ぱんつは証拠品に入ります。
「ばーか、彼女持ちだっつーの」
「ひ、人が悪いな」
「人が悪いとはなんだ、ぱんつ覗き見してくせに」
「もう許してくれ」
三つまでボタンを外した所で舌を出してネタ晴らし、ドッキリでした
仕返しだよ。今夜は悶々として過ごすが良いさ
にしても時久の顔はマジだったな
姉といい一見真面目そうに見える人って実はえっちかったりするんだろうか?
結衣は私のぱんつが見えそうになると二人きりでもすぐに注意してくるんだよなぁ
結衣と言えば、怒ってる演技してた時の私ってなんか結衣が怒ってた時に似てたな。知らない間にコピーしていたのかも、もしかして私も写輪眼の使い手だったりする?
ガチャ
緩んでいた空気が突然の来訪者達によって再び引き締まる
やばい、まだ時久に跨ったままだ
「あ、奈妓ちゃん?」
「ん?時久くん?」
ガッチリ手を組みながら部室に入って来たのは結衣のお姉さんと彼女のテニス部の部長だった。
どっかで見た光景ぃ!またかよ!
時久と密着してると必ず現れるよこのバカップル!!!
「ぶ、部長こんにちは」
「お、お姉さんお久しぶりです」
「うん、挨拶はいいからさ、言い訳があるなら聞くよ?」
怖えーよ結衣のお姉さん
瞳が深紅に発光してんだけど、夜道に便利そう
「これはですね…マッサージをしてただけなんですよ」
「それ言い訳にもなってない、え?もしかして開き直ってる?」
彼女と組んでた腕を解いてこちらにつかつかと近づいてくるお姉さん
だから怖いって、結衣も怒った時は怖いけど、こちらの方が年季があるからかもっと怖い
ガシッ
「うっ!」
いきなりネックレスを掴まれる
これって小鳥遊一族の得意技なの?
「このネックレス結衣に貰ったんでしょ?それ付けながら浮気するってどういう神経してんの?」
「う、浮気なんかじゃ」
「マッサージするのに胸元そんなに開ける必要ないよね?」
「そ、それは…」
結衣のお姉さんもウチの姉とは違ったベクトルのシスコン
妹はお前なんかにやらないという意思をビシビシ感じる
「止めて下さい!奈妓っちが言っていることは本当なんです!浮気じゃないんです!!」
「浮気相手の証言に信憑性があるとでもー?」
「私が奈妓のぱんつを覗いたからこうなったんです!!!」
言ったー!
部長の前で時久に恥を掻かせるのはマズいと思って言うのを躊躇してたけど自分でバラしちゃったよ
「え?ちょっとよく分かんないんだけど」
突拍子もない発言にお姉さんは困惑した
このままだと時久にぱんつを見られた私が発情したことになるかもしれないので、急いで補足する。
「えっと、私が時久の治療の為にマッサージしてたら、時久がぱんつを見てきたんで、私が仕返しにちょっとからかったんです。」
「えぇ…」
判断に迷ったお姉さんは助けを求めるように恋人の部長の顔を見る
「にわかには信じがたいな…真面目な時久くんがそんな盗み見るようなマネはしないと思うが」
「そうだよね。よく知らないけどこの娘真面目そうだし」
リプレイ検証の結果、判定はアウトになった
再び、お姉さんの写輪眼がぐるぐると回りだす。
「私はぱんつを見ましたぁ!」
時久の突然の告白で部室の時が止まった
仰向けでベンチに顔を突っ伏してるので表情は分からないが、耳は真っ赤に染まっている
「私は真面目じゃなくてスケベな人間です!」
おいおいおいおい
「奈妓っちが私のことを心配してくれたのに、私はぱんつを覗いてしまいましたぁ!」
おいやめろって
「水色で白の刺繍が付いてましたぁ!」
それは言わなくて良いだろ
「奈妓っちの写真でオナニ●ーしてましたぁ!」
それも言わなくていいからーーー
あと伏字ズレとるーーー
「雪山で暖を取る為に裸で抱き合ってることをそうぞぉッ!」
歯止めが利かなくなってきたので口を押えて黙らせる
そのシチュエーションはなんなんだよ…
「ふむふむ確かに水色だ」
「彼女持ちの割には子供っぽくない?」
「や、やめて///」
いつのまにか私のスカートを捲っていた二人
ぱんつが証拠品になるとは…
「うーん、でもからかって誘惑したのは事実なんだよね?」
「それは、そうですけど」
「冗談でも彼女持ちの女がやることじゃないよね?」
一瞬、お姉さんの表情が柔らかくなっていたのだが、誘惑したという事実に気付かれ再び詰められる
時久がゆでだこみたいになって弁解したのにここで万事休すか?
