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1000 BLADES-サウザンド=ブレイズ-  作者: 丁玖ふお
第3章 秘めし小火と級友の絆編
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61.第二試合とガスト

見事、第一試合の勝利を収めることができたフリッド。


そして、第二試合の組み合わせが今決められようとしているのだった。

 





「……………勝者、フリッド・グラース!!」



 審判であるウッドランドが、第一試合を見事に勝利したフリッドの名前を魔道マイクを使って高らかに宣言する。

 すると、この試合をずっと見ていた観客たちから、大きな歓声が上がるのであった。



「やったー、フリッドが勝った〜!!」


「あんな凄い魔道具を使っていた相手に勝っちゃうなんて、すごいや!」


「まぁ、勝因は相手の自滅が大きかったけどな」


「…………………それでも、勝ちは勝ち」



 フリッドが勝利したことで、七組のメンバーからも歓喜の声が上がる一方、一組の待機席では重苦しい空気が流れていた。



「……………まさか、一組の生徒でありながら負けてしまうとは、まったく嘆かわしい」


「まぁまぁ、叔父上。あまり圧勝し過ぎてしまっては、集まってくれた観客たちに悪いではありませんか」


「しかし、せっかくハイスヴァルム家の傘下である"カロール社"製の高性能魔道具を、貸し与えたと言うのに…………」


「まぁ、ミエルのお陰でこの"カロール社"の魔道具の弱点が判明したのですから、良しとしましょう。それに…………」



 ヒーティスは、徐に一番後ろの席に一人で座っているリッドを横目で見ると、やけに自信満々の表情を浮かべてスコルドの耳元で(ささや)くのだった。



「この一組に、私と"彼"が居る限り、負けることはありませんよ」




 第一試合が終わり、今ファイたちの目の前では、次の第二試合のための準備が行われていた。

 気絶してしまっているミエルを医務室へと運んだり、凍っているフィールドの氷を溶かしたりなど、担当の教師たちが慌ただしく作業している。


 やがて、その作業が無事に終了したのか、司会進行者のために用意されていた席から"あの男"が立ち上がり、魔道マイクにスイッチを入れたのであった。



「さーて、続きまして第二試合を始めたいと思います!……………次に選ばれるのは、この二人だ!!」



 司会進行役のマグネスが、演習場の天井から吊り下がっているディスプレイに手を向けると、第一試合の時と同じく生徒の名前がルーレットのように次々と映し出されていく。


 やがて、そのルーレットが止まると、選ばれた二人の名前が大きく表示されたのだった。



「…………第二試合は、"ガスト・ヴィントミュール"君と、"クラン・グランディール"さんに決まったぁあああッ!!」



「ふんっ!ミエルの仇は、俺が取ってやるー!!」


「………………ふぁあああ〜〜〜」




 ミエルとそれなりに仲が良かったのか、さきほどから彼の仇を取ると大きな声で叫んでいるのが、"ガスト・ヴィントミュール"。

 緑色の髪が捻るように逆立った男子生徒である。

 先ほどの第一試合の代表であった小柄なミエルとは真逆で、魔道士よりも兵士の方が似合いそうな程の体格であった。


 フィールドの中央で対戦相手である小柄なクランと向かい合うと、その大きさが余計に際立って見えるのだった。



「頼んだぞ、ガスト。相手が女性だからと言って気を抜くなよ?」


「わかりました、ヒーティス様!俺の魔法で蹴散らしてやります!!」


「クラン、頑張れ〜!そんな、奴さっさと倒しちゃって〜〜!!」


「………………面倒くさいなぁ」


「二人とも、準備はできてるな。それでは、これより第二回戦ガスト・ヴィントミュール対クラン・グランディールの試合を行う!!」



 ウッドランドが第一試合と同じように右手を真っ直ぐ上げると、ガストは右手の金色のブレスレット型の魔道具を構え、臨戦態勢を取るのだった。



「───────始めッ!!!」



 ガストはウッドランドによる試合開始の合図とほぼ同時に、右手の魔道具に魔力を込めるとクランに向けて風の掌底を繰り出すのだった。


 だが、その大きな体格から繰り出される攻撃はお世辞にも素早いとは言えず、彼女が後ろに軽くジャンプしたことで、あっさりと避けられてしまっていた。



「─────"ウィンド・ブラスト"!!」



 しかし、彼の攻撃はまだ終わってはいなかった。


 なんと、外れたと思っていたガストの掌底から風の衝撃波が放たれると、避け切ったと思っていたクランに襲いかかったのだった。



「………………"グラウンド・ウォール"!!」



 風の衝撃波が迫る最中、突如彼女の目の前に硬い土で作られた壁が出現する。

 それにより、ガストから放たれた風の魔法を防げたと思ったのも束の間、彼はもう既に次の魔法を放つ体勢を取っていたのであった。



「ドンドンいくぞ!"ウィンド・ブラスト"!!」



 クランによって作られた土壁に、ガストが連続で放つ風魔法が次々とぶつかっていく。


 繰り返すようだが、彼の動き自体はあまり素早いものではない。

 だが、両手からテンポ良く交互に放たれる風の衝撃波は、クランを守る土の壁へと着実にダメージを与えていったのだった。



「…………これで、どうだぁああ!!」



 ガストは、目一杯の魔力を込めた衝撃波を土壁に目掛けて放つと、それが崩れかけていた壁にめり込んだ瞬間、豪快な音を立てて砕け散ってしまったのだ。



「フン、そんな壁など俺には通用しないのだ!!」



 邪魔くさい壁を壊せて満足だったのか、ガストはまるでボディビルダーのようなポーズを取りながら雄叫びをあげるのであった。



 今し方、ガストによってバラバラに壊された壁から発生した粉塵がフィールド内に漂っているのだが、やがてその中から複数の影がぼんやりと姿を現すのだった。



「─────"岩の(ロック・オブ・)霊魂(スピリッツ)"」



 なんと、その複数の影とはクランの周りをフワフワと浮遊しながら回っている、三つの岩の塊であった。






「…………クランのやつ、一気に決める気だな」









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