★でたぁーーー!! 恋人によって趣味が変わる女ぁッ!!
「ガチャ渋すぎだろ~」
私は自室で魔女ストを興じている
変態女騎士との一件からそんなに経ってないのにもう暇を持て余している
魔女ストはもはや暇つぶしにもならないな、これはもう義務だよ
やめてしまえば、ガチャで大爆死するストレスも無くなるんだろうけど、慢性になっているのでやめられない
「?」
デイリーミッションを適当に消化しておしまいにしようと思ってた所でラインの通知が入った
おかしいな?私のラインは家族か結衣か無料スタンプしか登録されないバグに見舞われているハズなんだけど、陽キャからラインが来たぞ
「負け犬」
「いきなり悪口!?」
もうお分かりだと思うが、送り主の正体は詩織さんだ
私のこと好きになった癖にこっちが告白すると振って来る女
二回も振られたんだよ!?なんなのあのロリコン!
いや、近いんよ!?
姉とは違った意味で近いんよ!フリーダム過ぎるでしょ!!ヤンデレがてへぺろすんな!!
「悪口?」
「自覚ナシかよ!?まぁいいやどうしたの?」
「私に『魔女☆ストライク』を教えてくれませんか?」
で
で
で
でたぁーーー!!
恋人によって趣味が変わる女ぁッ!!
なぁーんで私は毎回、詩織さんの恋のアシストをしなきゃならんのだよ!?
お前私の彼女とえっちしたお陰で彼女出来たんだからな!?
私まだしてないのにコイツだけ経験してるってどういうこと!?
よく考えたら普通に接してる私も頭おかしいな!!
「お断る」
「お願いします。私たち友達ですよね?」
友達と言われると心が揺らいでしまう陰キャの悲しい性
ちょっと嬉しくなって了承してしまった。
「お上手です。誰にでも一つは取り柄があるのですね」
「一言余計なんよ」
レイドを終えてパーティを解散した
正直、詩織さんはかなり下手だ
なんというかお母さんとゲームしている気分だった
良いところのお嬢様らしいので、今までこういったゲームというものを触ってこなかったんだろうな
彼女の眞帆先輩をびっくりさせたいらしいが、道のりは遠いと思う。
ピコン♪
寝ようと思ってた所で、またラインの通知音がした
十二時ちょうどだったので新ガチャの通知かと思ったが違った
私の彼女を抱いてアシカみたいな声を出させた女からだった
「どうしましょう?」
「魔法石は封魔の洞窟で沢山取れるよ」
「違います。ゲームの話しか出来ないのですか?」
「もうちょい優しくしてよ!じゃあなんなの?」
「眞帆が家に来ることになったんです!!」
「あ、ノロケなら他を当たって下さいねー」
ブロックしようと操作している最中に着信が鳴る
うぜー光堕ちしてもしつこいのは変わってねーじゃん
「なに?女は生えてないから挿入出来ないよ」
「違います。ゲームとギャンブルとえっちなことしか話せないのですか?」
「ギャンブルの話はしてねー!どんなクズだと思ってんの!?」
「救いようがないクズだと思ってますけど、そんなクズにお願いがあるのです。愚かな負け犬でも徳を積めるチャンスですよ。良かったですね。ま・け・い・ぬ♪」
「物を頼む態度じゃねぇー!夜中に叫ばせんな!」
「負け犬も私の家に来て欲しいのです」
「さ、三人ですんの!?」
「違います。眞帆には指一本触れさせません」
「人の彼女抱いといて言う台詞!?」
どうやら私は詩織さんが言うようにえっちなことしか喋れないクズみたいだ
気を取り直して私も家に来て欲しい理由を聞いてみる
「怖いんです…」
「なにが?」
「眞帆に手を出してしまいそうで…」
「いや、彼女じゃん。良いと思うよ。おやすみー」
「惰眠を貪ろうとしないで下さい!私が捕まっても良いのですか?」
捕まるってなんだよ
コイツも殴りながら行為するタイプの変態か?
「あんな小さい娘と及んでしまったら逮捕されてしまいます!」
「二個上だよ!?」
忘れがちなのだが、眞帆先輩は三年生
お姉ちゃんや麗奈先輩よりも年上なのだ
「お願いします!私たち友達ですよね!?」
「さっきから『友達』って言葉を脅迫に使ってない!?」
その後も押し問答が続いたが、結局高級ケーキを餌に詩織さんの家に行くことになってしまった
詩織さんが暴走しそうになったら私が止めるらしい
どうやって?自慢じゃないが腕力には自信ないぞ、この前ビンの蓋開けようとしたら腕グキっとなったぞ
良い雰囲気になったら横から変顔しながらヌっと二人の間に挟まりこめば良いのか?
「では、当日は迎えを行かせますので」
「…分かったよ」
ようやく通話が終わった
時刻は深夜の一時に差し掛かっている
一時間も通話してんじゃん。彼女か?




