表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/74

第05話 迷いの森

予想以上に皆さんが応援して下さったお陰で、まだランキングにしがみついてます!(笑)ここが頑張りどころ!と言う事で、プロローグの第一章最終話、感謝を込めて本日二回目の更新しました!良かったらここ迄の評価、感想等お聞かせ下さると嬉しいです!

「──おい、見ろ! あの流れてる黒いの、人間じゃねーのか!」



 男の声だ。近くに人がいる。まさか、向こうから現れるとは……町を探す手間が省けた。俺は体を起こし、腰まである川の中で立ち上がった。


「お、おい! 生きてるぞ! 人だ、人が流れて来た!」


 声の方へ目をやると、興奮気味に騒ぎ立てる男が見えた。その傍に、連れらしき男がもう一人。二人共、余り裕福そうには見えない身なりだ。どちらも三十代くらいだろうか。片方が俺を指差しながら、しきりにもう一人へ呼びかけている。


「ああ、驚かせてすまない。別に怪しい者じゃない」


 言いながら俺は苦笑いした。突然、川から流れて来た黒ずくめの男。どう考えても怪しい。もしくは変人だ。我ながら気の利かない台詞(セリフ)だと思う。


「お、おい坊主! 大丈夫なのか?」


 とりあえず俺の身を案ずる辺り、悪い人間では無さそうだ。


 だが、坊主? 


 俺の事か? 


 そう考えるに至り、俺は自分が若返っている事を思い出した。おそらく、見た目は十六〜七歳くらい。同年代のつもりで話しかけたが、確かに向こうからしてみれば、俺は坊主(ガキ)だ。


 何が危険(リスク)に繋がるかわからない。とりあえず今は、転生者であることは伏せておこう。年相応に振る舞う方が良さそうだ。


「あ、すいません! 大丈夫です」


 ニッコリ笑い、誤魔化す。しかし、男は当然、納得はしなかった。


「大丈夫ってお前、この上流は『迷いの森』だぞ? こんなとこで一体、何してるんだ?」


 迷いの森。そんな物騒な名前の森だったのか。道理で中々出れない訳だ。


 妙に納得したのと同時に、俺はどう誤魔化すかを考えた。しかし、特にいい案は出て来ない。俺は仕方なく、使い古された設定を言い訳に(もち)いた。


「すいません。俺もわからないんです……気が付けばこの森の中にいて。それまでの事は覚えて無いんです」


 記憶喪失。都合の悪い事は忘れている事にして誤魔化せる、最強の設定。そして、異世界物の物語(ラノベ)では定番の言い訳だ。俺は説明しながら川からあがり、濡れた衣服の水を絞った。


「記憶が……そいつは大変だったな、坊主。それにしても、よく『迷いの森』から無事に出て来れたもんだ」


 同情と驚きの混じり合った表情(かお)で、男は俺を労った。どうやら、信じてくれたらしい。すると、話を聞いていたもう一人が、会話に加わって来た。


「あの森には、強力な魔物がウヨウヨ棲み憑いているからなあ。生きてるだけでも大したもんだ。『三尾の悪魔(デビルテイル)』に遭遇してたら、間違い無く食われていたろうよ」


 三尾の悪魔(デビルテイル)? 


 もしかして、あの三尾の狼の事だろうか。あいつ、そんなにヤバい魔物だったのか……。言われてみれば、確かに他の魔物よりも手こずった様な気がする。まあ、それも丸腰だった初日だけの話だが。


「ハハハ……そうなんですね。俺は運が良かったみたいだ」


 とりあえず、話を合わせる。殆ど丸腰で倒したなんて話したら、どんな厄介事に巻き込まれるかわからない。危険(リスク)は最小限に抑えた方がいい。若干、笑顔を引き吊らせながら答えると、俺を見つけた髭の男が話しかけて来た。


「坊主、記憶も無いのにこんな所で一人は危ない。とりあえず何か思い出す迄、うちの村へ来ると良い。貧しい村だが、ここよりはマシだ」


 願っても無い提案だった。この世界の人間が暮らす村。探す手間が省けた。



 ──ようやくこの異世界で、まともな生活が始まる。そんな気がして、俺は密かに拳を握り締めた。


読んで頂いてありがとうございました。


※本話でプロローグの第一章は終了です!次話から第二章として本格的に物語がスタートします!是非、今後も本作を読んで頂けると嬉しいです!

もし、ここ迄お読み頂いて応援してもいいよ!って思って頂けたら、評価・ブックマーク等を頂けると嬉しいです。



↓なろう勝手にランキング投票にご協力をお願いします!※クリックするだけです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