第52話 回復役
※第四章スタートしました!早速、明日は休載日の水曜日ですが、出来るだけ頑張って毎日更新します!これからも良かったら読んで下さい!(。>﹏<。)
──レスト山脈、中腹。
「こりゃ、確かに低クラスの冒険者にはキツいかもな……」
少し開けた見通しのいい場所を見つけ、俺は一息付きながら呟いた。
「殆どがA級の魔物なのもそうだけど、何よりもその数が……ね」
俺に同意する様に、ビビが答える。
そう。このレスト山脈は、魔物のレベルも高いのだが、何よりその数が半端じゃない。麓で入山の手続きをしてから三日が経つが、俺達は殆ど戦いっぱなしだった。さすがに、アスカやビビの顔には疲労の色が見える。戦いに参加していないスミスですら、少しキツそうだ。
「ここなら見通しもいいし、魔物の襲撃も無いだろう。今日は、早目にここで休むとしよう」
幾らその強さが規格外とは言え、ビビの魔力には限界がある。勿論、俺もだ。戦闘の主力は俺達二人の役割だから、今のうちに体力と魔力は回復させておきたい。何しろ、これから山頂に近くなる。つまり、古代竜の縄張りだ。
「助かるわ……正直、魔力が尽きかけていたの」
「すまねえな。儂も戦えればいいんだが……」
ビビが、ホッと安心した様に笑みを零し、それを労う様にスミスが話した。そして、そこにアスカが無言で近付く。実は、アスカがこの旅で一番、意外な活躍を見せていた。それは、彼女の持つ固有能力『癒やしの光』。
彼女のこの能力は、今までは軽い傷を治せる程度だった。しかし、入山初日の事だ。ちょっとした手違いがあり、スミスが怪我を負った。その時、その傷を治癒すると同時に、アスカの固有能力がレベルが『ニ』に上がったのだ。レベル『ニ』の『癒やしの光』は、怪我だけでなく、体力と魔力も僅かに回復させる。そのお陰もあり、何とかビビは、ここまで戦いを続ける事が出来ていた。
「……ありがとう」
「すまねえな、嬢ちゃん……」
みるみる顔色が良くなる二人とは反対に、普段は無表情でわかりにくいアスカの表情に疲労の色が浮かぶ。当然だ。この三日間、殆ど一人でこのパーティの回復役を努めて来たのだから。
「アスカ、お前も少し休め」
「ん……。でも、私にはこれくらいしか役に立てないから……」
促す俺にアスカはそう答え、二人にかざした手を下げようとはしなかった。その間にも、ビビとスミスの疲労は少しずつ癒やされて行く。そして、だいぶ顔色の良くなったビビが口を開いた。
「アスカ、もういいわ……ありがとう。貴女も少しお休みになって?」
「そうだぞ、嬢ちゃん。お前さんまで倒れたら元も子もねえ。儂等はもう大丈夫だ。見張りは任せて、少し休みな」
「……ん」
ビビとスミスからも促され、ようやくアスカは傍にある岩に腰を下ろした。そして、そのまま座ったままの体勢で目を閉じる。程なくして、微かな寝息が聞こえて来た。やはり、相当疲れが溜まっていたらしい。そんなアスカを見て、ビビが小声で呟いた。
「──しかし、驚いたわね……まさか、『治癒』の能力を持つ者が存在したなんて」
そう。この世界には、『回復魔法』と言う物が存在しなかったのだ。
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