【倉園麗奈視点】貸しは必ず返して貰う女
家に証拠を取りに行った奈妓さんを見送る
ここからは私の出番になる
「こっちもゆっくりしていられないよ!早く証拠を隠しましょう!」
「そうだね!カメラは麗奈が外してくれないかな?」
慌ただしく動いている陽咲と小鳥遊さん
そんな二人に告げる
「その必要はないわ」
「「え?」」
紅茶が入っているポットに手を伸ばす
二人は気でも狂ったのかと言わんばかりに私を見る
「あの『遠山奈癒』が相手よ。既に証拠が揃った状態でやって来るわ。私達は既に敗北が約束されているの」
「諦めるってこと!?」
「諦めるとは言っていない、策はあるわ。」
「策って?」
「生徒会長様には貸しがあるの。それを返して貰うわ」
奈妓さんでも知らない遠山奈癒の秘密を私は知っている。
それを交渉材料にして部活存続を図る
「貸しって?」
「今は言えない」
秘密は奈妓さんの前では言えない
その為に適当を言って彼女を遠ざけた
証拠を持ってきてくれれば万々歳だが、遠山奈癒は物的証拠を残しておくようなヘマはしないだろう
「小鳥遊ちゃん、麗奈を信じてあげようよ」
陽咲が納得していない様子の小鳥遊さんを抑えてくれた
「陽咲、私と会長が二人きりになったら奈妓さんを呼んで」
「うん、わかった」
「ちょ!今来んの?今踏み込んで来んの?」
そろそろ奈妓さんが離れたのが生徒会に伝わった頃だ
このチャンスを生徒会が見逃すハズはない
この紅茶を飲み終わる前に踏み込んで来るだろう




