第64話
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後、予定ですが10万字を超えたら、毎日投稿を止めて週一にします。毎週金曜です。よろしくお願いします。
義兄上の部屋を退出した僕は一色殿に案内されて控え室に向かった。とは言ってもどうやら僕専用の部屋が用意されているらしい。一式殿の説明だと、僕は特別扱いだそうだ。これは義兄上の命令だそうだ。明日会った時にはそのことを感謝しないと。
今日この後、僕、三好殿、義兄上、主要な幕臣を集めた会議があるそうだしな。
僕は与えられた控え室に入ると、執務台見たいのが置いてある一画に座布団の上に座った。そしたらすぐに藤枝がやってきた。どうして僕と義兄上の話が終わったとわかったのかは謎だ。
「若殿、上様とはどうでしたか?」
「どうということもない。そこまで政務の話はしなかった。ゆったりとして少し緊張が解けるような空気だった。余と義兄上の2人だったしな。」
「それは良かったです。実は、某の元に若殿に会いたいと申してきた大名がございまして。」
「ほう?何処だ。確か余は長宗我部殿、上杉殿、武田殿、佐竹殿のみしか会う予定がないはずでは。」
「はっ、それに今日は会う予定がございませぬ。上様との会議と、上様より頼まれた書類のみです。」
「そうだろう?前回の上洛の時、管領代は辞した代わりに、特別幕政参与役という謎の役職を余に対して与えられたからな。父上ではなく。」
「はっ」
「藤枝、特別幕政参与役の格は知っているか?」
「上様から聞いていないのですか?」
「ああ」
「辞退されないためでしょうか。格としては上様にはおいでではありませんが、言うなら上様のお子と同じですね。今の幕府では家督を継いでないのにも関わらず、全ての大名よりも上です。太守様も含めて。」
「まさか!」
「管領様もおいでではいませんがおいでだとしても格の上では劣ります。上様によるとこの役職は京に居ない者でもでき、上様に万が一があった折には上様の代理となります。また重要な意思決定の際には許可を求める必要があります。また、書類の代行権限もあるので上様の仕事を減らすことが可能ですね。あと臨時守護を任じられます。暫定ですね。上様の承認のもと、正式な守護になれますし、上様が任じた守護がいたら、臨時守護の任は解かれますが。」
「何故義兄上は自らの権力を減らす?」
「わかりませぬがそれだけ若殿を信頼なさっている証かと。」
「そうか。」
「はっ、こちらにある書類はそこまで重要ではありませぬが、一様いるのだからチェックするようにとのことです。」
「藤枝、説明感謝する。」
「若殿、それで、大名の件ですが?」
「何家だ?」
「毛利殿です。」
「毛利か。西国の有力大名だな。名門家ではないが。まあそれは関係なかろう。現当主毛利陸奥守は一代で此処まできた生粋の成り上がり者だ。敵に回すべきではなかろう。良い。連れて参れ。」
「はっ、後、若殿、若殿は格が上ですので呼び捨てで良いかと。殿をつけると逆に下に見られます。」
「了解した。」
僕はあの有名な毛利元就と会うことになった。もうかなりの年だが、毛利はすごい。警戒しないに越したことはないだろう。




