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第28話 ギルドの依頼

《グワオオオオオオオンッ》



「──ふぅ。ようやく、二体目か……」


 タストの町から北へ四半日。あの、岩壁の巨熊(ロック・グリズリー)が生息する山間部。俺とアスカは、この辺りで最も危険と言われる地で魔物狩りをしていた。勿論、ギルドの依頼を達成する為だ。


「……お疲れ様」


 言葉少なく、アスカが俺を(ねぎら)う。手渡されたタオルで汗を拭い、俺はアスカに告げた。


「これで、銀貨40枚か……。全く、ボロい商売だよな……冒険者って言うのは」


 岩壁の巨熊(ロック・グリズリー)が一体で、銀貨20枚。これだけで暫くは食っていける。名もなき村から続く貧困生活が、嘘の様な稼ぎっぷりだ。


「クロスは例外。普通は、こんなに簡単に岩壁の巨熊(ロック・グリズリー)を倒せない」


 Bランク最高レベルの魔物、岩壁の巨熊(ロック・グリズリー)。その岩の様な肌と硬い体毛は、生半可な剣や魔法は弾き返してしまうらしい。唯一の急所は、今しがた俺が切り裂いた喉元のみ。確かに、まともにやり合えば強敵なのかも知れない。


偶々(たまたま)、相性が良かっただけさ。でも、これで今日倒した岩壁の巨熊(ロック・グリズリー)は二体。少し時間はかかったけど、中々の稼ぎじゃないか」


 この地に着いたのが、今日の昼前。そして、今はもう日が暮れかけている。依然来た時より、確実に倒す時間は短縮出来ているのだが、如何(いかん)せん岩壁の巨熊(ロック・グリズリー)と出会わない。着いて早々、一体目に遭遇しなければ無駄足になる所だった。前に来た時は、ここ迄探し出すのに苦労はしなかった筈なのだが。


「おかしい。明らかに岩壁の巨熊(ロック・グリズリー)の数が少ない。何か、生態系に変化があったのかも知れない……」


 能天気に浮かれている俺を他所に、アスカは何やら考えて込んでいる。


 生態系?


 つまり、岩壁の巨熊(ロック・グリズリー)の天敵が現れたから、数が減っていると言う事か? しかし、岩壁の巨熊(ロック・グリズリー)はこの一帯の(ぬし)の筈。天敵なんか、この土地には居ない筈なのだが。


 すると、微かに遠くで何かが聞こえた様な気がした。


 悲鳴?


 それも、おそらく女だ。こんな所で一体、何故……。不思議に思い、首を傾げたその時だった。


「──キャアアアアッ!!」


 今度は、ハッキリと聞こえた。間違い無い。女性の悲鳴だ。急ぎ、俺は声のした方向へ反射的に駆け出した。地肌が剥き出しの岩場から森へ入り、鬱蒼と生い茂る樹々の間を走り抜ける。声の聞こえた方角の記憶を辿り、刺さる小枝は気にも止めない。ただ、ひたすら声の主の無事を祈り、走った。そして、ようやくその姿が視界に入る。


 視界に飛び込んで来たのは、とんでもなく大きな蛇の魔物。そして、大樹を背にそれと対峙する、金髪の美女だった。


 どうやら、間に合った……。


 そう言いかけた矢先、遅れて駆け付けたアスカが声を漏らした。



「──ディ、深き森(ディーペス)の大蛇(トスネイク)!! ど、どうしてこんな場所(ところ)に……!」


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