だったら、だったらこっちだって反撃してやる
一緒に地獄に堕ちようぜ…お姉さん
「…お姉さんだってやったじゃないですか」
「え?」
「お姉さんだって私を誘惑したじゃないですかぁぁぁッ!!」
「え?」
二度目の「え?」は彼女の部長さんから発せられた
どちらかというとクールな感じなのに、明らかに狼狽えている
「私を押し倒して「摘まみ喰いなら浮気に入らなーい」って言いましたよね!」
「な、なんということだ…」
トドメの一言に部長さんは頭を押さえながらしゃがみ込んでしまった
自爆に巻き込んでしまってごめん
「あ、アレは奈妓ちゃんを試すための演技だって」
「私も演技でした。演技で誘惑するのはセーフですよね?」
「わ、私は結衣のことを想ってやったことで…奈妓ちゃんとは…」
「自分はセーフって言いたいんですか?彼女さんはどう思ってますかね?」
意見を聞こうと未だにしゃがんでいる部長さんを見るが、彼女の様子がおかしいことに気付いた
小刻みに震えている
え?な、泣いてる?
「うわぁぁぁん!浮気するなんてひどぉい!!」
「ち、違ッ」
「ちがくなぁぃ!あぁぁぁぁん!!」
「部長………」
普段の様子とは打って変わって泣きじゃくる部長さん
さっきの時久といい、テニス部って豹変する人集めてんの?入らなくて良かった
「あ、い、いや、その…な、泣かないで」
おもちゃ売り場で泣きじゃくるクソガキ状態になった恋人を抱きしめて必死にあやすお姉さん
私は彼女にそっと耳打ちをした
「ここは手打ちにしませんか?じゃないと私とキスしそうになったことも言いますよ?」
「わ、分かったよ」
恋人の頭を撫でながら悔しそうに私を睨むお姉さん
この場はなんとかなったけど、彼女の姉と仲悪くなるの今後色々とマズくない?
お姉さんと部長さんが去り、ほっとした所で本来の目的を思い出す。時久が肉離ってたから忘れてた
「はい、これお土産」
「わざわざ渡しに来てくれたのか?」
「そうだぞ、感謝しろ。暇だったからじゃないぞ」
フフッと笑いながら時久はお土産の袋を開ける
中には奈妓ちゃんセレクトのクソ可愛いウサ耳カチューシャが入っていた
時ぴょんの撮影会の始まり始まり~
「こ、これはかなり恥ずかしいのだが///」
「その恥じらいが堪りませんなぁ~」
恥ずかしがる時久に媚びポーズを取らせながらスマホで写真を撮りまくる
テーマパークの中では平気なのに、一歩外に出たら途端に恥ずかしくなるのは何故だろう
「じゃあ最後にぱんつ見せてよ」
「ま、また冗談を?」
「冗談じゃないって、私のぱんつ見といて自分の見せないつもり?」
勘違いしないで欲しいのだが、これは時久の為を思って言っている
さっき演技で仕返しはしたけど、それでもまだ彼女には罪悪感が残ってると思っている。だから己のぱんつを見せることでそれを払拭させてやろうという奈妓ちゃんのありがたい気遣いなのだ
「し、しかしだな」
「不公平だぞ!騎士道精神はどうした?」
「何故騎士道が出てくる?」
暫く躊躇していた時久であったが、意を決して履いているショートパンツを掴む
チラッ
「いやいや、そんな上からチラッとじゃなくて全部見せてよ」
「で、でも…」
「撮らないからさ」
「そうではなくて…」
「お前、もしかして私がそれを今晩のお楽しみにするとでも思ってんの?」
「違う!」
「だったらなに?」
「わ、分かった、知らないからな」
息を呑んで時久はもう一度ショートパンツを掴んだ
そんな卍解するような気配で脱ごうとすんな
「!!!!!」
「【自主規制】れてんじゃねーか!?なに見せてんだァ!?」
「だ、だから警告しただろう!」
「いい、もういいから!上げて!ズボン上げてぇ!!」
両手で顔を覆って叫ぶ
視界を遮ると姉の時と同じような最悪な二択が浮かんできた
私が誘惑した時と、大声で性癖を暴露した時、どっちに興奮したの?
後者だったらマジで今後は敬語でお話しさせて頂きますけど!?
私の中で時久は凛々しい女騎士から変態女騎士にクラスチェンジした。
小鳥遊姉に誘惑された話は42話~43話ー!




