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第60話 ヒスイ

とても、とても…お久しぶりの更新です。忘れられてたかも…(^_^;)

これから他作品も含め、また更新して行きますので何卒宜しくお願い致します。(絶対エタらないぞ!)

 薄っすらと光を纒い、姿を表した人物。どうやら、先程の古代竜らしいのだが……。突然放たれた光にようやく目が慣れて来ると、その姿がより鮮明に確認出来た。


 長く艷やかな黒髪に、翡翠色の瞳をした妖艶な美女。そこに立っていたのは薄紅色の着物を着崩して纏う、匂い立つ様な美しい女性だった。


「古代竜……なのか?」


「ふぅ……。この姿になるのは何百年振りかのぅ」


 そう言って一つ溜息を付くと、古代竜は続けて話しかけて来た。


「それと……その古代竜と言う呼び方はやめてくれんかのう……未来の旦那様よ。我の名はヒスイじゃ。末永く共に暮らそうぞ」


 ヒスイと名乗る人間の姿をした古代竜は、そう話しながら口元を着物の袖で隠し、怪しい笑みを浮かべた。ちょっとした仕草がいちいち色っぽい。体中からアスカやビビにはない大人の色気がこれでもかと滲み出している。そんな彼女に対し、真っ先に噛み付いたのはビビだった。


「み、未来の旦那様ですって……!? 誰に断ってその様な戯言を……!!」


 今にも飛び掛かりそうな怒りをグッと堪え、ワナワナと震えている。さすがに相手が古代竜とあって、少し慎重になっているのかも知れない。だが、等の本人……ヒスイと名乗る古代竜は、その様な事など意にも介さずに飄々と答えた。


 「なんじゃ? まさか、そんな事も知らずに我に挑んで来たのか? ふむ……まあ、よかろう。旦那様もいまいちわかっておらぬ様だし、一から説明してやろう」


 一体、何の事だ?


 俺は、状況がいまいち掴めずにいた。どうやら、アスカやビビ達も俺と同じらしい。まあ、説明してくれると言うのなら、とりあえず聞いてみてもいいだろう。いつの間にか俺の後ろに控える様に集まったアスカ達と共に、俺はヒスイの話に耳を傾ける事にした。俺達の話を聞く体制を見て、ヒスイがゆっくりと口を開く。


「そもそも、このオルキア大陸を支配しているのは竜種であり、その頂点に立つのがこの我じゃ。人間や亜人は我等にとってどうでも良い存在故、見逃しておるだけに過ぎん。まぁ、魔大陸は竜種以外にも厄介なのが棲み着いておるがの。つまり、我と(つがい)になると言う事は、このオルキア大陸を手に入れるのと同義なのじゃよ」


「それと、その(つがい)とやらに俺が指名されるのはどういう関係があるんだ?」


  そこが全く理解出来ない。いくら何でも話が飛躍し過ぎだろ……。そんな俺の問い掛けに、ヒスイは尚も淡々と、とんでもない答えを続けた。

 

「我の夫となる資格。それは、唯一、我を倒す事じゃ。一族に伝わる(いにしえ)からの決まりでな。故に、我に負けを認めさせたお主は、ようやく現れた我の婿候補と言う訳じゃよ。因みに、先程我に挑んで来おった灼熱竜(身の程知らず)がおったであろう? あれも、我と番になりとおて挑んで来たバカの一人じゃ。あれでも、あやつは魔大陸の竜種を束ねる存在の一人での。我と番になる事で、この世界の覇権でも狙おておったのじゃろう。まあ、我のこの美しさに魅かれて来ただけやも知れぬがのお」


 そう言って、ヒスイは妖艶な笑みを浮かべた。


 しかし……なるほど。つまり、何もかもコイツの都合と言う訳か。バカバカしい。俺がそんな感想を抱いていると、背後にとてつもなく冷たい殺気を感じた。


 何だ? まさか……。


 さすがに、古代竜を相手にバカな真似はしないと思うが……。俺が、そんな一抹の不安を抱えていると、ヒスイが更にバカげた事を言い出した。


「さあ、旦那様! 早速、子作りに励もうぞ! 我も、実はこう見えて初めてなのじゃ……優しく頼むぞ?」


 頬を少し赤らめて、ヒスイが能天気に告げたその時。



 ──冷たい空気が突然、凍て付く様な冷気を爆発させた。


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