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スケルトンの奴隷商  作者: ぎじえ・いり
ダンジョンへ
33/67

ソードマスター

「な!?」


俺が吹き飛ばされた直後にフォローに入ったトータスが一瞬の時も稼げないままに倒される。


さらに刃を振るおうとした影をカタブツが抑えた。


盾で押さえ込み、そこにエキオンが剣を振るう。

ほんの一瞬だけデスナイトの動きが乱れる。

果たしてその剣はデスナイトの左腕を斬り飛ばした。


デスナイトからあふれる不気味なオーラの量が増した。

それは威圧感となって空間を支配する。


片腕を失ってなおデスナイトの勢いは止まらない。

片腕だけの剣戟でエキオンを防ぎ、カタブツを圧倒し、ついでとばかりに後ろにいた隊長を牽制する。

体が軽くなったとでも言うつもりか?

その剣の速さは上がっているようにすら見えた。


カタブツは最初耐えたが、しかし、すぐに押され、そして剣を持つ手を飛ばされた。

それでも退かず、盾を構え、デスナイトを抑える。


盾ひとつでその攻撃に耐えたのはさすがにスケルトンソルジャーの2番手だったか。

それでも既に限界を超えていた。


カタブツではこれ以上耐えられない。

後ろに近づき、剣を受けるのに合わせて、カタブツの首を掴んで無理矢理後ろへと放り投げる。


再び剣戟に加わったが、押しているのか、押されているのか。

片手で剣を振るうデスナイトの動きに乱れは無い。

剣の重さは片腕分、確かに軽くなった。


しかし、それでも攻めきれない。


どうすれば良い?

どうすればコイツを止められる?

トータスが倒れ、カタブツが間に入った事で冷えた頭で考える。


エキオンの剣は時折、デスナイトに届くようになっていた。

しかし、その傷は浅い。

鎧ごと断ち切るには弱かった。


隊長の剣は届かない。

むしろ、隊長の方が傷つき、その動きは鈍くなっている。

傷を負った骨から魔力が漏れ出しているのかもしれない。


俺の剣もやはり浅い。

コイツを見ていると遠い記憶が呼び起こされる。

その影響か。


デスナイトは剣士の次元を超えている。

無呼吸で連続して放たれる強力な斬撃。

正直、魔法無しでは決定打に欠ける。


仕方無い。

もうこうなれば手を限っていては負けるだろう。

ひとつの決断をした。


何しにここまで来たんだか。


「ナー!スケルトンを使え!全部だ!」


下手に手を出せば邪魔になる。

それが分かっていて、下がっていたナーに指示を出す。


いちいち説明する余裕は無い。

それでも分かれ!

無心で剣を捌き、デスナイトへと剣を振るう。


そこに新たなスケルトンソルジャーが剣を差し入れた。

1体だけではない。

無数の剣と無数のスケルトンが俺とエキオン、隊長の間から飛びかかる。


エキオンも隊長も俺もそれに合わせて1歩退がる。


デスナイトはまるで剣の嵐へと化身する。

瞬く間に斬り飛ばされていく新顔達の中で、ただひとり、伏せるように接近していたゴキゲンがデスナイトの足を掴んだ。


初めてデスナイトの体勢がほんの少し崩れた。

それはほんの一瞬の隙。

針で通すような剣の乱れ。


その中へ、エキオンが剣を突き入れていた。

最高のタイミング。


俺も隊長も出来なかったそれをエキオンだけが突き通した。


剣はデスナイトの左の眼窩へと差し込まれ、そのまま頭蓋骨を突き破る。

ビシリ、と骨が砕ける音は空気が震える音にも似ていた。


デスナイトの空いている方の眼窩がエキオンを捕らえ、それでも剣を振るう。

剣から手を離してエキオンは逃れた。


止まりゆく世界でデスナイトが斬り飛ばしたスケルトン達の骨が舞い落ちる。


そこに隊長が剣をさらに突き入れた。


さらに左の眼窩へと剣が差し込まれ、頭蓋骨の3分の1が割れ落ちる。

持ち上げられたデスナイトの剣がぴたりと止まった。


まるで世界が止まってしまったかのように錯覚する。

その世界で剣を振るう。


「終われ!デスナイト!」


斬撃は半分が割れ落ちた頭を完全に砕く。


頭を失ったデスナイトの体は剣を落とした。

そして何かを求めるように手を挙げたまま動きを止め、やがて剣と共に闇へと消えた。

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