第20話 終止符
その顔は笑顔で満ちていてすやすやと眠っているように見えた。
「ガイラくんは無事ですよ。ただ安心と恐怖で持たなかったんですね。回復魔法もあんなに連発してましたし。」
「そうか…お疲れ様…ガイラ」
俺は届くはずのない言葉を発した。
小さく、か細く。
「他のけが人の手当は?」
「既に済んでおります。現在は帰還の準備を整えています。スライムによる攻撃で魔車が壊れてしまったのでね。僕も手伝って来ますので!」
そう言い残しリーフルさんは魔車の整備の方へ向かった。
「フゥゥー……」
大きな溜息をつきその場に座った。空は憎たらしいほどの快晴で雲は1つも無かった。青い空はさっきの戦闘を無かったことにでもするように、俺たちを照らし、支えていた。
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「私のスライム達が殺された?誰がやった……特定しろ!」
「「「はっ!」」」
「あの数のスライムをこの短時間で……例年のスライム達とは比にならないレベルで知能指数を上げたのに……それに数も……おかしい。何か変なやつが混ざったか?」
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ガタンガタンッ
行きよりも少し荒い道を辿りリーガル村へと帰っていた。前の席ではガイラが寝ている。今改めて見ると綺麗な髪をしている。……はっ?何を考えているんだ俺は。
そういえば…傷ないな。
ティアさんから聞いた話だと俺は大きな蒼い炎を出し!スライムを一瞬で蒸発させたという。
そんなスキル持ってないんだがな。仮にそうだとして俺は『炎属性耐性』を持っているがあくまで“耐性”完全な無効化はできないはずだが……。
(おい大賢者!新しいスキルゲットしてないか?)
《自分で見なよめんどくさいなぁ》
(は?お前大賢者なんだからそれ相応の仕事をしろよ)
《スキル一覧は自分でも見れるんだから……ふぁ私は疲れたから寝るわ………………》
(おい!…おいっ!)
返事がない。寝てしまったようだ。
(スキル一覧)……おおっ!これか!
そこには大賢者から教えられた各種スキルや知らないスキルもあった。
(え?『再生』、『分身』、『消化』?これはなんだ?)
スキルに意識を集中させるとスキルの説明文が出てきた。
常用スキル『再生』
傷を負ったと認識した場合魔力を消費し傷を繋げる。
尚魔力量が足りない場合は発動しない。
スキル『分身』
魔力を消費し、自分と全く同じ形の物を創り出す。
形はそのままの状態で大きさを元の体を1として比率で変えることが可能。大きさに応じ消費魔力量が変化する。
スキル『消化』
体内に溜め込んだものを消化し魔法元素に還元することが出来る。対象は生物、物体、魔法。
なるほどこの『再生』で体を再生し続けていたのか。
魔力量はたりたのか?
えっとこれもか
固有スキル『蒼炎』
碧色の炎を生み出す。その温度は10000°をこえ辺りを焼き尽くす。尚魔法元素で生みだした炎のためすぐに還元され熱エネルギーが遠くまで伝わる事は無く、その効果範囲は消費魔力量で決まる。
は?10000°?!高すぎだろ馬鹿かよ。
ていうか固有スキル?
……俺の種族が分かる?!
嘘だろ……
てかこれを使うための『炎属性適性』まで、ていうか5つも新しいスキルを?
いや違う
常用スキル『状態異常耐性』
『睡眠耐性』『毒耐性』『消化腐食耐性』『麻痺体制』
を統合し生まれたスキル。状態異常系統のスキルを70%以上無効化する。
はっはぁ……非常に強力なスキルだ……。
耐性は持ってるのにそれを使うスキルは持ってないんだな。
てかスキルってこんなに簡単に手に入るもんなのか?
少しおかしくないか?
