第45話 スキル・ミックス
──レベル『四』!?
ちょ、ちょっと待て!
この世界では殆どの者が、能力を持っていてもレベル『一』。レベル『ニ』なら、達人レベルと言う話ではなかったのか? 実際、俺のレベルも今は『ニ』だが、人間ではもう殆ど相手にならない。それが、レベル『四』だと!? 一体、どれ程の魔物を倒したら、そんな境地に辿り着けるんだ……。
「相当、凄い修行をされたんですね……それとも、効率よく経験値を稼げる様な狩場でもあるのでしょうか?」
率直に尋ねる。すると、スミスは予想外の答えを返して来た。
「は? 狩場? お前、何を言ってるんだ? 能力のレベルを上げるのに、魔物を倒す必要なんか無いだろう」
何!?
どういう事だ?
俺は、詳しく話を聞いてみた。そして、この世界でのレベルについて、重大な勘違いに気付かされる。
スミスの話によると、経験値は、何も魔物を倒す事に限られている訳では無いらしい。それこそ、その人間が持つ能力によって、その条件は様々の様だ。偶々、俺の場合は戦闘系の能力だった為に、そう思い込んでいたのかも知れない。
そして、スミスの場合は幼くして両親と死別した後、この世界を一人で生き抜く為に必死で修行に明け暮れた結果らしい。勿論、鍛冶職人としての修行だ。その修行の日々が、一般能力である『鍛冶』の能力レベルを、とんでもないクラスに引き上げた。
そして、更に俺は、それよりも驚くべき事実をスミスの口から聞く。
「それに、固有能力のレベルは、一般能力のレベルに連動しているんだ」
何だと!?
……知らなかった。
そして、ようやく一つ謎が解けた。何故、俺の一般能力である『短剣使いのレベルが、いとも簡単に上がったのか。固有能力ならまだしも、俺はそこまで短剣の修行は積んでいないのに。どうやらこれは、固有能力のレベルが上がった事と関係していたらしい。
「つまり、スミスは鍛冶職人としてのレベルが上がったから、同時に固有能力のレベルも上がったと……そう言う事ですか?」
要するに、俺とは逆のパターン。一般能力のレベルに引き上げられて、固有能力のレベルが上がったと言う訳だ。レベル『ニ』が一般的に達人クラスだと言われている以上、これはかなり特殊なケースなのだろう。何しろ、固有持ち自体が少ないのだから、その中で一般能力も発現している者なんて、稀な筈だだ。ましてや、達人以上のレベルなんて……。
「──そう言う事になるな。そして、だからこそ儂はこの世界で唯一、『魔法剣』が打てる様になったんだ。儂の固有能力……『能力合成』の能力が進化したお蔭でな……」
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