第43話 スミスの秘密
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──混血である事を告白した俺達に対し、スミスは眉を顰めた。
「混血者が何故、正体を隠してまで冒険者なんかしてるんだ? それに、そっちの嬢ちゃん達まで混血者とは……目的は……金か?」
以前、アスカに聞いた事がある。有能な固有持ちが多い筈の混血者が、何故、冒険者にならないのか。それは、その正体がバレた時に問題があるからだ。
通常、純血者と殆ど交流する事が無い、隔離された土地での生活を強いられている混血者達。しかし、稀にその正体を隠して、冒険者として一旗揚げようとした者は過去にもいたらしい。だが、混血である事がバレたその者達は、普通よりも重い罰を受けたらしい。国もそうだが、何より、教会が混血者の社会進出に強く反発したそうだ。以来、冒険者になろうと言う混血者はいなくなった、と言う事らしい。
「最初はそれもありました。ですが、そこにいるアスカの過去やビビの想いを聞いて、俺も考えが変わったんです。俺達や、名もなき村にいる混血者が差別なく暮らせる世界にしたい……そう思う様になりました。今は、それが旅の目的です」
そこまで確固たる決意で望んでいる訳ではないが、当面の目的としては嘘じゃない。俺は、確かにそんな世界になれば良いと思っていた。
「混血者が差別されない世界だと……?」
俺の言葉に、スミスは更に驚いた。大きな目を更に大きく見開き、俺の言葉を繰り返す。そして、何やら真剣な表情で考え込んだ。俺は、自分達が本気であるとわかって貰う為に、敢えてビビの秘密も話す事にした。何気なく送った視線の先で、ビビは何も言わずとも俺の考えを汲み取る。そして、無言で頷いた。自分の秘密を話しても構わない、と言う事だろう。
「ええ。俺達は本気ですよ。そこにいるビビ……彼女は身分こそ隠してますが、実はこの国の第三王女なんです。ですが、固有持ちである事を一族に隠し、こうして俺達と冒険者をしています。この世界を変える為に……」
俺は、全てを話した。スミスは目を剥いたまま、その視線をビビに向ける。そして、絞り出す様に呟いた。
「お、王女様……」
一息置いて、我に返ったスミスが慌てて姿勢を正す。そして、改めてビビに向き直り、片膝を付いて敬意を示した。そんなスミスに、ビビが話しかける。
「し、失礼しました! ま、まさか、王女様であられるとは夢にも思わず……」
「いいのですよ。顔を上げて下さい。それに、今の私は冒険者のビビ。クロスとパーティを組む、只の一般人ですわ。混血の……ね」
そう言って、優しくスミスに諭すビビ。俺とアスカは、黙ってその様子を見つめていた。すると、意を決した様にスミスが話し始める。
「お、恐れ入ります。そこの坊主……いや、クロスの依頼、改めて受けさせて頂きやす! このスミスの誇りにかけて、必ず最高の一振りを……!」
「ありがとう、スミス。このお礼は、いずれこの世界を変える事が出来た時に改めてさせて頂きますわ」
「ははっ!」
恐縮して、更に頭を下げながら答えるスミス。俺は、そんな彼に向かって声をかけた。
「勿論、代金はちゃんと支払うから安心して下さい」
幾らビビが王女とは言え、只で作って貰おうとは思って無い。俺がその旨を伝えると、スミスは意外な言葉を返して来た。
「いや、代金は受け取れねえ。別に、姫様の頼みだからと言う訳じゃねえんだ。儂は、姫様の……そして、坊主。いや、クロス……お前達の決意に心を打たれたんだ。儂がずっと夢に見ていた、差別の無い世界……そいつを作ろうって言う、お前達の想いにな……」
遠くを見つめる様な目で、スミスはそう語った。そして、更に告白を続ける。
「『魔法剣』の精製。こいつは、普通の鍛冶職人には造れねえ。そいつは、何故か……その答えは、この技術が儂の固有能力による物だからだ」
何?
と言う事は……。
俺達の目線がスミスに集中する。彼は、そんな俺達の視線を浴びながら静かに答えた。
「──そう。儂も固有持ち……混血者なんだ」
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