第47話 古代竜
──古代竜!!
言わずと知れた、ファンタジー世界の最強種。その竜の中でも、取り分け最強と名高い存在が古代竜だ。
「古代竜……」
ビビが驚き、思わず声を漏らした。アスカも黙ったまま、真剣な表情で考え込む。俺は、そんな二人に向かって話しかけた。
「何、ヤバそうなら、牙だけ拝借して逃げてしまえばいいんだよ」
軽いノリでそう説明するが、二人の表情は晴れない。それ程、強敵と言う認識なのだろう。しかし、引く訳には行かない。
「心配するな。最悪、俺一人でだって行って来るさ。俺の能力は知っているだろう? 逃げるだけなら、何の問題もない。それに……」
二人だけではなく、スミスも俺に注目する。俺は、そんな三人の視線を浴びながら続けた。
「それ程の大物が絡む依頼……もしそんな物があるなのなら、きっとギルドでの評価もかなり高い筈だ。Aクラスに上がるにはちょうどいいじゃないか」
Aクラスの冒険者パーティ。
その称号さえ手に入れれば、この世界での活動は大きく幅を広げる。何しろ、Aランク以上の冒険者には、数多くの特権が許されているからだ。それに、ビビの目的にだって近付ける。
「それは確かにそうですが……クロスは古代竜を舐め過ぎです」
諌める様に、そうビビが反論する。しかし、それはアスカの言葉によって遮られた。
「……私は、信じる。クロスの強さを」
「だ、旦那様ですって!? そ、それなら私だって信じていますわ! わ、私だってまだクロスを諦めた訳では……ただ、幾らクロスでも油断してはいけないと……」
慌てて、弁解を始めるビビ。そんな二人に、黙って成り行きを見守っていたスミスが割り込む。
「古代竜と聞いてもこの反応とは……よっぽど信頼されているんだな、あんちゃん。それとも、本当にこの二人が言うくらい、強いと言う事なのか……」
自分で言っておきながら、俺達の反応が意外だったのか。古代竜を相手に物怖じしない俺達を見て、呆れた様にスミスは呟く。そして、意を決した様に話し始めた。
「なあ、あんちゃん。王国騎士団を敵に回しちまった以上、どちみち儂はここには居られねえ。それに、専用の武器を作るなら、使用者の実力も見ておきたい。どうだ? 儂も一緒に連れて行ってはくれねえか? その、竜退治に……」
そう、提案して来るスミス。もとはと言えば、おれにも多少の責任はある。それに、何かとこの世界の事情に詳しそうなスミスがいてくれるのは、正直有り難い。ビビやアスカの知識は、かなり偏っているからだ。
「ついて来るのは構わないですけど……それって、俺達の仲間に加わると言う事ですか?」
俺は尋ねた。スミスは、この世界ではそれなりに名も知れている。確かに、パーティに加われば色々と助かりそうだ。
「──ああ。依頼を果たす迄の暫定的な物でも構わない。儂を、お前達のパーティに加えてくれ」
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