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『女同士 セッ〇ス やり方』

蛇口から出るお湯はみるみるうちに湯船を満たしていく

このお風呂、ウチのより小さい

こんな小さなお風呂で恋人同士が一緒に入ったらどうなる?

「あーいい湯だったね」で絶対終わらないよね!?


ごくりと生唾を飲み込んでから蛇口を閉める

二人で入るには多すぎる量のお湯を入れてしまった。


「ど、ど、ど、どうしよ」


浴室から出て硬いベットにバタンと横たわる

元々、相部屋を望んでたくせにいざその時になったら怖気ついてしまった。


正確に言えば姉との一件があるから『初夜』ではないのだが、あれはノーカン

覚えてないし、思いだそうとすると頭痛くなってくる


「今回はちゃんとしないとな」


予習しとかないと、最中にアワアワしちゃダメだ

「あ!この体位、進〇ゼミでやったとこだ!」って展開にしなきゃ


私はスマホで検索した

『セッ〇ス やり方』


―――まずはキスをしましょう―――


なるほどね、いきなりガッついちゃダメってことか

私は妄想力を総動員してイマジナリー結衣を創り出し、情熱的なキスをした。

こんなとこ誰かに見られたら死ねる…


―――優しく身体を触りましょう―――


ふむふむ、気分を高めるってことかな

イマジナリー結衣の身体を弄ってみる

前に姉の部屋から没収した妹モノの同人誌が私の性知識の源流だから、彼女はなぜか私のことを「お姉ちゃん」と呼んでくる

こ、これはこれで良いな…




―――ゆっくり挿入しましょう―――




「なにを!?」


付いてねぇよ!!

流石の私でもイマジナリーなにがしは生やせないよ!!


気を取り直して『女同士 セッ〇ス やり方』で検索しようとした

けれどもその瞬間、部屋のチャイムが鳴ってそれは阻まれた。


結衣が来たんだ

やばいやばいやばい完全にノープランだ

「全然勉強してないわーつれー」って言っててホントに勉強してないパターンだよ!


ベットから起きて、おそるおそる玄関に向かう

そこには


「鍵くらい掛けときなさいよ不用心ね」


麗奈先輩が立っていた

なぜれいにゃん!?「今夜部屋に行きます」とか言ってた詩織さんならまだ分かるが、なんで麗奈先輩?

お前さっき「早めに寝なさい」って先生みたいなこと言ってたクセになんで来てんだよ!?

ん?先生?もしかして…


「女子が女子の部屋に遊びに行ってないか見回りに来た!?」


「なんでよ」


「じゃあなんの用すか?」


「…話したいことがあるの」


は、話?

話ってなんだ?今じゃないとダメなのか?

てかよく考えたらこの状況マズくね?今から恋人と会うのに部屋に他の女連れ込んでると思われるじゃん


「あ、明日にしましょ明日に」


つっぱりで麗奈先輩を部屋の外に押し出す

今年は両国めざすでごわす


「時間とらせないから!お願い」


ホテルの廊下まで押し出したのに麗奈力士は負けを認めてくれない

なんでこんなに必死なんだよ

客席に年老いた両親でも観にきてんのか?私そういうのに弱いんよ


「なんなんすか!?話なら私じゃなくて陽咲先輩にすれば良いじゃないですか」


「陽咲は駄目なの…貴女じゃないと」


!?


え?なにその儚げな表情?

陽咲先輩じゃなくて私じゃないとダメ?

もしや…


フラグ立てた!?

陽咲先輩とくっつけようと頑張ってたら私に惚れちゃったパターン?

もちろん彼女居るから告白されても付き合うことは出来ないんだけど、無下にもできない


「わ、分かりました。場所を変えましょう」




―――遠山奈妓と藤詩織がキスするまであと【9時間】―――

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