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第55話 戦況

「──あんちゃん……一体、何をするつもりだ?」



 ある程度予想がついている様な表情で、スミスが尋ねる。俺は、その予想通りであろう答えを口にした。


「勿論、あの灼熱竜(ヒート・ドラゴン)を倒す。せっかく、そんな珍しい(ドラゴン)が現れたんだ。逃がす手は無いだろう?」


 もう、俺には灼熱竜(ヒート・ドラゴン)が、レアドロップを期待させる魔物にしか見えなかった。そんな俺を諌める様に、スミスが答える。


「バカな事を言うんじゃねえ、あんちゃん! 古代竜だけでも命懸けなんだ。その上、灼熱竜(ヒート・ドラゴン)まで相手にするだと? (ドラゴン)を甘く見過ぎだ。冗談も休み休み言え!」


 少し興奮気味に、スミスが捲し立てて来る。そんな俺達のやり取りを他所に、灼熱竜(ヒート・ドラゴン)が襲い掛かって来た。大きな羽根を拡げ、こちらに向かって来ようとした、その時。


《何をボサっと突っ立っておる! 巻き込まれる前にサッサと逃げぬか!》


 俺達を庇う様に立ちはだかり、腹の底に響く様な声で深緑の(ドラゴン)が叫んだ。


 ドゴオオオオオオオン!


 同時に、灼熱竜の口から放たれた巨大な火球が、深緑の(ドラゴン)の前で爆発する。直撃こそ免れた物の、その爆風で俺達は吹き飛ばされた。俺は、すぐに体勢を整えると状況の把握に取りかかる。


 散り散りに吹き飛ばされたアスカ達。だが、皆んな大きな怪我も無く無事な様だ。そして、俺達を庇った深緑の(ドラゴン)……古代(エンシェント)(・ドラゴン)の方に目をやると、何やら光の壁の様な物を展開していた。魔法だろうか。少なくとも、火球の直撃は免れているみたいだが。


「……どういう事だ?」


 この二体、敵対しているのだろうか。それとも、単純に古代竜が人間を巻き込む事を嫌っただけなのか。何やら、様子がおかしい。すると、その古代竜がギロリと目線だけをこちらに向け、話しかけて来た。


《無事であったか、人間。我等の戦いに巻き込まれて死にたく無ければ、急いでこの場から離れるがいい》


 我等の戦い? やはり、この二体は敵対している様だ。そして、この古代竜は、明らかに俺達を助けようとしている。なんとなくだが、状況と戦いの構図が見えてきた。しかし、俺はその言葉を聞き入れない。


「せっかく助けてくれたのに悪いんだけど……そう言う訳にも行かないんだ。俺の目的は古代竜(あんた)の牙……そして、鱗だからね。他にも、使えそうな素材があれば頂くつもりだし。まあ、庇ってくれた礼もあるし、討伐しようとまでは思わなくなったけどね」


 淡々と、そしてハッキリと、古代竜の目を見据えてそう宣言する。すると、古代竜は一瞬驚いた様な顔を見せたが、すぐに大笑いし始めた。


《グハハハハハハッ!! 我を倒すと申すか、小僧? 面白い奴じゃ! 何年振りかのう……我に挑もうと言う人間は。良かろう。灼熱竜(このバカ)共々、我が自ら相手してやろう!》


 心底愉快そうに、古代竜はそう答えた。一番近くに吹き飛ばされていた、ビビの呟きが耳に入る。


「あ、あの古代(エンシェント)(・ドラゴン)と対等に話している……」


 若干、萎縮気味だったビビ達には、俺の態度が物怖じしない豪胆に見えるらしい。俺は、気にせず古代竜に告げた。



「──話が早くて助かる。だが、当面はその灼熱竜(ドラゴン)が共通の敵みたいだな。ちょうどいい。灼熱竜(そいつ)の素材も欲しかったんだ。それに……そいつは、俺達を殺そうとした。俺の仲間(パーティ)をな……許す訳にはいかん。邪魔者は俺が倒すから、古代竜(あんた)は黙って見ててくれ」


 灼熱竜(ヒート・ドラゴン)俺の仲間(アスカ達)を殺そうとした事、嫌という程後悔させてやる……。


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