弾の事だ!」
すると詠唱はそのままスっと上を向き『蒼炎』を発動した。
すると目の前の魔力弾と分身が一緒に消えた。
というか分身はやはり詠唱は必要なのか……。
すると上からオレンジ色の服を着た男が降りてきた。
男はガタイがよく筋骨隆々と言わんばかりの肉体だった。
太い眉毛を斜めに動かし、ヒラヒラの服を靡かせながら俺に向かってきた。
「今のはお前か?」
「そうだと言ったらどうする?」
すごい威圧感だ。
強者の余裕を感じる。
すると男は手を広げこう発した。
「我が名は フラム・ミリュンリル 。炎の魔王だ!」
「魔っ魔王?!」
まいった。どうやらさっき話していた魔王が来てしまった。
炎の魔王?なぜこんなとこに。
「あぁ……」
フラムはこっちを見つめながら腰に手を当てた。
それからは5秒ほどが経った。
「えっ?あっこれ俺の名前言うやつ?」
「あっあぁ、頼む」
「あぁディルガっと言います……」
「おっおう良い名だな……」
……いやコミュ障かよ!
さっきまでの勢いはどうした!
2人の間は謎の雰囲気が包んでいた。
すいません最近遅くなっていて。
これからも一生懸命頑張りますので、
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ディルガスキル
○常用スキル
ㅇ『管轄者』の下
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
・『暗視』・『光属性耐性』
・『再生』・『状態異常耐性』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』
・『切断者』・『虐殺者』
・『消化』・『分身』
・『蒼炎』
〇属性適性
・『地属性適性』・『炎属性適性』




