第46話 魔法剣の材料
──能力合成。
スミスの固有能力らしいその能力は、その名の通り合成の能力だ。但し、レベルが低いうちは、物質同士を合成出来るだけの、取り立てて特別な能力ではなかったらしい。しかし、鍛冶職人のスミスにとって、それは貴重な能力だった様だ。彼はその能力に魅せられ、益々修行に没頭した。そして、その真価が遂に発揮される。それが、レベル『四』の能力だ。所謂、魔法等の物質以外の概念を合成出来る様になったらしい。『魔法剣』と言う概念が生まれた瞬間だ。
「そう言う事だったんですか……道理で、他の職人には真似出来ない訳だ……」
実現が不可能だと思われた『魔法剣』の精製。それを成し得るには、技術だけでは不可能だったと言う訳だ。しかし、固有能力の能力で作られているという事は、俺の提案した魔法剣の実現が、より現実味を帯びた事を意味する。スミスは、そんな俺の考えを見越した様に話した。
「そう言う事だ。だから、クロス……お前の考えたこの剣も、実現する事は可能だ。但し、それにはさっきも話した様に、特別な材料が必要になるけどな……」
「特別な材料?」
俺は聞き返した。すると、スミスは俺の渡した羊皮紙をヒラヒラとさせながら説明を始めた。
「ああ。この概念の通り、任意の魔法を剣の一部に付与する事は可能だ。相手に合わせて、その属性を交換出来る様にな。だが、その為には核となる魔石と、どんな属性にも耐えられる魔力の高い刃がいる」
俺の提案した魔法剣。それは、属性を選ばない、効果の変更が可能な魔法剣だ。時には炎、時には氷と言った様に、核となる部分を取り替える事でその属性を変化させる、多機能な短剣。万が一魔法が効く魔物でも、属性が無効化されては意味が無い。そう考えて考案した武器だ。
「その材料と言うのは何なんですか? どうすれば手に入りますか?」
実現が可能なら、是非手に入れておきたい。スミスは、ニヤリと口元に笑みを浮かべると静かに語り出した。
「魔石の方はまあ、手に入れる方法は幾らでもある。幸い、お前等は冒険者だしな。魔石の管理は、主にギルドが行っている。指定された依頼さえこなせば、手に入れる事は可能だろう……」
ギルドか。
ちょうど、冒険者ランクも上げておきたいと思っていた所だ。そんな依頼があるのなら、ちょうどいい。
「問題は、刃に使う合成材料の一つだ。そいつは、ある魔物の牙を必要とする──」
「ある魔物?」
口元から笑みが消えたスミスに、俺は聞き返した。一段低い声で、スミスは答える。
「──ドラゴンだよ。しかも、エスト山脈の山頂付近に生息すると言う、古代竜の牙だ」
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