尾行されてたようでして
この日は、昨日の夜と違って、そんなに天崎さんからラインが来なかった。
私が明日尾行しようと連絡したくらい。
そして『遊園地デートってことですね!』と、謎の勘違いをされてそこで会話は終わり。
後は、それとなく楓花に明日の集合時間を聞いたくらいだ。
お昼から遊ぶらしくて、午後一時に遊園地の前集合らしい。
遊園地は私の家からそこそこの距離。
車で真っ直ぐ行けば三十分くらい。
まぁあの子は、電車で行くのだろう。
お母さんはそういうのダルがりそうし。
そんなこんなで、今日は終了した。
※※※※※※
翌朝。
寝ぼけ目を擦りながら、スマホを開く。
目に入る午前十一時。
と、百件以上の通知。
「寝すぎた……。そして大量の通知が……」
見ずとも分かるが、勿論相手は天崎さん。
ラインを開き、何が書いてあるか確認する。
メッセージが一つ。後は可愛いキャラが『好き♡』と言っているスタンプだった。
『伊奈さん、おはようございます! 今日は私の母さんが送ってくれるので、伊奈さんも一緒に行きましょう!』
九時送られてきたそのメッセージ。
確かに。車ね。
言われてみれば、天崎さんのお母さんにとっても、耳が良くない娘を一人で外に行かせる訳にはいくまい。
そういう訳だから、天崎さんを車で送るのだろう。
……あ。どっちも天崎さんか。
じゃあ。心音さん。ってなるのかな。
なんにせよ。
私も一緒に乗せてってくれるのはありがたい。
ここは好意に甘えておこう。
『じゃあ、お願いします。あと、おはよう』
『おはようございます! 了解しました』
……もう慣れたぞ。
この高速返信には。
『うん。あ、どこに迎えくるの?』
『伊奈さんの家にいきます!』
……あれ?
『私の家、知ってたっけ?』
『尾行したことがあるので分かります。母さんの車でですが!』
『こわ! そんなの全くしらなかった』
『気付かれないようにしましたから!』
既に尾行経験者がここにいたとは。
天崎ママは何も気にならなかったのだろうか。
まぁ、過ぎた事だし仕方ない? いや、仕方ある?
んー。多分、気にしすぎない方がいいのだろう。
『な。なるほど。……ともかく、十二時半に私の家に着くようにお迎えお願いできるかな?』
『了解です! 頼んどきます!』
『ありがと〜』
そう返信して、スマホを閉じ。
私はゴロンと、またベッドへと転がった。
寝落ちした時のために、一応アラームもかけて……っと。
……よし。




