★ライバルを性的対象にするのは良くないと思います。
遊園地という大イベントが終わって数日、結衣とは何回か会ったが特になにか変わった様子はなかった
でも付き合いが長いから分かるんだ。私の幼馴染の恋人はなにかあるとなにもないフリをする。
きっとお姉ちゃんに何かするチャンスを窺ってるんだろうなー
当人の姉は〇慰事件以来、また私と距離を置いてしまったし、家の中と外で問題が出来てしまった。
これが俗にいう内憂外患ってヤツ?
賢い例えが出たとこで、私はリビングのソファから立ち上がる
まぁ立ち上がったとこでやることはないのだけど…
「暇だな」
ぽつりと自分の口から出た言葉に少し驚いた
私は今まで暇という感情があまり無かった。中学の時は、部活に明け暮れていたし、部活がない時は一人でゲームしたりして過ごしていた。
今だって、二階の自分の部屋に行けばすぐにゲームが出来るのだが、そんな気持ちにはなれなかった。
アイツらが悪いんだ
みんなで遊園地なんて行ったから友達と遊ぶ楽しさを知ってしまった
ゲームや動画を見ることよりも楽しいことを教わってしまった
うう…誰か私と遊んでよ~こんな身体にした責任をとってよ~
結衣と次に会う日はまだ先だし、お盆も過ぎてないのに予定アプリの中は空白だらけだ
「あっ、そういえば」
白目を剥きながら天を仰いでいたら急にアレの存在を思い出して急いで自分の部屋に向かう
お目当ての物を手に取ると、制服に着替えてから外に出た
アイツに会いに行ってやるか
目的地の学校に到着すると真っすぐにテニスコートに向かう
わざわざ制服に着替えたのはこの為だ
「それにしても変わったな私」
テニスコートのフェンスから少し離れたところで様子を覗く
前まではテニス部に勧誘されただけで気分が悪くなったのに何時しか平気になっていた
ウチの学校はどちらかというと勉強の方に力を入れており、スポーツはそんなに盛んではない
でも練習自体はちゃんとしているようだ。部員の声がこっちにまで聞こえてきて活気を感じる。
うーむ、あの娘ちょっとテイクバックが甘いなぁ…でもインパクトの瞬間に上着からチラっと見えるお腹は素晴らしいですな
「変わっちまったな私…」
テニスに情熱を捧げた三年間は女に抱かれまくった三ヵ月で上書きされてしまっていた
さっき友達と遊ぶ楽しさを知ってしまったと綺麗なことをぬかしたが、本当のことを言うと女とイチャつく楽しさがやみつきになってしまっている
「テニス部ってなんで袖まくるんだろうなーえっち過ぎると思いますなー」
変態としか思えない独り言を呟きながら鼻の下を伸ばしてテニス部の練習を覗いているのは傍から見たら完全に不審者だ
女子高生は回転ずしで醤油を直飲みしない限りは罪に問われないと聞いたことがあるけど、もしかしたらデマかもしれない。捕まらないようにしないと
「奈妓っち?」
「どわぁっ!?ち、違うんです!けけ、決して揺れるおっぱいの応酬を眺めていたワケでは…って時久かよ」
「すまない、早口で聞き取れなかったんだが、今なんと?」
時久で良かった~
危うくわんわん号泣しながら反復横跳びで謝罪する所だったよ
「な、なんでもないって、それよりなんでコートに居ないの?サボり?」
「サボりではない、皆とは別メニューなだけだ」
「別メニュー?」
視線を時久の顔から脚に移してようやく気付く
腿にテーピングをぐるぐる巻いている
「怪我してんじゃん!?」
「軽い肉離れだ、合宿の時に張り切り過ぎてしまってな。大分良くなってきたんだが…」
「そんなの聞いてない!なんで言わなかったの!?私たち友達じゃん!?」
かつてのライバルでどちらかと言うと苦手だった時久を友達と呼んだことに心の中で少し驚いた
「心配は掛けたくなかったんだ、遊園地で楽しんでいる時に水を差すような真似は出来ない」
「そんなの気にしないでよ!黙ってるなんて酷い!」
ふと結衣の顔が浮かんだ
種類は違うけどあの夜の彼女もこういう気持ちだったのかもしれない
「…来て、ゆっくりで良いから」
負担を掛けないように気を付けながら時久をテニス部の部室に連れ込んだ
入ったことはないが場所は知っている
中にはおあつらえ向きに背もたれが無い人が寝れるようなベンチがあった。そこに時久をうつ伏せに寝かせる。
「な、なにを?寝てなくても大丈夫だぞ」
「そんなの知ってる。早く良くなるようにマッサージしてあげるよ。私も肉離れはやったことあるからやり方は分かってる。」
知らなかったとはいえ、時久が怪我している間に怠惰な日々を送っていたのが悔しい
だから少しでも役に立てないと気が済まない
時久はうつ伏せになりながらも振り向いて遠慮を口にしていたが、うるさい黙れと一喝する
彼女が観念して前を向いた所で私もベンチに上がってマッサージを開始した。
血行を意識して引き締まったふくらはぎを揉む
怪我の治療なので力を入れ過ぎないようにしないと
「?」
暫く集中してマッサージを行っていたが、ふと視線を感じて顔を上げる
顔を上げた瞬間に振り返っていた時久と目が合う
「!!!!!」
瞬時に視線を逸らした時久を見て察し、反射的に自分のスカートを抑えた
体重を掛けないようにベンチの上でしゃがんでたのが仇となったみたい
「ぱんつ見てた!?」
「あ、いや…」
「…最低、人が真剣にやってんのに、そういう眼で見てくるんだ」
「す、すまない」
ジト眼で時久を睨む
テニスの練習をえっちな眼で見てた私だけど、それとこれとは状況が違う
眞帆先輩に対してもこんなことあったけど、私って何かするよりぱんつ見せた方が良いの?
ナギパンマンはお腹を空かせてる子供が泣いてたらパンじゃなくてぱんつ見せて元気付けた方が良いのか?良くないよな!ただの痴女だよ!!
「はぁ…」
わざとらしくため息を付く
お姉ちゃんならまだしも真面目な時久にそういう眼で見てこられるのはキツい
…コイツも私でオ〇ニーしてんのか?
「時久って布団の中で私のこと考えたりする?」
「……………」
「黙ってちゃ分かんないよ。私とえっちすること想像してオ〇ったか聞いてんだけど?」
「…ある」
「聴こえない」
「奈妓っちのことを考えながらしてしまったことはある」
「想像だけ?」
「お前が送ってくれた自撮りを見ながら…」
「ふーんそうなんだぁ、想像の中の私はどんな感じ?」
「せ、積極的な感じ…だ」
「へー時久ちゃんは攻められる方がお好きなんですねーそれで?どんな感じで攻めるの?」
「上に乗られて色々と…」
「じゃあ今の状況と似てんじゃん。時久ちゃんは勝手に私の自撮りを使ってオ〇ってた時のことを思い出して興奮しちゃったんだ?いけないね?私は善意で自撮りを送ったりマッサージしてあげてるのに、君は全部えっちなことに使っちゃうんだ。友達だと思ってたのに酷いよ変態」
「ッ………」
「で、どうするの?」
「自撮りは消す。もう自慰もしない」
「そんなの聞いてない、やるかやらないのか聞いてんの」
「えっ!?」
「時久は私にえっちなマッサージされた方が良いんでしょ?独りなんかじゃ分からない気持ちいいこと教えてあげる」
膝立ちになり、シャツのボタンを上から外しにかかる
時久の眼は怖いくらいにそこに注視された




