天才スパイ、ナギー誕生!?
翌日、詩織さんを退けた余韻に浸ることも許されず、私達は来たる生徒会のガサ入れについて協議していた。
「じゃあソファとかカーテンを撤去しなきゃじゃん!」
「名簿やモニターも隠さないとね」
小鳥遊と陽咲先輩の言う事はもっともだと思う
生徒会がいつ踏み込んでくるか分からないが、証拠隠滅は完璧にしておきたい
「その前に…」
麗奈先輩が私を見る
その前になに?やっぱりおっぱいも見せてくれるの?
「先手を打って、姉の部屋を調べなさい」
「ええ!?」
「人は誰しも弱みの一つや二つ必ずあるものよ」
「姉の弱みを握れってことですか?」
「ええ、そうよ。物的証拠を持ってきて欲しいの」
姉の弱みって完全に私のことだと思うのですけど…
物的証拠ってあるのかな?私の写真とかだったら私にもダメージが入るんだけど。
「さ、流石にそんなスパイみたいなマネは…」
やんわりと断る
他にもなにか方法があるはずだ
「貴女をボランティア部に入れたのはこの日の為よ。この仕事は生徒会長の妹の貴女しか出来ない。入部を許可した借りを今ここで返しなさい」
「ちょっと!ナギっち嫌がってるじゃん!無理矢理やらせるのはよくないです!」
小鳥遊…
ぶっちゃけ嫌なのは私にダメージが入るからなんだけど、黙っておこう
「麗奈だって辛いんだよ。でもみんなを守る為に言ってることなんだよ」
「みんな?自分じゃなくて?少なくても私とナギっちはこんなやり方納得出来ません!」
小鳥遊が陽咲先輩にも噛みついた
これじゃあガサ入れが入る前に空中分解しちゃうよ
「…私やります」
「ナギっち!?」
スっと立ち上がる
心配そうに見上げる小鳥遊に軽く微笑む
「ありがとう小鳥遊。でもきっとこれも私が巻いた種だから…」
姉がポランティア部を潰したい理由、恐らく私だろう
私の居場所を独占したいんだ。ホントなんで私に惚れた女って過激派が多いんだろうか?