まぁいい。どちらにせよ都合がいい。
帰ったらレインに聞いてみよう。
それからしばらく魔車に揺られた。
———リーガル村、冒険者ギルド
「お疲れ様でした!!!」
「「「おぉー!」」」
リーガル村に帰ると冒険者ギルドで打ち上げ会がすぐに開かれた。そこは共に生きて帰った仲間で溢れかえっていた。数多くの冒険者がテーブルを囲み盛り上がっていた。
「よくやったな!」
「被害者はでなくてよかったなぁ!」
「いやそれにしてもディルガさん!見直しましたよ!」
「ほんとに凄かったですよ!」
「いやいや全然ですよ」
【緑】階級それだけで非難を受けてきた身として、
そして何も出来なくて親にすら迷惑をかけた身として
褒められることは無かった。
その事実を今自分の手でで覆した。
褒められるというのは非常に嬉しかった。
「ディルガさんがいなかったら死んでたかもしれないっすからね!」
「そうだよ!ディルガさんがいなかったら俺らはもう居ねぇかもしれねぇ!」
「そうかな……」
でも流石にこれは恥ずかしい。
「夜風に当たってくるよ」
「まだ昼だぜディルガさん!」
辺りの冒険者はガッハッハッハッハッと笑ってみせる。
その笑いを無視し、外に出る。
そのにはいくつかのテーブル席がある。
冒険者ギルドなのにこんなに店として充実してるってありかよ。
晴天の空の元椅子に腰を下ろした。
ハァ…………。
青く広い空に1つため息を零した。
「ここいいかい?」
リーフルさんに声をかけられた。
「どうぞ」
隣の椅子を引き椅子を指した。
「失礼っ」
リーフルさんはそう言い席に腰をかけた。
「いや本当に助かったよ」
「なんの事だ」
「謙遜なさるな。ディルガさんがいなかったら僕達は死んでいたかもしれないんですよ。これば僕からのほんのお礼です」
そう言いリーフルさんは薄い黄色のお酒をくれた。
え?これくそ高いやつじゃね?
「ありがとうございます」
そんなことを聞くのは余計だ。
ここは有難く素直に貰っておこう。
「ティアもありがたいと言っておりましたよ」
「そうですか。」
ティアさんはなんか意外だ。
そんなことを思うのは失礼だろうか。
(ガッハッハッハッハッハッハッハ)
んーどうせこんな感じに笑ってるだろ。
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「ブァッックショォン!!!!!」
「風邪ですかな?」
「ガッハッハッ誰かが私の噂をしているのですよ!」
「流石は【赤】階級だけありますな。人気者は違いますな」
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どこかでガチガチ筋肉冒険者がくしゃみをするのを感じた。
とりあえずお酒を頂こう。
ゴグッ
「ん?」
「どうされた?」
これ酒か?
「あぁ美味しいよ」
「それは良かった」
酒っぽくないな。アルコールが入ってないのか?
まさかリーフルさん……俺を……
いやこの人に限ってそんなことを……
現にすごい笑顔でこっち見てるし……
ん?まさか
(大賢者っ『状態異常耐性』をきれ)
《はー?そんなの『管轄者』に言いなさいよ》
は?お前何言ってんだ?
(いや『管轄者』は喋れ……)
〈喋れますよ〉
(はぁ゛?!)
《ほらね》
(…え……えぇ……)
〈私に何かご用ですか?〉
(あっあぁ……『状態異常耐性』でこのお酒のアルコール解毒してない?)
〈すっすいません!『管轄者』たるものがこのような失態を!〉
(あぁ別にいいんだけど)
そこまで謝られると。
「やはりどうかされたのか?」
「いや別に」
まずいこいつらとの会話のせいで余計な心配をかけさせてしまった。
「そうかガイラさんのことですね。それならここを進んだ所の病院で寝ていますよ。」
「そうですか。ありがとうございます。後で行かせていただきます」
再度口にお酒を口に運ぶと、
「え?うま!」
「えっ急に?」
あっやべ。
「あはーいやガイラのことが心配で味に集中出来なくて……アハハ……」
「そうかそうか。では早く行ってあげたらどうです?」
「そうですね。行っています」
そう告お酒をがぶ飲みした。
礼儀?そんなの関係ねぇよ。
どうせそういう認識なんだから俺は。
だって【緑】だせ?商人や農家ならともかく、【緑】階級の冒険者たぜ?
「ガハッ……それではまたいつか!」
「あぁ、また共に戦えることを祈っているよ」
リーフルさんはサラサラの緑色の髪を風に靡かせ笑顔で俺を見送った。どこまでいっても良い奴だ。
くそイケメンがっ。せめてワキガであれ。
性格の悪いことを考えながら俺は病院へ走った。
すいません
風呂はいってました!
本当にすいませんっ!
明日は7時に投稿しますんで、
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ディルガスキル
○常用スキル
ㅇ『管轄者』の下
・『物理耐性』・『環境効果無効』
・『身体能力強化』・『炎属性耐性』
・『思考加速』・『意識拡張』
・『生存能力強化』・『座標認識』
・『暗視』・『光属性耐性』
・『再生』・『状態異常耐性』
○スキル
・『魂保存』・『時間の管理者』
・『切断者』・『虐殺者』
・『消化』・『分身』
・『蒼炎』
〇属性適性
・『地属性適性』・『炎属性適性』




